2020年がやってきた。
毎年そうだけど、この連続した数字が繰り上がる瞬間の特別感たるや。365日間ずっと"2019"だったものが、この一瞬でガラリと"2020"へと繰り上がる。
月や日、そして時間は平然とまた1から時を刻み始める。が、年だけは繰り返す事が無い。1月や1日は何度もやってくるが、2019年はもう二度とやってこない。
もちろん1月や1日といった表現も、実際のところは便宜上繰り返しているだけで同じ日や月は無い。たまたま同じ呼ばれ方の日付があるだけで、2019年の1月1日と2020年の1月1日では正しい意味では「同じ日」ではない。
同じ瞬間は二度と無い事は重々承知だが、その上で年が変わる瞬間はやはり特別な感じがする。
敢えて大それた言い方をするならば、ある種の歴史的瞬間に立ち会っているような気分が近い。
2020年。子年。
干支も一周し、また始まりの干支へと戻ってきた。
12年前は2008年か…もうとっくにバンドは始めていて、学校内でも「あいつ、バンドをやっているらしい」と言われていた。
音楽の幅が広くなって、ヴィジュアル系も聴き始めたのもこのあたりかも。家にコテコテのMIYAVIが表紙のSHOXXやCureがある。いやそれはもっと前のものかも。
12年の時が巡るというのは、かなり大きいイベント。しかも最初の一巡目って殆ど意識しないし、実質的に初めて12年という時の長さを感じる事が出来ている。
8歳の小学生は成人し、13歳の中学生は20代半ばに差し掛かり、28歳ならば40歳になる。結構な歳月でしょ?
この12年の歴史の中にはずっと音楽がそばにいたような気がする。
もちろんその前の12年くらいの中にも常に音楽は居たんだけど、この12年は自分から音楽へと歩み寄っているような感覚。
それは演奏だったりライブだったりといった「発信」だったり、自ら音楽というものを模してみたり制作してみたりした12年だった。
最初は真似事だったり行き当たりばったりだった。ある時、自分を目当てに足を運ぶ人が出来た。そしてそんな人が増えていくのが嬉しかった。
収益が出る事もあった。自分の創作に対してそういった形で対価が付く事に喜びも感じた。
高揚ややりがいや達成感も死ぬほど味わったし、挫折やなんか色々マイナスな事も…それこそ辛酸を舐めるような時期もあった。
全部ひっくるめて「楽しい」って思えるからこそ、きっと今も続けているのかなとも思う。
まだまだ道の途中。これからまた12年の歴史を刻む。
そんな僕に、これからもお付き合いください。
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橋本ねこ