睡眠が大事だという話は何度か出してきている。
脳にも体にもプラスな事しか無い。
睡眠の唯一のデメリットは時間を消費するところだ。
よって、睡眠のメリットとデメリットを天秤に掛けて寝るか寝ないかを判断する事となる。
僕も含むフリーランスの方は始業時間や終業時間というものが基本的に無い。
「仕事を始めるか」と思ったときから「今日はここまで」と思ったときまで、が仕事の時間である。
よって、自分自身の裁量による部分が大きくなる。1日に18時間くらいぶち込んでブラック企業も真っ青なペース(ブルー企業だね!)で仕事を進める事も、ゆるゆる1日おきに数時間ずつ仕事をするようにしても良い。
学校やフレックスタイム制の敷かれていない企業は、だいたい毎日同じ時間に始まるだろう。よって、家を出る時間もほぼ同じになる。そうなると、起きる時間もだいたい固定されるだろう。
この強制的に外出するイベントが生活リズムを保つためのルーティンとなるのだ。学校や仕事を中心として起きる時間が決まり、一日の流れも決まる。
よって、そういった強制外出イベントの無いフリーランスの方々は往々にして不規則な生活をしていたりする方が多く見られる。
生活リズムの固定が必ずしも善とは言いかねるけども、言いたい事はある。
「寝なさい」
…ああ、不眠の方たち。
不眠の原因やアレコレにもよるのだけど、「寝る努力をして寝れない」のか「最初から寝る事を諦めている」のかでも全然違う。
横になるだけでもある程度の効果があると云う。そして不眠の原因を取り除くのも大事だと思う。
僕が不眠じゃないのであまり具体的なアドバイスが出来ないのは申し訳ない。
確かに睡眠は効率が悪いかもしれない。
毎日6時間、長ければ8時間が睡眠に充てられる。一日の割合は4分の1~3分の1。
単純計算すれば80年生きていたら20年以上は寝て過ごしている事になる。
ところで、巷ではショートスリーパーというテクニックがあり、セミナーが開かれるほどだ。
僕は全くオススメしないけど。
無理をして起きて、眠い中で目をこすりながら進める作業の効率の悪さたるや。眠い時に開かれるミーティングを想像してほしい。もう最悪だ。
睡眠不足の状態では集中力も思考力も落ちる。良い考えは浮かばず、考えは上手くまとまらない。
なので、「今日はもう作業効率が落ちたな…」と思ったなら、もう脳や体が休息を欲している状態――つまりオーバーワークなのである。自分を過信してはいけない。
そこであとちょっと作業を続けたとしても、翌日スッキリとした状態で見直したらちょっとしたミスがあったり時間を掛けた割に大したものじゃないかもしれない。
ここで「ああ、だったら寝た方が良かったな」となれば生活リズムを改善できるかもしれない。
なお、ショートスリーパーのノウハウとしては「睡眠時間を削る」というよりは「睡眠時間を凝縮する」というイメージだ。
どちらにしても僕は否定的だ。人それぞれなのでとやかく言う気は無いが、身の回りでやろうとしている人が居るなら一応止めてみたりはする。
さて、寝る間を惜しんで作業をして、「寝ずにやったおかげでここまで進めれた!」となるタフな集中力を持っている人もたまに居る。
寝なかったことを後悔しない、そして多少の睡眠不足を物ともしない強靭な体力を持った人だ。
いや、正確には自分がタフだと勘違いを起こしているケースがほとんどで、これが問題となる。
そして寝ずに作業をして尚且つその出来が良いと、それが自分への自信にもなってしまう。「寝なくても大丈夫だし、寝ずにやった方が作業が進む」と。
しかし、体にも脳にも確実に負担が蓄積し続けている。そのSOSが遮断されているだけに過ぎないのかもしれない。
睡眠時間をあまり摂らない人で短命だった人はあまりにも多い。
芸能人、漫画家、ミュージシャン、医者、経営者。
僕の知っている範囲でも結構多いし、僕の知り合いでも数人居る。
そして、どなたも睡眠を削るほどの努力家で完璧主義で素晴らしい方々だった。
折角の才能。発揮する機会が失われてしまっては、意味を失ってしまう。
まだ生きていれば、もっと評価されたかもしれない。
もし生きていれば、もっと多くの作品が見れたかもしれない。
どうしても、そんな"たられば"が並んでしまう。
ある時に「ああ、もっと寝ておけばよかった」と気付いても遅いかもしれない。
だから今、気付いてほしい。
睡眠を軽視しないでほしい。
ぜひ、どなた様も、よい夢を。