サッポロビールがリリースした新たなビールテイスト飲料*1、「ゴールドスター」。
ただの発泡酒とか劣化版ビールでしょ？と思いつつも、なんというかプッシュがすごい。サッポロがこれに賭けてる感がひしひしと伝わる。さすがにちょっと興味が沸いて、買ってみた。
僕はこと発泡酒や新ジャンルと呼ばれるビールに関しては拘りがほぼ無い。
「どれも同じような味」と思っているし、しかし飲み比べるほど飲んでいるわけでも無いし、という。
あとは、なんとなく「安っぽい」。これが意外と僕としては購入を遠ざける理由となっている。
もう一つ、こちらもイメージの問題が大きいんだけど、なんとなく「まがい物っぽい」ような感覚も受ける。ビールよりも税金の面で優遇されてコストを抑えられる代わりに、麦芽の使用量には制限が課される。簡単に言えばビールの風味のするサワー、のような感じ。
しかし、この「ゴールドスター」は今まで発泡酒や新ジャンルに対してそういったネガティブなイメージを持っていた人にこそ飲んでほしい、らしい。
まさに僕じゃん、って事で騙されたつもりで買ってみた。
ゴールドスター＝金星。サッポロの強気な姿勢
「GOLD STAR」ってネーミング。親しみやすさはあるけど、どことなく発泡酒っぽさは感じてしまう。
しかし、缶には「SAPPORO」のロゴの方が大きく入る。このフォントで「GOLD STAR」って書いてあったら間違いなく安っぽくなってたと思う。
その下にはレトロ感のあるカタカナで「ゴールドスター」と記載。この辺は昔ながらのビール缶があって、40～50代はくすぐられるんじゃないかと思う。
ゴールドスターの中身には「サッポロ黒ラベル」と「ヱビスビール」のノウハウをそれぞれ詰め込んでいるようで、デザインにも両者の特徴が盛り込まれている。
中央の大きな星はもちろん「サッポロ」のロゴから。また、「SPPORO」のフォントはヱビスビールの「YEBISU」のものを踏襲。
個人的には「SINCE 2020」に感銘を受けた。
普通は歴史の長さを表して「ほへぇー、昔からあるのねぇ」みたいに思わせる効果を狙うために記載する事が多い。要は「伝統的な昔ながらの物ですよ」と思わせるのだ。
しかし「SINCE 2020」って、まさに今じゃん。生まれたてほやほや。これはもうサッポロの「ここから歴史を作っていくぞ」という溢れんばかりの強い意志を感じる。いやむしろだだ漏れすぎる。
缶のベースとなるカラーは、アイボリーまではいかないけどもオフホワイト系。これまた渋い。
個人的には一昔前の野球のユニフォームのデザインのようなしっくり感を感じた。これまたビール愛飲者層に自然に響くデザインに仕上がっている感じがする。
「サッポロ黒ラベル」×「ヱビスビール」＝
さっきもちょっと触れたけど、サッポロには手掛けているビールが２種類ある。「サッポロ黒ラベル」と「ヱビスビール」だ。
それぞれの技術を使用した新ジャンル、という。いわば技術の結晶である。
黒ラベルの麦芽、ヱビスのアロマホップ、そして双方の製法を使用。
ここまでぶち込んだら普通は「高級路線のプレミアムビール」を作るはず。でも完成させたのは新ジャンル。
前述の通り、税金が安いために低価格で販売できる。セールで110円くらい、高くても140円ほどで買えてしまう。冷静に考えると110円って価格、もうジュースじゃん。
黒ラベルとヱビスの良いとこどりをした新ジャンル。
強気すぎてどんどんハードルが上がってしまう。それだけ自信があるのだろう。
その味わいやいかに。
飲んでみる
ドラッグストアで安売りしてた。しかし安すぎるのも不安になるよね。350ml缶、税込み121円。ジュースかよ。
グラスに注ぐと、あら良い色。
飲んでみると、確かに今までの発泡酒や新ジャンルとは毛色が違う。
従来のライトで飲みやすさを追求したものとは異なり、ビールのような重みがちゃんとある。しかし新ジャンルらしい飲みやすさもある。
丁度良い落としどころに収まっている感はある。ビールだと思って飲んでしまえば驚きは無いものの、奇を衒わずしっかりとした味わいが再現されている。
むしろこれからの時代だとこういう味の方がガツンとしたビールの味わいよりもウケが良いかも、とも思える。
脂っこい料理にも合いそうだし、重すぎない飲み口はスッキリ感があって苦すぎない。
しかもこの値段だしね。結構気に入ったかもしれない。
まとめ
サッポロの本気を感じてみては？熱量がすごい。
*1:いわゆる「新ジャンル」。
