ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

ココイチはもっと尖らないとヤバい

 

先日、カレーハウスCoCo壱番屋に行った。
いわゆるココイチだ。ココイチに関しては説明するまでもないだろう。

www.ichibanya.co.jp

ココイチでは現在、「ほぐして食べるキーマカレー」というものを販売している。
期間限定メニューであるため、そのうち終了するだろう。

価格はなんと1,230円(税込)
強気である。いやはや、カレーってこんなに高かったっけ、と狼狽える。

 

ココイチが高い、高く感じる

物価高、原価高騰、円安――諸般の理由により売値はどんどん上がっている。
それに引き換え収入はさほど上がらず、税金や天引きにより手取りは少ない。

 

ある程度は時代の流れであるため、仕方が無い。
しかし、ことカレーライスに於いては高く感じてしまうのだ。

理由は明確だ。カレーは国民食であり庶民的な家庭料理だからだ。

 

ココイチのカレーはデフォルト(トッピング無し)のポークカレーでも646円が基本。
トッピングを2種類しようものなら1,000円を越える。

円あたりのカロリー摂取で考えればパフォーマンスは悪くはないが、それでもランチで食べるには高く感じる。

ココイチの値上げ

なお、ポークカレーが646円になったのは2024年8月のこと。
この時の値上げ額は55円~76円*1と、約9~13%の価格上昇である。かなり攻めている。

 

しかし、別にココイチの値上げはこれに始まったことではない。
コロナ禍より前である2019年あたりからじわじわと値上げを行っている。

2024年2月期の決算では営業利益が前期比30.5%増となっており、「値上げによる客離れ」を感じさせなかった。
ただし、この営業利益増は2025年2月期についに下降する。株価も2024年2月2日に上場以降最も高値である1,338円をマークした後、下り坂である。
2024年12月にはいよいよ株価1,000円を割った。

 

2024年9月からの第3四半期では客数が落ちている。前年比▲4.9%となった。
つまり直近である2024年8月の値上げが客足に影響してしまっていると言える。

 

他チェーンの台頭

主に牛丼チェーンだが、最近ではカレー参入が多くレッドオーシャンとなっている。
確かに味の開発と量産体制にさえ目途が立てば、カレーは比較的全国展開が楽な方だと思われる。

松屋は2013年から「マイカリー食堂」という別ブランドを立ち上げて松屋との複合型店舗での出店を加速。2021年には100店舗を達成している。

吉野家やすき家は同店舗内でカレーメニューを開発している。
吉野家は2024年12月にカレー業態として「カレー専門店 もう~とりこ」をオープンしており、吉野家の戦略次第ではカレー市場が更に激化していくと思われる。

 

とはいえココイチは1,000店舗以上が存在するため、まだまだ大きな脅威ではないのかもしれない。

しかし、ココイチ以外の他社のカレー業態はいずれもココイチよりも低価格である。より安くカレーを食べたい層からすれば、ココイチは劣勢である。

 

より個性を尖らせて

ココイチが生き残るには"味"よりも"個性"だと思っている。

正直ココイチやそれよりも安いカレーチェーンで求められているものは「100点満点の味のカレー」ではないだろう。
ましてや「厳選した国産原材料をじっくり数日かけて仕込んだうえでさらに数日煮込んで…」みたいなストーリーではない。
そういった手間暇はもうやんカレーに任せておけば良い。

www.moyan.jp

 

そういえば、ココイチが肉塊カレーを出していたのは記憶に新しい。
振り返ってみると2024年11月の話だったが、インパクトもあり印象にも残っている。

まさしくこれが生き残る道である。「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」とのコラボということもあり、SNSとのシナジーも抜群。

その上で尖り過ぎておらず、比較的誰でも注文できそうな商品として落とし込んでいたのがお見事。肉塊の量を選択できたのも良い。

 

驚くべきはその販売価格で、一番肉塊の少ない肉塊LEVEL1でも1,650円(税込)。一番上の肉塊LEVEL4だとなんと3,240円(税込)
いやいや、安めの焼肉食べ放題やしゃぶしゃぶ食べ放題が出来てしまう価格である。お店によってはディナーのコースメニューも楽しめるかもしれない価格でもある。

 

それでも十分ヒットしたと思われる。
これはもうカレーライスの庶民的なイメージを破壊したからだと分析する。そう、この"庶民的"というイメージを打破しないとカレーの高価格路線は難しい。

 

そして、これこそが活路である。頑張れココイチ。

 

新作の粗挽きキーマカレー

そして、今回のキーマカレーである。

特製のキーマボールを自分のタイミングで崩しながら食べるんだと。ふむ。

まぁ個性はあるわね、と思いながら注文してみた。

程なくして到着。

ナッツが散りばめられていてオシャレ。
このまま食べるも良し、粗く崩すも良し、いきなり崩すも良し。

客サイドに食べ方が委ねられている。

とりあえずこのまま食べてみる。十分おいしい。
カレー自体はそこまで辛くない。

続いて、キーマボールをちょいと崩してキーマボールだけで食べてみる。
これは…なんだこの既視感ならぬ既感は…。



分かった、ハンバーグだ。
これキーマボールというよりもミニハンバーグだ。

 

キーマボールというにはしっかりと火入れがされ過ぎていて、ミニハンバーグをぐちゃぐちゃにしてカレーに混ぜる感じになった。致命的に見た目が上品じゃない。

これはもう、カレーにミニハンバーグがトッピングされているだけなのでは…?と喉まで出かかっている。しかしそれを言ってしまってはダメな気がする。

寓話で「王様、それは見えない服なんかじゃなくて裸ですよ」と言えなかった家臣もこんな気持ちだったのだろうか。そんなことをふと考える。

 

このミニハンバーグ乗せカレー…じゃなくて粗挽きキーマカレー、味は決して悪くない。

が、1,200円オーバーでミニハンバーグが乗ったカレーを食べるのは如何なものだろうかという考えが擡げる。いやマジでどうなんだろう。

 

だったら同じココイチでもカツをトッピングした方が満足度は上だったように思う。
ベースとなるルーもこのキーマカレーでしか味わえない特別なルーみたいなのだが、確かに味の違いは分かったが価格差が反映されているようには思えなかった自分の舌が悔しい。

 

もっと尖ってくれ、ココイチ。
「崩しても良いし、そのままでも良いよ」みたいに保険をかけるな。尖れ。

*1:地域によって異なる