ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

タバコをやめた話


僕は元々ヘビースモーカーだったんだと思う。

しかし今は綺麗さっぱり何も吸わない。

この変化は一体何なのか。と思うなどしたため、軽く考察をしてみることにする。

 

 

家庭環境

家庭内にタバコを吸っている人が居ると、タバコそのものが身近になるため抵抗感も薄れると思われる。

しかし、ウチでは物心ついた頃から両親は別にタバコを吸っていなかった。

父は昔吸っていたらしいが、多分子供が出来たことをきっかけにやめたのだろう。

 

両親は二人とも生涯タバコを吸っているところを見たことが無い。

むしろ母はタバコを嫌っていたくらい。「タバコは吸わないでね」と言われた事もある。

服に匂いが残っていて「タバコ臭い」と言われたときも、「周りにタバコを吸う人が多かった」とか言っていた。それ以上追求されることは無かったが、きっと勘付いていたのだろう。

 

バンドを始める

時は遡って高校生時代。

僕は非常に真面目な設定の学生だった。ちょっと音楽を齧り出し、バンドを組むなどし、「徐々に優等生から坂を下っていっているなぁ」という体感を持つ、善良な学生だった。

 

時折、学校内でちょっとヤンチャな奴がタバコを吸ってるらしいと噂になるなどする。

タバコは不良のメタファーだ。高校の時に留年して同じクラスになった一つ上の奴もタバコを吸っていた。そいつはクラブに通っているらしい。授業の合間にここでは公に書けないような下品な言葉を大声で言うような奴だった。

なお、そいつは担任にこっぴどく怒られ学校を去っていった。DJとして生きていく事にしたと風の噂で聞いた。今は何をしているのだろうか。

 

そんなこんながあり、高校二年生になった頃には校外にも足を延ばしてバンド活動をするようになっていった。

するとイベントを主催する大学生がタバコを吸っているし、同じイベントに出演していた他校の奴らなんかは普通にタバコを吸っていた。

僕も当時は若かったので、正直そういった低学歴の奴らを一括りに見下していたが、自分も同じフィールドに足を突っ込んだのである。外から見れば同じ集団だ。

 

そして、いつしか僕もタバコを吸っていた。

初めて吸ったタバコは同じバンドのボーカルだった6歳くらい上の奴が吸っていたキャスター*1の3mm。副流煙がめっちゃバニラの甘い香りがする。「おっさんが吸うタバコだ」とどこかで言われた気もするが、導入としては非常に吸いやすいタバコだった。

 

余談にはなるが、いかにもタバコらしい味のするタバコ――セブンスターとかラッキーストライクとかそういう銘柄に手を出してしまうと、もうほぼ禁煙は難しいのではなかろうかと思っている。

逆に1mm程度のタバコを吸うくらいならお金がもったいないからやめればいいのに、とも思っている。

 

嗜好と依存

そこからしばらくはヴィジュアル系のバンドに所属するなどする。

まぁそうなるとほとんどの人がタバコを吸いまくっている。別にタバコを吸う事に対してもはや抵抗感は何も無い。

 

とは言っても、まず家では一切吸っていなかった。

家に一日いるときでもわざわざタバコを吸いに外に出るようなことはなく、別に吸わずに過ごしていた。

僕にとってタバコは別に我慢できないものではなく、本当の意味での"嗜好品"だったと言える。普通にグミやガムを食べるのと一緒で、ただ単にタバコの味がおいしかったから吸っていたに過ぎない。

 

なお、今振り返っても、どのタイミングでも「タバコに依存していた」と思った事は無い

ただ単純にタバコの味がおいしいから吸っていた。また、当時は居酒屋でも普通に喫煙可能な店だらけだったため、酒とタバコのマリアージュもまた良かった。喫煙者は皆酒を飲むとタバコを吸いたくなるものなのだ。これに異論は無い。

 

味の追求

ヴィジュアル系のバンドを辞め、一般的なロックのバンドを始めた。

普通に喫煙者となっていた僕は、色々な銘柄のタバコを楽しんだ。

限定品、新パッケージ、やたら細いタバコ、カプセルをプチッと潰して味変出来るタバコ、シガリロ、などなど。どれも楽しかった。

パーラメントを味わい「やっぱりちょっと高いだけのことはあるな」と思うなどしたり、ドンキホーテの鍵の付いたショーケースに入った高いタバコにハマった時期もある。

家だと一切吸わないくせに、レコーディングスタジオで一日中他のパートのレコーディングに付き合って監督気どりをしているときなんて、5箱くらい普通に吸い終わってしまっていた。周囲は引いていたし、自分でも引いた。

引いたついでにタバコの空き箱でタワーを作って遊んでいた。

もうここまで来るとヘビースモーカーというよりもチェーンスモーカーである。

でも感覚としては、ポテチやグミやチョコを食べまくっちゃうのと本当に同じだ。

 

紙巻きタバコに飽き、煙管に手巻きタバコ用の葉を詰めて吸っていた時期もある。

これが最高で紙巻きには無いダイレクトなタバコ葉の味わいと香ばしさが楽しめた。煙管を吸った後に紙巻きタバコを吸うと雑味がすごく感じてしまうのだった。

 

何度も成功した禁煙

実は何度も禁煙に成功している。

何度も成功しているという事は、また何度も吸っているという事で、それは果たして成功と呼ぶのかどうなのか。

 

ある時は値上がりによって、ある時は彼女が出来たタイミングで、ある時は何となく、ある時は本当に金欠で。

やめることの出来た期間も色々で、1ヶ月だけだったり半年だったり。最大でなんと3年禁煙したあとにまた復活したこともある。

 

また喫煙を始めた理由は簡単だ。ストレスである。細かく見ていけば理由は様々かもしれないが、だいたいはここに帰結する。

ストレスを解消する手段のひとつとして体がタバコを記憶してしまっているのだ。

 

例えば食でストレス解消をしたり、買い物をしたり、体を動かしたり趣味に没頭するのも良いだろう。

でも、タバコを吸うと煙とともにストレスが緩和されるという体験を過去に持っている。これがまたお手軽な手段なのだ。

そしてまた日本の恨めしいところであるが、コンビニに行けば24時間いつでもタバコを買う事が出来る。なんて便利なんだ。

 

というわけで、主にストレスを感じると禁煙失敗となる。

もしくは禁煙のきっかけが無くなってしまったとき。例えば彼女が出来たのを機に禁煙したとしたら、別れたらそりゃあまた吸うよねという。

 

そして電子タバコへ

徐々にIQOSなんてものが出始めた。

紙巻きタバコよりも健康的らしいが、なんというかこう、グッとくるキック感が無い上に独特の悪臭があり、まったく好かない。

というわけで暫く敬遠していた。

 

ある時、Ploomという電子タバコが出たため、試しに吸ってみたらこれがまた割と良かった。

丁度少し前にVAPE*2が流行り出したが、結局グッとくるわけじゃないし、熱している液体の得体もよく分かんないので、そこまで刺さらなかった。

Ploomは使用感がこのVAPEに若干似ていたのでフィットした。あと臭くないのもポイントが高い。ただし紙巻きタバコで感じられるようなグッとくる感覚は無い。

 

臭くないので部屋でも吸えるようになった。割とどこでも吸える。

今だと屋内禁煙不可の場所が多く、電子タバコも例外ではないため微妙ではあるが。

家で作曲をしながらスーッと一息。というような吸い方が可能になったのは嬉しい。灰も出ないし、煙たくもならない。あれ、電子タバコってすばらしいじゃん。

 

そして禁煙する

今は何だかんだ3年以上禁煙している。

理由は無い。まぁそれくらいフワッとしていた方が禁煙って続く。本当に。

その後程なくして屋内喫煙が禁止になったので、本当に禁煙しておいて良かったと思ってる。喫煙者だったら耐えられないよ、絶対。

 

今でもたまにふと、居酒屋でダラダラと氷の溶けてきた何かよく分からんサワーをチビチビ飲みながら将来の夢を語るバンドマン同士の飲み会を思い出す。

それぞれの手にはタバコ。灰皿をみんなで使いながら、とりとめのない話をした朝4時。

 

僕の中でキラキラとした思い出として残っている。

屋内喫煙が禁止になってくれたことと、コロナ禍のお陰で、この思い出に吸い込まれて再現をする発想が生まれない。

あと、当時と比べるともう恐ろしくタバコが高額で。だったらお酒を買うな、と。

 

これから先、もうタバコを吸う事は無いのでしょう。

まぁ体にも良くないしね。やめれるならやめるに越したことはないよね。

 

 

*1:今はウィンストン

*2:電気で液体を熱して水蒸気を発生させ、それを吸って楽しむもの。ニコチンが入っているものもあるが、入っていないものもある。使われる液体の安全性については賛否ある。