ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

米粉の種類があり過ぎる


9月になり、十五夜が近づいてきた。
「さて、月見団子でもこさえる準備をするかな」と思い立ちスーパーへ足を運ぶ。
するとそこにはありとあらゆる種類の粉たちが待ち構える。「なんだこれ、粉だけ異様に品揃えが良いな」「でしょ?旦那、うちは上モノの白い粉しか扱ってないですよってに、ウシシシ」と脳内でよく分かんない裏世界の住人を会話させつつ目をやると、「上新粉」「白玉粉」「だんご粉」「もち粉」「道明寺粉」と様々。

上新粉、道明寺粉はなんとなーく違いそうだなと分かるとしても、「白玉粉」「だんご粉」あたりって何が違うんだ?そもそも白玉と団子は別物なのか?と素朴な疑問が浮かんでしまう。
いやぁ、一切分からん。調べるとするか。

 

うるち米か、もち米か

この違いは何となく予想がついていたが、うるち米を使っているのかもち米を使っているのかで名称が異なる。

うるち米

うるち米を使っているのが「新粉」。その中でもきめ細かなものが「上新粉」となる。
他にも「乳児粉」という離乳食等に使われる米粉もあるらしいが、うるち米を使っている=ほぼほぼ「上新粉」と言って良いと思う。

もち米

当たり前だが「もち粉」にはもち米が使われている。他の「白玉粉」「寒梅粉」「道明寺粉」なども製法は違えど同じくもち米。
マニアックなものだと「落雁粉」「みじん粉」「上南粉」ももち米である。

αかβか

米のでんぷんがα化(=つまり加熱)しているかβのままか、というところでさらに細分化出来る。決してBなLの分類の話ではない。

α型

α型、つまり加熱してから粉にする製法のものは、「寒梅粉」「みじん粉」「道明寺粉」「落雁粉」「上南粉」が該当する。

例えば精白したもち米を水洗い⇒浸漬したのち蒸し上げて餅にしてから更に焼き上げて粉砕したものは「寒梅粉」、精白したもち米を水洗い⇒浸漬したのち蒸し上げてから乾燥させて砕いたものは「道明寺粉」、と絶妙に製法が異なる。

こんなことを言うと和菓子職人に殴られそうだが、この辺はまぁ似たようなもんって感じである。

β型

こちらは加熱せずに粉にしちゃう製法となる。
米を水洗いして水気を切って乾燥させてから粉にしたもののうち、うるち米だと「上新粉」、もち米を使っていれば「もち粉」となる。なお、うるち米・もち米の両方を配合していれば団子向きの「だんご粉」となる。

より手間のかかる「水挽製法」という挽き方をすると「白玉粉」となる。

 

結局、月見団子にはどれ?

おとなしく「だんご粉」を使っておけば無難に団子が完成する。もち米、うるち米の両方と特徴を楽しめ、モチモチ感がありつつも歯切れの良い団子が出来るだろう。なんせ「上新粉」と「もち粉」の間だし。

白玉粉」を使っても良い。いわゆる白玉団子が出来上がる。

もち粉」は求肥や大福に用いられるような、あの食感の物が出来上がる。月見団子からはちょっと離れるかもしれない。

上新粉」はういろうや柏餅のような、モチモチで粘りのある感じではなく、ちょっと硬めで食感のある物が出来上がる。団子にしてもおいしいにはおいしい。

 

求める完成形の食感や味付け、用途によって正解が変わってくる。

なお、つまり上新粉ともち粉を好みの割合で配合すれば好みのだんご粉が出来る…なるほど、これは泥沼の予感…。

 

白玉と団子の違い

ちなみに白玉と団子の違いは三省堂「新明解国語辞典 第六版」によると以下の通り。

【白玉】(しらたま)
白玉粉をこねて作った、小さなだんご。

【団子】(だんご)
穀類の粉を湯でねり、こねて丸めて蒸した(ゆでた)食品。また、挽肉などで作ったものを言う。

とのこと。ははぁ、なるほど。じゃあ白玉は団子の一種なのか。ということはもうどっちも団子。
そうなってくると、どの粉を使って団子を作るかは好みの問題である。好きにすれば良いんだと思う。結局好み次第!