勝手に僕が提唱しているトンカツ理論という物がある。
巷でトンカツ理論と言えばマーケティング用語を指すようだが、僕が語るこちらの理論はマーケティングと一切関係ない。
マーケティングのトンカツ理論目当てで検索してここに来た人、ごめん。申し訳ない気持ちも無いわけではない。何でもするから許して。
トンカツっておいしい
トンカツっておいしいよね。豚のカツレツでトンカツ。
カツレツと言う言葉はフランス料理のコートレット(côtelette)から来ているとか。コートレットは、イタリアではコトレッタ(cotoletta)、ロシアではコトレータ(котлета)として様々な地域に派生していっている。
なお、インスパイアされて日本流にアレンジされていった結果誕生したトンカツとオリジナルのコートレットはもはや別物、独立した料理と言っても良いくらいに違う。
油で揚げた肉は総じておいしい。
トンカツもそうだし、牛カツもおいしい。から揚げもおいしいし、フライドチキンもおいしい。
最初に「せや、肉を油で揚げたろ!」ってなった人は天才だと思う。
いいトンカツはさらにおいしい
「いいトンカツ」の定義は非常に難しいが、高級料理店のソレをいいトンカツとしよう。
まぁ高級料理店だから、もう雰囲気や立地だけでおいしさを味わえるかもしれない。
なお、個人的に思う「いいトンカツ」はこうだ。
満を持して出てきた黄金色に輝くトンカツは庶民的な一品と言うよりも最早芸術品のようで、揚げムラが無く、色も衣も厚さも均一に整えられている。
ジューシーでありながらも重くないしクドくない。
僕もたまにトンカツを揚げる。それなりに美味しく出来るのだが、やはり専門店のプロには及ばないなと思う。
いいトンカツはお値段が高い
当たり前なのだが、いいトンカツは値段が高い。
豚肉だけでなく、パン粉ひとつ取ってみても相当こだわっているかもしれない。卵もブランド物、油も高級品かも。
調理を担当する人間だって、きっと熟練のプロが揚げるのだろう。そうなれば人件費としても技術費としても高くなる。
チェーン店のカツもおいしい。あれはあれですごい。だってアルバイトでもおいしく揚げることが出来る設備とノウハウと準備が全国規模であるわけでしょ。
例えば"かつや"のカツ、好き。おいしいよね。オートフライヤーというハイテクマシンで揚げるらしい。
いいトンカツをいつ食べるか
さて、いいトンカツを食べるにはお金がたくさん必要になる。
正直かつやのカツもおいしいし、いいトンカツを食べられる値段を出せばかつやで複数回食事が出来る。
これは本当に価値観次第なのだが、「いいトンカツが食べてみたい」という前提で進める。
若いうちはお金が無いからいいトンカツに辿り着くのは痛みが伴うだろう。
しかし、齢を重ねていくとお金にはゆとりが出てくるが、いいトンカツであっても鱈腹いただくのは難しくなってくる。
お金のゆとりとお腹の強さはまさに反比例。
まぁ別にトンカツじゃなくてもサシがバンバンに入った高級黒毛和牛サーロインステーキでも良いんだけど、ああいったものは若いうちは良いが歳を取るとお腹に厳しい。
しかし若いうちは財布に厳しい。
どちらをとるか。これが僕の提唱するトンカツ理論である。
稚拙ながら自作の以下のグラフをご覧いただきたい。
このように、お金のゆとりとお腹のゆとりには反比例の関係があるため、機を逃すと「若い頃はねぇ、『お腹いっぱい高級なトンカツを食べてやるぞ』って思ってたんだけどねぇ、もう無理になっちゃったの」と孫に話す年寄りになるだろう。
いや、別にそれはそれよ、それで後悔しないなら。
でも、もしここに後悔がありそうなら、今のうちに多少無理してでもいいトンカツを食べるのだ。
別にこれはトンカツに限らない。人によってはギトギトのラーメンかもしれないし、前述のサシ入りまくりの黒毛和牛サーロインステーキかもしれない。
とにかく、将来もしも後悔しそうであれば、今のうちにちょっと無理して食べると良い。
僕は今めっちゃおいしいてんぷらが食べたい。
そこはトンカツじゃないんかい。