めちゃめちゃグルメというわけでも無いけども、食べるのが大好きでほどほどにグルメ。でお馴染みの橋本ねこがお届けする新コーナー。橋本ねこの「週末お取り寄せグルメ」、始まります。
食は生に欠かす事の出来ぬ行為。されど食に対する価値観や考え方は人それぞれ。
最低限を口にすれば良いと言う者、食べる行為・時間が無駄に感じる者、食べる事ことが悦びである者、食がライフワーク・趣味となっている者。そして食を仕事とする者。
日本では世界各国のグルメを高い水準で味わう事が出来る。これは日本国民の中で食に困っている人が少ない証明であり、同時に日本国民の中で食にこだわる人が多いという証でもある。
そして僕もまたその一人。食の探求心は尽きない。そんな僕が自宅に招き入れた(=お取り寄せをした)逸品を紹介していくのが本コーナーである。
今回のお取り寄せ品
「サーモン塩辛」
サーモン塩辛というものをご存知だろうか。
テレビ等でも出たりしているので割と知名度があると僕は勝手に思っているけども、それはアンテナを張っている人の間での話かもしれない。どうなんでしょう。
2018年頃から盛んにメディアに取り上げられるようになった逸品。僕の中ではベタだけど、まぁ初回ですし。初手のジャブとしてはこの辺からがよろしいと僕の直感が言っています。
手掛けるのは株式会社 三幸。
海産物や山の幸を使った贈答向け珍味・漬物等がメイン。社名の由来は山の幸、野の幸。海の幸の3つの幸による。
本社は新潟に構え、元々は漬物製造業を行う。新潟は米どころでもあり、日本酒も有名。その副産物である酒粕を使った山海漬けが原点となっているそう。
手掛ける製品はどれもお酒と合いそうだったりご飯が進みそうだったりする品々ばかり。そんな中、サーモン塩辛は他の物よりもいささか現代的であり、かつオリジナリティ―が光る。そんなところも人気に火が付いた要因だろう。
サーモン塩辛とは
「サーモンの塩辛」というもの自体がなかなか聞き馴染みが無い。
まずはそもそも塩辛とは何なのかというところから見ていきたい。
塩辛
塩辛といえば、イカの塩辛のイメージが強い。
イカの塩辛はイカの身と内臓に多めの食塩を合わせ、発酵させた食品。濃いめの塩分にする事で腐敗することなく熟成させる。麹を加える事もある。
ここから転じて、他の魚を用いた塩辛もあり、特にカツオを用いた物を酒盗(しゅとう)と呼ぶ。文字通り酒が盗まれるように無くなっていく事に由来する。
大辞泉には以下のような記述がある。
酒盗|魚介類の肉・内臓・卵などを塩漬けにして発酵させた食品。
ここから、特に必ずしも内臓を含む必要が無い事が伺える。
サーモン塩辛の原材料
サーモン塩辛には、実は内臓は使われていない。
使われるのはハラス。サーモンの部位の中で一番脂が乗っている部分。サーモンの大トロとも呼ばれる。
場所はお腹の部分で、つまり切り身で言うならば細くなっている端の方のちょっと白い部分である。
サーモンの種類はアトランティックサーモンを使用。
日本でよく見るサーモンの種類がトラウトサーモンとアトランティックサーモン。
トラウトサーモンは比較的廉価であり、回転寿司やスーパーの刺身として多く流通しているため、非常に馴染み深い。
アトランティックサーモンは北欧、特にノルウェー産が多く流通する。
アトランティックサーモンはトラウトサーモンと比べるとこってりとしており、ややクセもあるがその分旨みもある。
サーモン塩辛の製造工程
このアトランティックサーモンのハラスを新潟県内産の糀を利用した「塩糀」を用いて4日間低温熟成する。
使われる塩糀ももちろん拘りの糀を使用。新潟県内の糀屋から取り寄せた物を使っている。
その他調味料と混ぜ合わせるのも全て手作業だそう。「そんなん、お金を掛けてオートメーションしちゃえばいいのに」と思わなくもない部分だが、まんべんなくハラスに塩糀を行き渡らせるには手作業じゃないと味にバラつきが出てしまってダメらしい。
熟成させた後は、イクラと合わせる。
イクラの存在感は抜群。影の立役者と言える。
そして最後のビン詰めも手作業。何かと手作業で手間暇がかかっているのである。
食べてみる
まずはそのまま頂いてみる。
美しい色合い。サーモンのピンク。いくらの紅。
ハラスは元々トロっとしているのに、塩糀に漬け込まれた事により更にトロトロに。
食べてみると、そこまで塩分のピーキーさは無く、比較的食べやすい。
とはいえ味は強め。塩分も低くないので注意。魚卵も入っているし、なんというか"蜜の味"感が否めない。この背徳感すらおいしい。
公式では「ちょっと醤油を垂らして…」という高血圧まっしぐらな更にアウトローな食べ方がオススメされていた。興味のある方は是非。
サーモンは刺身のように滑らか。というかまぁ実質刺身だもんね。
結構大きめの切り身で入っているので食べ応えもあるし満足感もある。
それこそ酢飯に乗せても美味しいと思うし、そのまま酒の肴にも。
せっかくなのでご飯にも乗せてみる。
この輝き。心なしかご飯も嬉しそうだ。
もちろん合わないわけがない。そうそう、お茶漬けにしてもおいしいかも。
しかしこのサーモン塩辛は美味し過ぎるので、自制が利かない人は体に毒かもしれない。塩分も高いし、子供がハマると並みのおかずじゃ満足できなくなってしまうかも。
こういうグルメは大人になってからね、と言い聞かせ、子供が寝てから楽しむのも一興なグルメかもしれない。子供はのりたまでも食ってりゃいい。
ご飯は一瞬で無くなる。
お酒は合わせるならやっぱり日本酒。辛口な冷や酒で行きましょう。
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