ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

【Waves】ベース・エンハンサーで低音の隠し味を「Renaissance Bass」

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数多く存在するWavesのプラグインの中から「Renaissance Bass」を紹介。

こちらはいわゆるベース・エンハンサーで、低音強化のためのプラグイン。

Renaissance Bassとは…?

ルネッサンス・ベースはWaves社のルネッサンス・シリーズのプラグインのうちの一つ。

分かりやすいパラメーターとフレンドリーな見た目で、手早く低音を足せる優良プラグイン。

低音強化系プラグインの違い

ベース・エンハンサーと呼ばれるプラグインにはいくつか種類がある。

それぞれ個性的な作りをしてるのだけど、大まかに分けると2種類。

ハーモニック・エンハンサーサブ・ハーモニック・ジェネレーターだ。

ハーモニック・エンハンサー

元の音を基準にして、聴覚的に低音が足されたように認識させる周波数を足すプラグイン。

ちなみにルネッサンス・ベースはこのハーモニック・エンハンサー。ルネッサンス・ベースの設計土台となった「Maxx Bass」もハーモニック・エンハンサーとなる。

サブ・ハーモニック・ジェネレーター

元の音を基準にして、実際に低域を生成して足すプラグイン。

Waves社のプラグインで言えば、「LoAir」「Submarine」がこちら。

2つの使い分け

さて、この感じだとどんなシチュエーションであっても後者のサブ・ハーモニック・ジェネレーターを使えば良いような気がしてしまう。前者のハーモニック・エンハンサーによる疑似的な低音強化よりも、実際に低音を足した方が効率的に思える。

が、実は一概にそうとも限らない。

 

せっかくサブ・ハーモニック・ジェネレーターで超低音を加えたとしても、それを再現できるだけのスピーカーやリスニング環境が無ければ意味が無い。その超低音は無いに等しくなってしまう。

例えるならば、映画のあの超低音の地響きのような音を家のテレビだとなかなか再現できない――という状況と同じである。

 

裏を返せば、低音を十分に再現する事が出来ないリスニング環境であっても、前者のハーモニック・エンハンサーであればあたかも低音が充分存在するかのように再生する事だって出来るのだ。よって、後者よりも前者の方がマッチするケースもあると言える。

見た目

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操作できる部分も少なく、シンプルですっきりとしたデザイン。

その分、深くこだわった調整には向いていないが、ササっと手早く効果を得るには適している。

 

使い方

①Freq(周波数)

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ハーモニクスを作り始める周波数値を決める。

32Hz~256Hzの間で調整出来る。

 

とりあえず、まずは取り込んだ音の基準となる周波数に合わせると良い。

いわゆる基音の事で、簡単に言えば一番デカい部分の周波数*1に合わせれば良い。そこから調整を始めていく。

②Intensity(強度)

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①で指定した周波数を基にしたハーモニクスをどれくらい追加するかのレベルを決める。

-24dB~+24dBの範囲で設定でき、大幅にマイナスにすると低音除去にも使える。(敢えてこのプラグインでやる意味は無いけども。)

 

メーターは生成したハーモニクスの調整後の音量を示していて、メーター下部に数値化されている。

③Original Bass

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原音のうち、①で指定した周波数よりも下の音がこちらにメーターとして表示される。(つまり①の値が高周波数なほど、メーターの値も大きくなる)

上部のINのスイッチを"On"にした場合はこの音も追加され、"Off"の場合は生成されたハーモニクスのみが聞こえるようになる。

下部の数値は音量を示す。

④Gain

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「Original Bassの音」+「Freq,Intensityで指定して生成したハーモニクスの音」=アウトプット、となる。

このメーターとアウトプットの値を見ながらGainを調整する。低音が足されているため、元の音よりも大きくなっている事が多い。

使い道

必然的に低音を強調したい楽器に使う事になる。

ベースギター、シンセ・ベース、バスドラムなんかに差す事が多い。

サウンドエフェクトーー例えば近くを通る隕石の音、足音、重い扉が閉まる音なんかに使うのも良いかも。

他のベース・エンハンサー系に後から差し替えるにしても、とりあえずこちらのルネッサンス・ベースを差しておく…といった感じで、デフォルトとして加えておくのも良いかも。動作も軽いしね。

 即戦力のプリセットたち

たくさんのプリセットが用意されている。正しく使って正しい効果を得たいところ。

blog.neko-labo.work

価格

普段は12,000円(税別)程度だが、セール中は3,000円~4,000円程度となる。

中程度以上のバンドルに入っているので、セットで購入した方がお得。

 

僕は"Sound Design Suite"でRenaissance Bassを入手。V-EQや各種マキシマイザー、コンプにディレイ…とそれぞれ味のあるプラグインが各種入っている。こちらのバンドルはちょっとトリッキーなので、ベーシックなプラグインを既に持っている上でWavesらしさを体感したい人向け。


 


 


 

 

まとめ

思った以上に簡単に低音の補完が出来てしまうので、まるで魔法のようなプラグイン。

ルネッサンスシリーズ全体に言える特徴だけど、イヤらしさが無くナチュラルな変化をするので、扱いやすい。

普段のミックスをワンランク持ち上げるために、オススメです。

*1:一部例外有り。基音よりも第2倍音(ちょうどオクターブ上の音)の方がレベルが高くなる場合もある。