北海道にはスープカレーという郷土料理がある。
先日、自分なりに納得のいくスープカレーを作ったので、レシピにご興味がある人はそちらへ。
スープカレーとは
スープカレーは文字から連想できる通りカレーの一種である。
札幌でブームに火が付き、その後全国に広まる事になるが、それは2000年以降のこと。
全国で認知されるようになった時期から考えると、郷土料理としては比較的歴史が浅いと言える。
歴史
通説として、1975年ごろに札幌にある「アジャンタ」という名の喫茶店が出した「薬膳カリィ」が原型と言われる。
これがいわゆる「カレー」「カレーライス」とは別の物だった。
似たような味わいだが、ライスとともに供されるわけではない。
カレーのようなトロみはないが、カレーを感じるスープのようなもの。
この薬膳カリィが札幌の界隈で有名になり、他の店も続けて似た形態のカレー味のスープを出していき、にわかにブームの序章となった。
この頃はまだ「スープカレー」という名称は無かったという。
後発ではあるが、1993年に開店した「マジックスパイス」が「スープカレー」という呼称を編み出したと言われている。
これにより、「なんかほら、あれ、カレーのスープみたいなアレ」に呼称が付き、ブームを加速させた。
特徴
スープカレーはカレーでありながらカレーではない。
どちらかと言えばスープであるが、かと言って「カレースープ」という名前だと俗過ぎる。
「スープカレー」とはなかなか言い得た呼称だと感歎する。
成り立ちから見ても、最初からカレー味のスープにすることを狙ったというよりも、薬膳スープを作っていく過程でカレー味に似通い、カレー味にすることでより食べやすくなっていったという方向性なんだと思う。
スープカレーがカレーのようにトロみが無いのは、トロみの元となる小麦粉(薄力粉)が入っていないから。じゃがいも等のトロみが出やすい具材を一緒に煮込むことも無いので、スープのようにサラリとした仕上がりになる。
メインの具材はチキンレッグが豪快に入ることが多かったが、北海道らしいラム肉を使ったり、魚介メインのスープカレーも増えてきている。多様性。
他の具材――主に野菜だが――これらは一緒には煮込まず、素揚げをしたり茹でたりしたものがトッピングされる。
スープそのものも然ることながら、このトッピングがスープカレーらしさを醸している。彩りの良い野菜が綺麗に並べられている様は見栄えも良い。
いずれの具材も大きめのサイズの物が豪快に。
スープのベースはインド料理がルーツなので玉ねぎと鶏出汁が基本。
トマトを加えたり、牛の出汁を用いることもあるらしい。エビ出汁を使うスープカレーもあるとか。なんか前に食べたな…。
現在
2000年以降、スープカレーが露出を高め、北海道から全国へ。
物産展みたいなものにも登場し、また人気タレントがスープカレー隙を公言したことにより、人気が加速した。
現在では各地にスープカレー専門店が出来ている。
北海道の有名店の進出もあるが、個人店が多い印象。それゆえ独自性が尖った店が多そうだ。
先日、自作したスープカレーを食べたわけだが、やはりスパイスを豊富に使っているせいか、体も温まり調子も良い気がする。
スパイスが体に働きかける力って強いなぁ、と。作るのは手間だったけど、定期的に食べたい仕上がりだった。
少し時間はかかる*1が、ぜひ休日にでも作ってほしい。「カレーもいいけど、スープカレーもアリだな」ってなるはず。
*1:6時間程度で出来る