人生を春夏秋冬の季節に例える話。
春を「青春」と呼ぶように、夏は「朱夏(しゅか)」、秋は「白秋(はくしゅう)」、冬は「玄冬(げんとう)」とも言う。
これは中国の陰陽五行に基づく呼び方で、木火土金水のアレである。
五行思想に関しては詳しくはWikiなどを参照されたし。
四季の変化は木=春、火=夏、金=秋、水=冬が当てられ、土は季節の変わり目を表す。今も残る土用の丑の「土」こそこの季節の変わり目の意味となる。
現在も青春はよく用いられるが、朱夏、白秋、玄冬も続く。
順序からして玄冬が最も年齢が上ということになるが、青春は早くても11歳くらいからだと思うので、それよりも前も玄冬とする見方もある。季節は巡るものだし、一理ある。
しかし僕がこれを知ったのは確か小学4年生の頃だったか。
青春という言葉は知っていたが、他の3つは初耳だったため、帰ってさっそく親にこの話をしたような気がする。
「単純に寿命を80年としたら4で割って、一つの季節あたり20年くらい。」
と僕は説明した。
「だからお母さんは40歳を過ぎたから、もう白秋ってことだね!」
この後なんか怒られた。そんなこと言わないでとか言われたような気がする。
大人はいつだって理不尽だ。
まぁでも今考えると確かに40歳って"ゆらぐ"年齢で、秋=人生の折り返しと言われたらちょっと嫌だなって思う。
40歳ってなんかリアリティがある年齢だよな。でも30歳もそうだし、25歳もそうだし、20歳もそうだった気がする。そしてきっと50歳もまた何かを実感する歳なのだろう。
そんな母は結局60歳で亡くなってしまったので、一つの季節を20年ではなく15年で回った様なものだった。
そう考えるともう実は30歳から秋で、40歳を越えた当時は晩秋だったということになる。
ああ、人生って長いようで短い。
季節それぞれに良いところがある。もちろん悪いところもあるが、そこばかりに目を向けていたらどうにも人生を過ごしていく上で息が詰まってしまうような気がする。
春は花粉が…夏は暑いし…とか言って過ごすより、春ははじまりの季節で穏やかな気候、夏はエネルギッシュで海や山に生きたくなる、とか考えていた方が何だか前向きな気がする。
前向きに進もうが後ろ向きに進もうが、人生の長さは変わらない。
願わくば、穏やかで、でも毎日刺激的でフレッシュで、それでいて平和で、ポジティブに日々を過ごしたいと思う。