なんでも飲みものにすれば良いって物じゃない。
ファミリーマートは完全にあの犬で味を占めている。
聞くところによると、売れすぎてパッケージデザインが3種ほどに増えたらしい。犬のくせに侮れない。失礼の無いようにしなければ。
前作のプリンを飲む発想は百歩譲れる。巷では既にプリンシェイクなる飲みものも存在したし、スタバでもマックでもプリン味の飲料は出ていた。プリンを飲むのは自然な流れだろう。みんな飲んでる。
翻って、わらび餅を飲む発想は今までにあっただろうか。「あーわらび餅飲みたいなー」という感情に陥ったことが無いのでよく分かんない。わらび餅マニアからすると普通なんですかね?カルチャーショックが凄いよ。
夏になると無性に食べたくなるわらび餅。そんなわらび餅を何故飲みものにしようとしたのか。商品開発部を問い詰めたい。なんでこうなった。
とはいえ飲む前からどうこう言っても仕方が無いので、買ってみる事にした。まぁわらび餅だし、マズいって事は無いでしょう。(フラグ)
買ってみる
前作同様、チルドカップ。ポップコーン屋さんの飼い犬がプリントされたキュートなチルドカップに対して、やや控えめに端の方に陳列されていた。これがヒエラルキーか。
いくら平等な世の中が叫ばれても、陳列棚のスペースには限りがある。
そしてその棚の中にもスポットライトの当たりやすい位置と日陰となる位置が存在するのだ。
飲んでみる、前に…
「さて、飲むか」と思い、ストローを外してフタに突き刺そうとする前に、違和感に気付く。
外蓋と内蓋の間に何かいる…。
チルドカップにあるまじき禁じ手、小袋…!
側面の説明を読むと、飲む前にこの小袋を入れてかき混ぜろとの事。
チルドカップと言えば、買って側面のストローをぶっ刺すだけですぐ飲めるという、難しい工程を一切省いてIQが10くらいでも飲めるところがメリットのひとつであるのに。それを欠いてしまっている。
なお、小袋は2つもある。黒蜜ときな粉だ。
これは外で手軽に飲む事は難しそう。少なくともテーブル…カップを置く台は欲しい所だ。
黒蜜は封を切るときに手に付くかもしれない。べたべたしてしまい飲み終わるまで指先が気になり続けるのはイヤなので細心の注意を払いたい。
たまに外で飲んでいる猛者も散見されるが、かなりのチルドカップの使い手だと思う。
しぶしぶ側面の説明に従い、内蓋を取り去り、黒蜜ときな粉を入れる。
というかチルドカップで中の液体の色をマジマジと見る事って中々無いよな…とか考える。
カップが透明ならば見れるけど、そうじゃないとチルドカップの中身はブラックボックス。
マウントレーニアだって実は中身が緑色の液体かもしれない。もちろん違うけど。
説明によるときな粉を入れて、黒蜜を掛けて、ストローで30回かき混ぜて完成。側面だけじゃなく、小袋を取り去った内蓋にも説明が載っている。
せっかちな人だったらギリギリ返品したくなるくらいの面倒さだ。
ちなみにこれらを混ぜ終えた時のビジュアルが最高に写真映えしないので、ぜひ己の目で確かめてみてほしい。
なお、カップの中身のわらび餅を模した液体は半透明でドロッとしていて、控えめに言って気持ち悪い。その上、きな粉と黒蜜を入れるとビジュアルは悪い方向へ加速する。
これは我ながら良い例えだと思うのだけど、すき焼きを食べ終えたあとの残った玉子の色になる。
30回ほど混ぜたら完成。
やや黒蜜を含んだきな粉がダマになりまくりで、このままオーブンに入れたら失敗の予感しかしない何らかの焼き菓子の焼く前のような見た目。
ストローで混ぜた後なので、外蓋をどうしようか迷う。もう一度取り去ってるしそのまま飲むのも良い。
飲んでみる
飲んでみると、食感というか質感は完全に卵白。
たまに塊でズゾゾっと入ってくる。これを良いと思えるかどうかは人を選びそうではある。
頭の中で「よし…今飲んでいる物はわらび餅…」とコンディションを整えてから挑んでほしい。
味は黒蜜ときな粉が混ざり…いや、意外とちゃんとわらび餅だ。ただの黒蜜ときな粉の味のするラテではない。
これが何かと問われれば、ちゃんと「わらび餅」と答えることが出来る。
そう考えるとチルドカップでわらび餅が楽しめるというのも悪くないのかもしれない。
最初の工程の手間はあれど、一回作ってしまえば後はストローで吸うだけ。
急なわらび餅メンタルになったときの選択肢としてはアリなのかも、と思えてきた。
夏のちょっと蒸し暑い時期、涼を求めて和の甘味を買う――。
そんな中で、この"わらびもちは飲みものです。"も選択肢として加わった。
これからの暑い時期にも良いかもしれない。
評価
味:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
お手軽さ:★★☆☆☆
涼感:★★★★☆
ユニーク度:★★★★★
まとめ
いや、やっぱり普通にわらび餅を買うかも。