実に様々な種類のお酒が届いたKURANDの酒ガチャ。
日本酒がメインではあるが、ワインや焼酎も入り、中には変わり種なお酒もあった。
そのうちのひとつがこちら、「BARA」である。
「BARA」について
BARAというお酒が届いた。
名の通り、バラのお酒らしい。
バラに限らないが、花をモチーフにしたお酒は別段珍しくはない。
もちろん果実に比べれば少数派ではある。花を使用する場合、果実よりも量が少ないため手間が掛かる。
特に桜を使ったリキュール・お酒は酒屋に行けば簡単に見つける事が出来るだろう。
次いで多いのがバラ。こちらもリキュールや日本酒、そして梅酒でも見かける。
そんなバラを用いたお酒たち。存在は認知しているが、そういえば購入したことはない。
桜のリキュールに関しては、それを使ったカクテルのレシピがあるので必要に駆られて購入したことはある。桜のリキュールは替えが利かないからね。
対して、バラのお酒は味の想像も付くけども買ったことはない。桜のリキュールと違い、カクテルのレシピに「バラ味のリキュール」なんて書いてあるのは見たことが無い。いや、探せばあるかもしれないけど。
天領誉酒造
この「BARA」を作るのは、天領誉(てんりょうほまれ)酒造。
明治13年に創業した、長野県中野市にある酒蔵だ。
かつて中野市が江戸幕府管轄の天領であり中野代官所が置かれていた、というのが天領誉の名の由来。
酒造りは山で行うのがベスト。綺麗な水は大量に必要になる。仕込むための水だけじゃなく、洗浄用の水もそう。
天領誉が手掛けるのは日本酒がメイン。
信州産の美山錦を100%使用した大吟醸「天領誉 大吟醸 美山錦」を筆頭に、様々な日本酒を扱う。
その他、リキュールも手掛けていて、カムカム酒や巨峰酒も造る。そのリキュール製造のひとつにバラ酒も入っている。
スペック
「BARA」は分類上、果実酒ではなくリキュールとなる。
度数は6%。
果実酒とリキュールについて
果実酒とリキュールは似ているが、明確な違いがある。
果実酒
字の如く、果実を用いて酒になっているものがこちら。
リンゴ酒、ワインも果実酒と言える。
基本的には一種類の果実にフォーカスされていることが多く、果汁含有量も比較的多い。
リキュール
お酒に果汁等を添加したのがこちら。つまり、果実を発酵させて酒にしていたら果実酒、元からお酒として完成しているものに後から果汁やハーブ等を入れればリキュールである。
果実酒に比べ複数の材料を用いているため、混成酒であるとも言える。
BARAはリキュール
BARAの主原料は果実酒。ゆえに一見すると果実酒であるが、BARAはこの果実酒へ純米吟醸酒とはちみつとバラを加える事で完成している。
酒に対して後から材料を混成しているため、リキュールであると言えるのだ。
飲んでみる
鮮やかなローズピンク。着色料は使わず、バラの花びらを漬け込んで引き出した色らしい。
香りはもっとブワっとバラが押し寄せる感じかと思いきや、慎ましく香る。
どうも香料も使っていないらしい。自然な香りが広がる。
一口飲むと、ほのかな酸味と優しい甘み。
味わいのジャンルで言うと、アセロラが近いかな。ただし、酸味はあれども酸っぱいとは感じない。
穏やかな味わいではあるが、香料無し・着色料無しでここまでのポテンシャルを引き出すのは恐ろしく大変な事だと思う。
香料や味を合成的に作り出そうが、天然素材のみで手間暇をかけて作っていようが、そのストーリーやバックグラウンドは末端のユーザーにとっては正直関係の無い部分でもある。おいしく、安全である事こそが正義である。ストーリーなんかはその他の一要素に過ぎない。
それを踏まえた上で、この丁寧な造りは尊敬できる。もっと雑な、と言っては失礼だけど、安価なリキュールの類いだと思ってしまっていた。
その中には燃えるような造り手の想いが垣間見える。まさに情熱のバラ。
バラの強い香りを期待していると、ちょっと期待外れになってしまうかも。
ナチュラルな味、香り、色合いが楽しめるお酒だ。
アルコールは低いので実質ジュース。
他のお酒への風味付けに使うのも良いと思った。ジンに入れてみたりしても美味しい。
料理とのマリアージュは難しそうだけど、魚の煮付けやアクアパッツァ的な料理に合いそう。パエリアも良い。
なんかこう、ふんわりと魚介の出汁が香る料理が良いと思う。
「贈り物にもオススメ」と書いてあった。
度数も低いし、プレゼントとしても幅広く使えそう。バラの花を贈るよりもハードルも低いし、そこまで深読みする(される)事も無いだろう。
と考えると、確かに色々な用途で使えそうだ。