ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

ライブハウスのタイムテーブル、そろそろ公式に公開しませんか?

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タイムテーブル。タイテ。スケジュール。

ライブハウスやイベントスペースへ行く人ならば「タイムテーブル」という言葉だけで、「ああ、当日の出演者の出る順番や時間のアレね」って把握できると思う。

でも一般的にはタイムスケジュールとか言った方が意味合いは掴みやすいのかなぁ。どうなんでしょう。(ちなみに英語としては"タイムスケジュール"よりも"タイムテーブル"を使う)

 

いずれにしても、元々は関係者間の用語としてタイムテーブルと呼ばれていたモノが広く使われるようになったような印象。

一昔前は完全に非公開だったんだけど、最近は色々と動きも出てきて多様化されてきたタイムテーブル。今回はそんなある種パンドラの箱のような「タイムテーブル公開するかどうするか問題」に切り込んでいきたい。

 

 

そもそもタイムテーブルって?

タイムテーブルとは、簡単に言えば当日の進行表である。

タイムテーブルには、その日出演する演者の入り時間やリハーサルの時間、本番の時間が明記されている。

要は基本的には内部書類のようなもので、当日の進行はこのタイムテーブル通りに行われる。

中には打ち上げの時間だったり「これくらいの時間に客ハケ*1」等も書かれているため、基本的には外部へは秘密にされる。

 

このタイムテーブルの情報のうち、「本番の進行」について公開するか否かがしばしば論点に上がる。

例えば、バンドが5つ出演するとして「お目当てのバンドが何番目なのか」「お目当てのバンドが何時から出演するのか」を知る事が出来るかどうか、というところがカギとなる。

 

 

昔はほぼ全てのハコでタイムテーブル非公開だった

昔はタイムテーブルが一般に公開されることは無かった。ライブハウスへ問い合わせても「それは公開していないので…」の一点張りで、まず教えてくれない。

とはいえ、例えばお客さんがこっそり出演者と連絡を取って教えてもらう、という事はあったらしい。僕は真面目だったので、バンドマン時代はタイムテーブルを聞かれても「ハコ側の方針で答えられない」って言ってた。

中にはリハーサルの時間も教えちゃう脳みその軽いバンドマンも居たりしたので、厳格なライブハウスでは「当日バンドマンが会場に来て初めてタイムテーブルを見る事が出来る」というシステムを採ったところもあった。さすがに僕はこのシステムはちょっとやりすぎかなと思ったけども。

 

 

なぜタイムテーブル非公開なのか

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なぜタイムテーブルを公開しないのか。もちろん意地悪で公開していないわけではなく、ちゃんと理由や言い分はある。

 

まず、タイムテーブルを公開するデメリットとしては、例えばお目当てのバンドの出番が最後だと分かったとしたら「じゃあその時間に間に合えばいいや」ってなってしまってその前に出演するバンドを見なくなってしまう…。というもの。

確かにお目当てのバンド以外知らなかったら「目当てのバンドだけ見れればいいから、まぁご飯でも食べてゆっくり行くか…」ってなるもんね。超わかる。 

 

なので、タイムテーブルを非公開にすれば「お目当てがいつ出るか分からない」⇒「開演から終演までずっと居る」⇒「お客さんがずっと残ってくれる」という図を作ることが出来る。

これは無名のバンドとしてもメリットがあって、自分たちが目当てじゃないお客さんにも広く聴いてもらうチャンスとなり得る。

 

なるほど、一理ある。

でもそこには「一理しかない」とも僕は感じてしまう。

 

 

ここ最近の流れとネットの普及の関係性

最近ではタイムテーブルを公開するハコも増えてきた。

けども、その少し前の流れとしてはネットメディアやSNSの普及が大きいと僕は考える。

 

00年代後半あたりからは特に「個々がメディアを持つ時代」になってきたと思っていて。黎明期には個人で携帯サイトを作ったり、ブログを作れるようになったり。それまでは企業や団体の作ったサイトを受け取るだけだったけども、個々がそれぞれ発信出来るようになった。

今ではもう当たり前に誰もがツイッターやインスタグラムのアカウントを所有している。そんな背景が後押ししていると考えている。

 

具体的には、そういう個人所有のメディア上で大々的にタイムテーブルを公開する演者が増えてきた、という事が大きいと思っていて。

「自分たちの出番は●●時からです!」みたいなやつ。たぶんみんな一度はツイッターとかで見た事があると思う。

僕調べだけど、現在もタイムテーブル非公開のライブハウスやイベンターは体感上4割程はあると思っているので、そういうイベントの場合はもちろん規則違反に当たる。

 

先に書いた「タイムテーブル非公開」の恩恵は、出演者全員が非公開を守る事によって初めて効力がある

ある出演者が自分の出る時間を明かしてしまうと、規則を守っているはずの他の出演者がデメリットを被ってしまう事になりかねない。それはフェアじゃない。

頑なに出演時間を教えない、ルールを守っているバンドが何故か損をしてしまうのである。

 

じゃあ、とハコ側がタイムテーブル非公開を無くした、という流れではないかと思ってる。

とは言ってもニュアンスとしては「タイムテーブルを公開しても良いよ」という感じで最終的に公開をするかしないかはバンド側に委ねられているような印象。ハコ側がタイムテーブルを公に最初からアナウンスしているケースはまだまだ稀と言える。

 

 

タイムテーブル非公開は本当に効果があったのか

タイトルからもお察しの通り、僕はタイムテーブル公開支持派なので結論としてはタイムテーブル公開を持ち上げる書き方をしていくと思う。

ここまで読んでくれた人はきっと何かしらタイムテーブルについて思うところがある人なはずなので、この一意見を参考にしつつ色々と考えてみてほしい。

 

さて、タイムテーブル非公開の恩恵として紹介した「開演から終演までお客さんが居てくれる」のは果たして本当にバンドにとってのメリットとなっているのだろうか。

 

「お目当てのバンドだけ見れれば良い」ってタイプの人って開演から終演まで居たところでお目当てのバンド以外は結局興味が無いままだと思うんだよね。ヘタすると「お目当てのバンドを見るために無駄な時間を過ごすハメになった」って感じる人も少なからず居ると想像する。

そうなるとどんどんハコや他のバンドに対するマイナスイメージが強くなっちゃうから、それならばいっそタイムテーブルを公開してしまってお目当てのバンド以外の時間を有意義に使っていただきたい。

 

もしくは僕みたいに「何でも聴くよー知らないバンドでもとりあえず聴くよー」ってタイプの人は、もしかしたら開演からずっと居る事でまだ見ぬ最高のバンドと出会ってしまう事もあるかもしれない。

でも、そういうタイプの人って、結局タイムテーブルが公開されていようがいまいが全部見ると思うんだよね。だから実はタイムテーブルの公開・非公開は問わない。

とはいえ、もしもタイムテーブルが公開されていたら「ふむふむ次はこういうバンドか…」とか「今のバンドかっこよかったな…タイムテーブルでバンド名チェックしよう…」とか使えるんだよね。これってすごいメリットじゃない?だってバンドマンって大体ステージ上で自分のバンド名言わないじゃん?もしくは何言ってるのか聞き取れない。

 

 

「タイムテーブル公開」はメリットだらけ

タイムテーブルを公開するメリット、いかがでしょうか。

お客さんの立場で言えばメリットしかないと思うんだけどね。

基本的にライブハウスって一度入場したら再入場不可な所も多いし、ずっとライブハウスに缶詰めになることを考えると腹ごしらえもしておきたい。…となるとタイムテーブルを知りたい。

18:00に開演するとして、お目当てが20:00からならばライブハウスに行く前にご飯を食べようってなるし、逆に18:00からお目当ての出演ならばステージを見てからご飯を食べようってなる。

仕事を終えて間に合うかどうかも事前に判断出来るし、「会場に遅れて着いてしまったためにお目当ての出番が終わってしまった」なんて悲劇も回避出来る。

 

ライブハウスに行ったこと無い人にとって、なぜライブハウスのハードルが高いかって、

  • 会場が分かりにくい、怖い、アングラ
  • 出演者がよく分かんない
  • 料金や受付・予約のシステムもよく分かんない
  • タイムテーブルもよく分かんない
  • 終わりの時間もよく分かんない

…と分からない事だらけだからじゃないかと推測する。

一度行っちゃえば解決する事だらけなんだけど、その「一度行く」までのハードルがめっちゃ高い。これも何とかしたい。

調べれば「ライブハウスの行き方」やなんとなくの作法は出てくるけども、それはライブハウスがもっとウェルカムな環境を作るべきだと思う。出演者が何もしなくて良いとも思わないけど、ライブハウスの公式サイトっていまだにお粗末なサイトが多い。

予約の手順や受付、ドリンクメニューやフードがあるかないかも明記すべきだと思うし、スケジュールを更新していないライブハウスは論外。

 

余談だけど、ライブハウスの公式サイトを見ると「誰向け」かが分かる。ホールレンタルや出演方法が大きく書いてあればバンドに向けてる印象だし、道順や予約方法なんかが細かく書いてあるとお客さんも行きやすそうだなと思う。

 

 

 

タイムテーブル公開に踏み切らないのは何故か

なぜタイムテーブルを公開しないのかといえば、「昔からの慣習だから…」って感じのスタイルのハコがほとんどだと思う。

もしくは「全部のバンドを見てもらいたい!」ってバンド側のために考えてるんだと思うけど、でも結局現状としてはバンド側がそれを壊していってるわけで。

僕としては、昔はタイムテーブル非公開が主流でそれがフィットしてたんだろうけど、現代になってちょっとずつそういう風習も変えていくべきだと思ってる。

環境や流行が変わっていって、もちろんそこに居る人たちもどんどん変わってるわけだから。そりゃあシステムも追従していかなければどんどん古臭くなって時代遅れになる一方だと思うよ。

受け継いだものを守るのもカッコいいけども、商業としてのバランスも考えるならば時代に合わせないと。

 

 

僕の考える理想のタイムテーブル

僕は我ながら結構良いアイディアを考え付くタイプだとは思うんだけど、あんまり思い付いた事業プランとか言いたくないんだよね。自分が着手する前にパクられたくないから。

でも、今回考えたタイムテーブルはぜひとも広く使っていただきたい。関係者様方。なにとぞ。

 

最近はフライヤー(チラシ)もすっかりウェブフライヤーが主流になってきてると感じるのね。

合わせてタイムテーブルもウェブフライヤーにしている所ってちょっとずつ増えてきてると思う。

そこにプラスして、バンドの簡単な紹介なんかを書いてほしい。ちょうど演劇の演目みたいに。ショートプログラムを3本くらいやる場合、それぞれの簡単なあらすじが載ってたりするじゃん?そんな具合で。

そうすれば始まる前に目を通してわくわくしたりも出来るし、その紹介文がその日にライブハウスに行く決め手になるかもしれない。

終演後に振り返ってそのタイムテーブルを見る事で、より印象的に頭の中へインプットする事だって出来るはず。

 

今現在もウェブフライヤーのデザインにこだわっている所は多いけども、タイムテーブルは無機質だったり時間と出演者が書かれた最低限の情報のみのものが多い。

そこに紹介文やプロフィールや略歴なんかが書いてあったら興味が沸くと思うのね。

ぜひ行っていただきたい。このひと手間で、確実にライブハウスそのものに足が向く人が増えるはずなので。

 

 

 

なんとなく形式だけ続いてるような風習はどんどん時代に合わせて変えていかないと、ますますガラパゴス化する一方だと思うのね。

バンドは伝統芸能や文化遺産じゃないから、人口を増やさないと縮小していってしまう。

こういう部分はどんどんオープンにして間口を広げたいと僕は考えてるよ。

*1:お客さんに帰っていただくこと