日本人の主食はお米である。
が、朝にパンを食べる人の比率も増えている。かつては古き良き和食文化が侵食されるだなんだとパンを主食にする向きを嫌う層や派閥もあったが、今では大きな問題になっていないと思っている。
しかし、紀元後2000年余りが経過したが、日本人は「主食が米である」という文化そのものを拭いきる事は出来ていない。
もっと突っ込むならば、「副菜を以て主食を食べ進める食事の仕方」が根付いている。ごはん+おかず、という考え方である。
海外でももちろん同様の国はあるが、どちらかというと日本で言うところのじゃがいものような扱いをされたり、常に食卓中央にパンが出っ放しだったりと、主食に関する取り扱いはいささか異なる。パンを使ってソースやスープを拭ったりね。
よって、日本ではパンの使い道としては必然的に何かを挟んだり乗せたりが前提となりやすい。
そんなときにお声がかかるのがジャム、バター等の類いだ。
ジャムもおいしいけどバターも捨てがたい…そんな思いを一挙に叶えるアイテムが、あるのだ。
今回のお取り寄せ品
「信州林檎バター」
名前の時点でおいしくないわけがない。優勝である。書類だけで一発合格である。
そんな信州林檎バターは株式会社セルフィユの手掛ける「セルフィユ軽井沢」の商品。
お土産やちょっとした贅沢、お礼の品なんかに喜ばれそうな瓶詰め商品をメインに取り扱う会社だ。「手の届く贅沢」がコンセプト。
セルフィユ軽井沢の名の由来はフレンチパセリ(チャービル)のフランス語読み「CERFEUIL」から。
クセが少ないため、色んな料理にちょこんと添えられていたりするハーブである。
セルフィユ軽井沢が構える「軽井沢」という地はジャム発祥の地(のひとつ)と呼ばれる。
この地で素材を大切に取り扱いながら作られたジャムは決して派手じゃないながらも素朴で丁寧な仕上がりとなっている。
シンプルなフルーツジャムを中心に、ディップソース等も扱う。
そんな中から選んだのは「信州林檎バター」。同社の人気商品でもある。
お取り寄せしてみる
こんなオシャレな箱で到着。高級感のある箱だ。
開けてみると、綺麗な瓶が3本。
この瓶もセルフィユ軽井沢のこだわりのひとつ。
通常の瓶よりも薄手の物を採用する事により、軽量化。「瓶は重い」というイメージを払拭している。
また、ガラス瓶のため、見た目の色鮮やかさも楽しむ事が出来る。開封後は冷蔵庫へ入れなければならないが、未開封ならば飾っておく事も出来る。
信州林檎とバターの混ざった綺麗なカナリアイエローのジャム。
原材料を見ると本当に長野県産のりんごとバターを用いている。
そりゃあそう、と言ってしまえばそれまでなんだけど、バターと名が付けどバターを使用していなかったり香料のみだったりする場合もあるし、全然バターを使っていなくても「バターのようだから」という理由でバターの名を冠する場合だってある。
それらが一概に悪いとは言えないけどもね。
そして原材料を見る限り、とてもシンプルで素朴な作られ方をしている事が伺い知れる。
りんご、砂糖、バター、食塩、あとはペクチンや酸化防止剤・乳化剤。香料は使っていないらしいし、何か特別な材料や派手なトリックがあるわけじゃなさそうだ。
食べてみる
瓶から掬って出してみるとこんな感じ。
このシャリシャリしていそうなテクスチャーは砂糖が結晶化したような感じかと思いきや、林檎そのものだった。
粗く擂られた林檎の食感が活きている。「あ、ちゃんと林檎だ」と感じる。
その林檎を取り持つのがバター。バターの甘味と塩味を良いバランスで感じる事が出来る。
バターは決して主張しすぎず、飽くまでも主役は林檎。
砂糖の甘味も感じるけども、決して甘過ぎない。くどくなく、食べやすいフルーツバターと言える。フルーツサンドを作るときの土台として使うのも良いかもしれない。
折角なので王道な使い方を、ということでパンに塗ってみる。
温めたパンに塗る事で、じんわりとバター成分がパンへと染み込んでいく。
これはフルーツバターならでは。ジャムとは特性が少し異なる。
パンとともにいただくと一段とミルキーな味わいになる。果実のみのジャムで感じるちょっとツンとした味わいも上手いことマスキングされているような。
果実を丸かじりしているような味わいとは異なるけども、充分な果実感は味わえる。
ジャムでありバター。いいとこどりな味わいを楽しむ事が出来る。
派手な味わいじゃなく、素材の良さや製法の丁寧さが感じられるような味わい。ほっこりする。
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