ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

爆音と耳栓と、それから私


最近、思い出したかのように耳栓を買った。

ここ数年ずっと使っていなかったのだが、ふと一組持っておこうと思うに至った。

 

今までの僕と耳栓

昔は耳栓を使う事が多かった。
どこで使うのかと言うと、ライブ会場だ。

 

音の大きさ(デシベル=dB)について

音の大きさを表す単位としてデシベル(dB)がある。もともとベルという単位があり、これに10分の1を意味する「デシ」が付いたのがデシベルである。デシリットルと同じ原理だ。
なお、100分の1は「センチ」、1000分の1は「ミリ」となる。

 

ライブ会場での音の大きさは110dBかそれ以上と言われている。
電車のガード下が100dBと言われているので、それ以上だ。
なお、繁華街が70dB、静かなオフィスが50dB、深夜の屋内が30dB、と言われる。

 

100dBを越えると、会話はほぼ出来ない。「え??なんて??」状態である。耳元ででかい声でしゃべってようやく聴こえる。

70dBでもちょっと声を張らないと厳しい。1m離れると聴こえづらくなる。

 

大音量は耳に悪い

まぁそんな会話もままならないほどの爆音が耳に良いわけもなく。

WHOが耳を守るための基準を出している。以下の通りだ。

  • 大人・・・80dBを週40時間まで
  • 子供・・・75dBを週40時間まで

まぁこれくらいなら守れそうかも、という感じ。
こちらは2019年にWHOが出したものだが、以下のような発表もあったとされる。

耳を障害から守るため、

  • 85dBは1日8時間まで
  • 105dBは1日4分まで
  • 115dBは1日28秒まで

というわけで、ライブ会場に行ったら1曲目の途中、下手するとサビを聴くことなく御退出となる。いやいや、なんだそれ。

 

これでは何をしに会場へ行っているのか分かんない。
でも大音量が耳に悪いのは事実。実際、音響外傷*1と呼ばれる聴覚障害もある。

 

聴力は基本的に回復しないと言われる。視力に似ているのかも。
ケアをすればちょっとは回復するんだろうけど、でも劇的に良くなったという話は聞かない。未来の技術に期待。

 

プレイヤーとして

僕もライブハウスに頻繁に足を運んでいた。

ライブ好きを公言する人でも、ライブへ行くのは月に1回~多くて週に1回あたりがボリュームゾーンだと思う。それ以上行く人もいるし、そういう人も知ってるけど。

僕はミュージシャンとしてそれよりも全然多くライブハウスに行くわけで、そうすると比例して耳へのダメージは多く大きくなる。
単純にプレイヤーとしてライブハウスに行くときもあるし、知人の演奏を見に行く事だって、好きなアーティストのライブを見に行く事だってある。
他にも練習をしにリハーサルスタジオを使うときだって、なかなかの爆音だ。
ライブハウスだけじゃない。家で録音したデータを聴き直したり、パソコン上で編集したりするときも基本的に爆音だ。

爆音にする意味

なぜ、わざわざ爆音なのか。

"音量を上げる"ということは画像で言えば"ズームインする"ことに当たると思う。

家での話にするならば、拡大した方が細部まで細かくチェックできてアラも見える。
ライブハウスでの話にするならば、高解像度の絵を超拡大してお届けするような感じかな。
これはインパクトもあるし、ある種のトランス状態や一体感・非日常感も伝えることが出来る。

耳栓を買う

あと、僕はドラムを叩いていた時期もある。
ドラムって目の前で叩くと本当にうるさくて。とてもじゃないけど防音設備が無い状態の屋内では鳴らせないなと思ったほど。

それゆえ、ドラマーの知り合いは本当に難聴が多い。
ライブ中は片耳だけイヤホンをしてガイドを聴いていたりもするんだけど、こちらもドラムに負けないように爆音にしていることが多い。
ガイドを出す機材の音量MAXじゃ全然足りず、わざわざ機材をもう一つつなげてそちらの音量もMAXにしてブーストして、やっとドラムに勝つことだってあるくらい。
そんな環境だからますます難聴になる。凄まじい悪循環。

 

で、ドラムを叩いていた時期に「ドラマー用耳栓」「ライブ用耳栓」の存在を知り、情報を集め、買って使っていた。

当時は全然今ほど耳栓の重要性も認知も浸透しておらず、情報集めは苦労した。
確か海外製のトリプルフランジ(3段階のキノコみたいなのがついてるやつ)を選んだと思う。左右の耳栓が紐でつながっていて、首にかけることが出来る。これが地味に便利。メガネにチェーンが付いているのもきっとこんな感じで便利なんだろうな。

(こちらはイメージ。色とかは違うけど、だいたいこんな感じ。)

今は色々な種類があり、銃撃する人が使うようなヘッドホン型イヤーマフもあったり。これはドラムの爆音から耳を守りつつ、中でイヤホンも出来るからガイド音も聴けるという便利なもの。
ただ、ヘッドホン型の欠点として、激しく動くとずり落ちる。

 

他にも密閉型のイヤホンを使う事で耳の保護も出来る。

適度に耳障りな音だけをカットするなら僕が当時使っていたようなイヤープラグが良い。こちらは遮音性がそこまで高くない代わりに、会話は普通に出来たりライブ感は損なわなかったりと良い感じ。プレイヤー向けと言うよりもリスナー向けな感じ。
ライブによく行く人はイヤープラグを検討するのも良いかも。

 

ただ、耳栓を買ったからと言って、爆音に何時間でも身を置いて耳を曝して良いかと言えば、決してそういうわけではないのでご留意。

 

今の僕と耳栓

コロナ禍になり、すっかりコロナ禍が終わり、しかし僕の生活スタイルはコロナ禍前には戻っていない。
一度こぼれた水は戻らないし、一度折り目を付けた紙は綺麗に広げても折り目が残る。

 

少し話が逸れたが、今は以前ほど大音量・爆音の環境に長時間身を置く事が無くなった。
かつて使っていた耳栓も古くなってしまい、捨てたと思う。ケース付きで便利で、ちょっとチープなデザインで(まぁ実際チープなんだけど)、日本全国を一緒に移動した相棒だ。

 

まぁもしまた必要になったら、最新の良いやつを買おうと思う。

最近は割と耳栓の重要性も認知されてきたと思う。当時は「耳栓をしてライブを聴くなんて失礼な!」って風潮もあったしね。僕は「そんな週1回程度しかライブに行かないような人が何言ってるんだ」くらいにしか思わなかったけど。
永くライブハウス、コンサートに通うためには耳栓がマスト。そういう時代になってきたと思う。

 

新しい耳栓

――ってことを考えながら、耳栓を買った。

薬局や文具店や百均なんかでも売っているような、ウレタン製のものだ。

海外製大袋もあるが、そこまで使用頻度も高くないだろうし、知っているメーカーのものにした。

シンプルな耳栓で、先端部分をギュギュっと潰して使う。もちろんウレタンなので元の形に戻ろうとするが、その前に耳に入れてしばらく押さえておく。そうすると耳の中で膨らんで隙間なくフィットしてくれるというもの。

原理は単純で、ちょっと乱暴でもある。でも効果は高く、量産もしやすく良いモデルだ。

 

耳栓の使い道

結構遮音性が高く、気に入っている。
アラームや警報音などは聴き取ることが出来るが、細かな生活ノイズはシャットアウトされる。
自分の体内の音が聞こえ出すのが面白い。この感覚が苦手な人もいるけど。

 

集中時の音環境については色々と試行錯誤をしているところで。
ほら、勉強するときもカフェくらいのガヤガヤ感が良いって人もいるし、図書館くらいが良いって人もいるし、色々でしょ?

僕も今、改めてどういう環境がベストなのかを考えているところだ。
最近、集中したい物ごとによって良いと思える音環境が違うなと明確に気付き始め、ちょっとした泥沼である。勉強なのか、こういったブログの執筆なのか、とかね。

これは長くなるのでもし書くとしたらまた別の記事になるんだけど、「いかに効率良く"フロー"状態を生み出すか」を考慮してみている。無音が良いのか、ちょっとしたBGMを流していた方が良いのか。無音は無音でも耳栓をするくらいフォーカスするのか。

 

まぁでも一つ持っておきたかったんだよね。耳栓。

旅行とかで使うのも良いかも、とも思ったけど、僕は結構環境音を聴くのが好きで外でもイヤホン・ヘッドホンを着けない派なので、これは微妙。

寝るときに良いのかとも思ったけど、アラームが聴こえなかったら嫌だなとか思ったり。あと、耳内部が蒸れるのも良くないので、睡眠時に着けっぱなしはちょっと装着時間が長過ぎるかも。

色々試行錯誤してみることとする。

*1:耳に大音量の負荷がかかった後に、音が聞き取りづらくなる現象。強力な音波で内耳が障害を受けている。難聴の原因となる。進行段階では耳鳴り、めまい、聴力の低下等の症状が出る。