一刻魁堂はラーメンのチェーン店。
本社は名古屋市なんですって。知ってました?
名古屋が本社のラーメンのチェーン店といえば、スガキヤを筆頭に藤一番、はなび、歌志軒…*1といろいろあるのだけど、なんとなーくそんな中では影が薄い気がしてしまう一刻魁堂。
いや、よく行く人はよく知ってるんだろうけど。狭い世界の話で恐縮だけど、僕と僕の界隈では少なくとも話題に上ったことは無い。僕自身も過去に一度行ったことがあるだけだ。
そもそも一刻魁堂とは
全国に50店舗。愛知県内に30店舗が集中。
そのうち名古屋市内には6店舗しかないので、そりゃあなかなかラーメン屋としての選択肢に上らないよなぁ…と思いつつ。郊外を攻めていくタイプなのかもしれない。びっくりドンキー的な。
その全国展開の布陣を見ても、関東も関西も進出しているにも関わらず東京と大阪を敢えて外している。
そんな一刻魁堂。よく一刻堂と読まれてしまうのだけども、無理も無い。
「魁」の文字が小さいのだ。
ちっさ。
もし自分が老眼ならゴミか汚れだと思いこんで見逃す。
しかししっかりと、赤い四角の中には「魁」と刻まれている。
というわけで「一刻魁堂」が正式なのである。これにはもちろん理由もある。
実は元々は「一刻堂」という名前で展開していたのだが、「よっしゃ心機一転や!」的な感じで一刻堂改め「一刻魁堂」としたのだ。まぁあれだね、「改」とか「新」とか付くのと同じノリ。
※歴史は事実だけども一部想像(フィクション)を含む。
「メニューを絞っていないお店=ビミョー」という説
一刻魁堂では醤油ラーメンを基本とし、味噌ラーメンや豚骨ラーメンもラインナップ。
さて、ここで巷でまことしやかに囁かれているのが、見出しにも書いたような説。果たして真偽の程はいかに。
バッキバキに主観で申し訳ないんだけど、僕としてはもう今の時代に於いてはそれはあまり関係無くなってきてるかなとは感じている。
要するに、醤油や塩やとんこつ…と多様なスープを一つの店舗のみで寸胴なりで炊く事は高コスト過ぎて事実上ほぼ不可能⇒セントラルキッチンで加工済みのスープが届く⇒「作られた味」なのでは?というのが大元の話ではあると思う。
でもセントラルキッチンでは別に化学実験をしているわけではない。しっかりと素材から出汁を取って何時間も煮込んで…とやっている所も多い。
だって考えてみてほしいんだけど、あのコダワリの塊みたいなスープストックだってセントラルキッチンでベースを作ってるわけで。
「セントラルキッチン=あんまり良くない」みたいなイメージがどうしてもラーメン屋には存在するような気がしている。
もう一つの見地として、一つの味で勝負していない⇒こだわりが分散してしまっている、というものも。「頑固一徹」の文字を具現化したようなハチマキをしたおっさんが言ってそう。
気持ちは分からなくも無いけど、どっちも別に相応の企業努力があるわけで、そのよそ様のやり方に対してやいのやいの言うのも無粋だと思ってる。逆に女々しく感じる。
丁度、進化の過程で陸でも空でも生活出来るようになった鳥類のようなものだと思う。別に良いじゃない。
どちらにせよ、こう「古き良き」みたいなのが良いとされるんだろうね。
オールドスタイルで、店でスープを炊いて、味を絞ったような。
そこにニーズがあるし、そういうのも僕は好きだ。でも、だからと言って逆を行くスタイルのお店を真っ向から反対してはいけない。
もちろんその方針に対しての合う合わないはあると思う。
最終的に、実際の味がどうなのかは食べてみりゃあ分かる。
こだわりを食べるわけでも理念や方針を食べるわけでもないでしょう。
行ってみる
金山小町の中に出来た一刻魁堂。
飲み屋の多い金山小町の中で、ラーメン屋は2つ。そのうちの1つが、この一刻魁堂だ。
早い時間は人がまばらな店内も、夜が更けていくにつれて人が増える。〆のラーメンは最高だもんね。
しかしこの一刻魁堂、実は金山小町用にカスタムされた改造型一刻魁堂だった…!
実はちょっと違う、金山小町の一刻魁堂
ここの一刻魁堂は他の店舗に比べて一品メニューが多くなっている。飲む人のニーズを考えたラインナップになっているのだ。ぬかりない。
よって、単に〆としての利用だけじゃなくて、もうこの一刻魁堂だけでも完結する事が出来るという仕組み。
なお、他の場所にある一刻魁堂のサイドメニューは、ギョーザ・唐揚げ・チャーハン等の王道はもちろんのこと、フライドポテトやゲソの唐揚げまで揃えている。
これだけでも一般的なラーメン屋さんとしては十分な品揃えではあるが、金山小町店はさらにお酒に合うメニューが用意されている。
まず、餃子だけでも焼きギョーザ・揚げギョーザ・さらにはピリ辛アレンジの台湾焼きギョーザと台湾揚げギョーザもある。
棒棒鶏や煮玉子、ソーセージ、ニラ玉モヤシ炒め等のお酒に合いそうなおつまみも豊富。揚げ物も麻婆豆腐もあり、本当にここだけで飲みが完結出来てしまいそうな勢い。
ピリ辛なメニューが豊富
メニューを見ていると、「台湾~」というメニューが多い事に気付く。ピリ辛メニュー推しなのだ。
唐揚げもフライドポテトも先述のギョーザも、それぞれに台湾ver.が存在する。
台湾ラーメンのおかげですっかり台湾=辛いの代名詞になってしまった感が否めない。(実際の"台湾らしい味付け"って甘辛い感じだと思うんだけども)
そんな中から「台湾カラアゲ」をいただいてみた。
■台湾カラアゲ
唐辛子マークもあったからちょっと身構えたんだけど、ピリ辛程度でおいしい。楽しめる辛さ。
台湾ミンチのようなものが唐揚げに乗っていて、油淋鶏に近い感覚で食べれておいしい。
ラーメンをいただく
肝心のラーメンもいただく。
ラーメンは醤油がスタンダードで、味噌やつけ麺もある。台湾ラーメンや台湾まぜそばなんかも展開。
味も覚えていない事ですし、店名を冠した「さきがけしょうゆ」をいただくことに。
麺の太さが選べ、極太麺と中太麺の2種類があった。
こちらも冒険せずに中太麺に。極太麺も好きなんだけどね。
そして到着。
ビジュアル良い。白飛びさせすぎたのは反省してるので許して。
スープ表面には背脂が浮いていて、麺ともやしはチャーシューで覆われている。
スープは醤油ベースだけども、背脂と良くマッチする。淡麗系でも無いし、かといってくどくも無い。しかし物足りなさも無く、チェーン店らしいバランスの取れた味でおいしい。
チャーシューと青ネギは普通。ラーメンを邪魔しない、良くも悪くも脇役。でもこれで良い。
揚げネギが乗っているのだけど、これがおいしい。ごま油の香りが良い。
ラーメンと一緒に持ってきた柚子昆布酢がおいしかったのはびっくり。
お好みでラーメンに入れる系のアイテムだったんだけど、名前や見た目的にトリッキー系の味変アイテムだと思っていたらところがどっこい。そっと引き締めてまとめてくれて、味わいに深みが出る。これは驚き。
そこまで柚子っぽさや酢のクセも無く、思い切って入れてしまっても割と平気。少しずつ入れて良い感じのバランススポットを探ってみて。
そしてひっそりと頼んでいた「ふんわり玉子チャーハン」。
パラっとしつつも、玉子はふんわり。しっかりと米粒にごま油が行き渡っていて良い感じ。状況良い。
具はいたってシンプルで、玉子とネギのみ。味の濃さが控えめで、ラーメンと交互に行くと丁度良い。濃い味のチャーハンもおいしいけど、ラーメンと張り合ってしまう時もあってそれはそれでアレだったり。
新発見、一刻魁堂
一品料理からラーメンまで、しっかりと楽しんでしまった一刻魁堂。
驚きと新発見の連続でございました。というかまぁ僕があんまり知らなかっただけなんだけどさ。
金山って老舗のラーメン屋さんが多いイメージではあるけども、新たな選択肢が出来た。
一刻魁堂がご無沙汰だった人も、行ったことないって人も、ふらっと行ってみると発見があるかも。
ショップデータ
一刻魁堂 金山小町店
営業時間
ランチ…11:00~14:30
ディナー…17:00~24:00
定休日
不定休
住所
愛知県名古屋市中区金山4-6-9 金山小町内
メニュー(抜粋)
一刻しょうゆ…650円
さきがけしょうゆ…790円
ふんわり玉子チャーハン…330円
※価格は税抜き
※本記事の内容は2020年1月現在のものです。
*1:うま屋、鶴亀堂、ㇻの壱あたりも取り上げたかったけど、実は愛知県の会社ではあるけども、「名古屋市内」ではないので割愛