ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

君はサフランを知っているか

 


サフランという香辛料を知っているだろうか。

そう、サフランライスのサフランだ。

 

 

サフランライスのサフランは知っているが、「じゃあサフランとは何なのか」と言われて即答できる人はそう多くないのかもしれない。

また、サフランがなんとなくあの黄色を出す着色料だと認知していたとしても、その現物は知らないかもしれない。

サフランとは

サフランは植物だ。まぁスパイス=植物なので、それは想像に易い。

スパイスになる部位は、植物によって茎だったり実だったり葉だったり様々。

また、スパイスになる過程も、乾燥させたり粉末にしたり様々。

そして、サフランはサフランという花のめしべを乾燥させたものにあたる。

 

厳密にはめしべの中の一部である花柱から伸びた3本の赤い柱頭。

これを花柱ごと摘み取って乾燥させることでスパイスとなる。

見た目は真っ赤な糸のようで、糸唐辛子にも似ている。

独特の香り成分「サフラナール」を持ち、水に晒すとサフランの持つ色素のうち「クロシン」という黄色の色素のみが水溶する。クチナシにも含まれる色素で、古くから着色に使われてきた。

 

歴史

3,000年以上も前から使用されていたとされている。

古代から用いられており、古代ペルシャでの使用跡があったり、ミノア文明での壁画があったりする。

当時からめしべの柱頭、いわゆる赤い部分を用いていた。スパイスとして、染料として、香料として、そして薬として。

 

栽培の手間から高級品として珍重された。

また、抽出できる黄金色は人々を魅了した。

サフランから抽出した水や色は、祭りごとで用いられたり王族の証となったこともある。

 

日本に伝わったのは江戸時代、薬として伝わった。

まぁ日本食にはサフランは使わないし、サフランを育てるには日本の気候はあまり適さない。

しかし、大分県竹田市ではサフランの生産・栽培に成功しており、名産地となっている。海外でも評価されているとか。

 

用途

料理の着色に使われることが多い。香りや薬効を期待されることもある。

他の使用例としては漢方としても用いられるほか、アロマセラピーにも使われる。

薬効は色々と云われがある。まだ確証のない物もあるが、人体に有益なものもあるようだ。

 

価値


サフランは世界一高価なスパイスと呼ばれる。

グラムあたりの単価で見ると非常に高く、日本の大手スパイスブランドS&Bのもので1g1,500円超。業務用サイズ等でまとめ買いすれば1gあたり600~700円あたりが相場となる。

同じスパイスである胡椒が1g3.7円程度で買えることを考えると恐ろしい価格である。

 

なぜここまで高いのか。

それは「希少性」と「手間」による。

希少性

前述の通り、サフランは花のめしべから生える3本の赤い柱頭である。

つまり1つの花から3本が採取できる。

1kgのサフランを得るために必要な花の数は15万個とも30万個とも言われる。なお、1gあたりに換算すると160個ほどの花が必要になる。

 

サフランの開花時期は年に一度、秋の半ばに訪れる。

開花するのは1~2週間の間に集中し、開花した花は一日で枯れ始める。そのため、開花したのを見つけたらすぐに収穫せねばならない。

これも希少性が高いと云われる点である。

 

手間

サフランのめしべは手摘みである。1人の労働者が1kgのサフランを生産するために必要な労働時間は延べ400時間だとも言われる。

なお、1kgの花を育てるためにはサッカーフィールド2面分以上が必要になる。

 

時期が来たらサフランのめしべを素早く収穫し、すぐに乾燥させなければならない。

40時間の乾燥を経て、ようやく完成となる。

 

偽装

まぁこれだけの価値があるので荒稼ぎしたい人たちによる粗悪品も出回るわけで。

特に粉末にしたタイプだと良質かどうかの判断は困難を極める。

 

そんなサフランを守るため、原産国では等級の基準や認証制度がある。

 

消費者の目線として、見るべきは色合い。鮮やかな赤色に徐々にブラウンがかかってくると古くなってきている。また乾燥度合いが高まり過ぎてカサカサになっているのも古い。

 

赤い柱頭以外にも黄色の花柱が含まれている場合もある。色付けの意味合いとしては問題ないが、香りはすべて柱頭の物に比べると劣る。

「花柱が入っている=品質が低い」とも直結しないが、生産する際のコストは下げることが出来る。入手する側としても安価になるため、目的が色付けのみだったら黄色が見えたとしても然して気にする必要は無い。

 

サフランの使用

散々サフランは高いだのレアだのと言う話をしてきたが、実際に一回の料理で用いるのは0.2g程度となる。

一度の使用量で考えるとそこまで箆棒に高いスパイスではないのかもしれない。

 

代表的な使用としてはパエリア

ビリヤニやサフランライスを作る際にも。正直ターメリックやクチナシもあるのでコスパを考えると別に必須なスパイスでは無いかも。

でもパエリアを作るときはせっかくなのでサフランで作りたい。

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他にはサフランソースを作ってみるのも良い。綺麗な黄色のソースが出来る。