ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

【檸檬の書:使用編③】塩レモンを使う


塩レモン
というモロッコ発祥の調味料を作成した。

文字通り手塩に掛けて熟成を進めた塩レモン。その出来栄えや如何に。

 

作成編はこちら。

blog.neko-labo.work

 

 

使えるようになるまでに1ヶ月ほどの熟成が必要となるという話だが、細かめに切れば熟成はより早くなる。

今回は串切りをさらに半分にカットした形のため、1週間くらいで良い感じになると想定。

 

塩によりどんどんレモンが脱水していくため、その水分を吸った塩は硬化する。

塩の量を少なめで漬け込んでいる場合は、レモンがしっかりと塩に触れるように毎日面倒を見る。

 

3日後

既にレモンからかなり水分が出ている。

瓶底の塩は固まり、やや黄色みを帯びる。

 

塩が不足するようなら上から塩をかけ、「追い塩」をする。

毎日掻き混ぜては塩へと沈める。レモンが塩に沈められて可哀そうだが、刺激度で言えばレモンも中々の物なので、考えようによっては塩の方が侵食されている側なのかもしれない。

 

6日後

追い塩を続け、全体的にしっとりとウェットになってきた。

レモンはセミドライの見た目に。

この状態になればもう使用可能だろう。

匂いを嗅いで、異臭がしないことを確認する。

 

9日後:料理を作る

それではこの塩レモンを使って料理を作る。

塩レモンはモロッコの調味料だし、せっかくなのでモロッコの伝統料理である「タジン」にインスパイアされた料理を作る。

本来のタジンは名の通りタジン鍋を用いるが、そのような調理器具は持ち合わせていないため、フライパンの中で完結させる「なんちゃってタジン」とする。

 

鶏肉のトマト煮 数種のスパイスを添えたモロッコ風

北アフリカ、大西洋に面した地域ではタジンやそれによく似た料理が家庭料理として至る所で作られる。

本格的にやるならばタジン鍋、鶏肉も骨付きで行きたいところだが、今回はお手軽アレンジとさせていただく。

紹介する分量は2人前だ。

材料(2人前)
  • 鶏肉(もも)…250g前後、1枚分
  • 塩レモン…1/4個
  • トマト缶(カット)…1缶(400g程度)
  • 玉ねぎ…1個
  • にんにく…1片
  • ミックスビーンズ(水煮)…150g
  • オリーブオイル…小2
  • 砂糖…小1/2
  • 塩…少々
  • 胡椒…少々
  • クミンパウダー…小1/2
  • コリアンダーパウダー…小1/2
  • シナモンパウダー…少々
  • チリペッパーパウダー…少々
  • イタリアンパセリ…適宜

鶏肉はもも肉の方がジューシーに仕上がる。結構煮込むので、胸肉だとパサついてしまう。まぁお好みで。

トマト缶はカットの方が使い勝手が良いが、ホールしか手に入らなければホールでも良い。煮込みながら潰すので問題無い。

にんにくは1片しか使わないが、チューブだと全然味の印象が変わってしまいスパイスたちが負けてしまうので、ぜひにんにくを買ってほしい。余ったら適当にフライドガーリックか乾燥させてチップスにでもしてほしい。

ミックスビーンズはとりあえずヒヨコ豆が入っていればそれっぽくなる。水煮ではない豆そのままの物を買ってしまうと調理時間が6時間半伸びるので注意。

スパイスは一例として。あまり辛くない味付けとなる。必要ならば鷹の爪をぶち込んでも良い。ただしフェヌグリーク、カルダモン、クローブなどを入れていくとだんだんトマトカレーになっていってしまうので注意。もっと本場に寄せるなら、ジンジャーパウダーを入れておくと良い。

砂糖を入れるのは、この料理に甘味担当の材料がいないから。ほんのちょっと、甘味を感じないくらいで良い。

 

下準備

まずは下準備。

にんにくはみじん切り。1片あれば充分。余ったにんにくは油でサッと揚げてフライドガーリックに。揚げた後のにんにくの香りの付いた油はパスタと絡めて使うと良い。

玉ねぎも粗めのみじん切りに。まぁ正直ザクザクと切れていればどういう形でも良い。

 

鶏ももをブロックで買っていたらコロッとした一口大にカットしておく。

胡椒で下味を付けておくと良い。

 

スパイス等は先に計量しておいても良いが、煮込みながらでも準備する余裕はあるので下準備としてはこれくらい。

調理

それでは調理していく。まずはオリーブオイル(小さじ2)を敷き、鶏肉(分量全て)を焼く。表面が良い感じの焼き色になるまで焼いていく。

中火くらいで良いと思う。

鶏肉を押してみてプニプニする=中はまだ火が通っていないのだが、この後最低でも20分は煮込むので問題無い。むしろ焦げないように注意。

 

こちらへ切っておいた玉ねぎニンニクを投入。良い音がしてくる。

どんどん玉ねぎが透き通っていく。ちょっとイエロー~ライトブラウンくらいになったら頃合いだ。しっかりと炒めた方が香りと甘さは出る気がするが、こちらも焦げないように注意。

音がチリチリと変わってきたら、出てきた玉ねぎの水分も蒸発し始めている合図。これ以上やると焦げてしまうので、この音が聞こえたらやり過ぎかもしれない。

 

ここにトマト缶を全て入れる。入れたら一度全体を掻き混ぜる。

ここにスパイス各種、塩レモン、砂糖を入れる。

スパイスはクミン(小さじ1/2)コリアンダー(小さじ1/2)シナモン(少々)チリペッパー(少々)。ホールのスパイスではなく、パウダーの方が全体に馴染むのでオススメ。

塩レモンは塩を拭きとるか、サッと流水で洗う。しっかり漬け込まれていれば皮ごと食べてしまえる。漬け込みのサイズが大きければキッチンバサミや包丁でカットしながら入れていく。

砂糖は適量を入れる。あまりに多いと東南アジア系の味わいになってしまうので、少量で良い。

 

あとは弱火にして20分ほど煮込んでいく。水分が減り過ぎたようなら水を足していくが、割と水分は取ってしまってドライカレーくらいの粘度にした方がそれっぽい。

 

最後に豆を加えて5分ほど煮込んだら完成だ。

このあと、好みでイタリアンパセリでも散らしておけば彩り的にも見栄えが良い。

食べてみる

見た目は何の変哲もないチキンのトマト煮。

でも一口食べてみるとスパイスが香り、どことなく地中海っぽさもある。

塩レモンもまたしっかりと存在感がある。合う。

 

引き続き塩レモンを熟成させていく。

それでは一旦ここらへんで。