時間短縮系プラグインソフトシンセの筆頭、カナダのreFXが出している「Nexus」。
現状は「Nexus2」なのだけど、いよいよ今月「Nexus3」が出る事が明らかに。
Nexusユーザーである僕としてもビッグニュース。
アップデートではなく、アップグレード
現在のNexus2のヴァージョンは「2.7.4」である。この数字を見ても細かなアップデートが繰り返されていた事は伺えるが、今回は待望のアップグレード。ついにNexus3になるのだ。
よって、ヴァージョンの数字も「3.0.0」となる。これはマイナーなアップデートではなく、ある程度まとまった機能拡張や更新があると思われる。
公式サイトには告知が
公式サイト上には既に告知がされていて、大まかな内容を知る事が出来る。
公式サイトには、「Price(価格)」「Licensing(権利)」「Features(特徴)」「New Content(新機能)」「reFX Cloud App(reFXクラウドアプリ)」「Technical(技術面)」の6つの項目についてそれぞれ記載がある。
読んでみるとNexus3の全貌が見えてきた。
Price(価格)
- Free upgrade if you buy NEXUS2 now
- Free upgrade for customers who purchased NEXUS2 on August 1st 2019 or later
- $49/€49 upgrade price for customers who purchased NEXUS2 on May 1st 2019 or later
- $99/€99 upgrade price for customers who purchased NEXUS2 before May 1st 2019
- 今Nexus2を買った場合、無償でNexus3へアップグレード
- 2019年8月1日以降にNexus2を買った方も、無償でNexus3へアップグレード
- 2019年5月1日以降にNexus2を買った方は、49ドル/49ユーロでNexus3へアップグレード
- 2019年5月1日よりも前にNexus2を買った方は、99ドル/99ユーロでNexus3へアップグレード
Nexus2を買った時期によってNexus3へアップグレードする時の価格が異なるらしい。僕の場合は4年以上前なので、4番目の99ドルに該当。
当時カナダから国際郵便で何日もかけて空輸してもらったのが懐かしい…。現在は全部ダウンロードするのも選択出来るようになったので、随分と便利になりましたな。
ちなみに49ドルは2019年11月14日現在のレートで5,309円、99ドルは10,727円。購入時のレートによって支払額が変動するので、気にする人はタイミングを見計らってお得に買うのが賢い。
Licensing(権利)
- Our own online activation; no eLicenser or other 3rd party software required
- Two activations at the same time per NEXUS3 license
- reFX専用のオンラインアクティベーション――eLicenserや他社のソフトウェア等は不要
- Nexus3のライセンス1つごとに、同時に最大2ヶ所でアクティベートが可能
今まではeLicenserが必須でUSBポートに突っ込んでおかないと起動出来なかったNexus2だけど、Nexus3ではついにオンラインで認証するみたい。これは出先でその恩恵を受ける事になりそう。
iLokやeLicenserって出先に持っていくの怖いんだよね。紛失、破損、盗難…とUSBでアクティベートするタイプのものは結構リスキー。これはかなり良い更新。
1つのライセンスで2つ同時に使えるので、自宅用PCと出先用PC…といった形でアクティベートが出来る。従来のようにeLicenserを付け替える必要も無くなり、とても便利。
Features(特徴)
※11/18追記
- Fully backwards compatible with Nexus1 and Nexus2
- All your expansions will continue to work
- Completely new, flat, scaleable, vector-based UI
- Faster, bigger, better in every way
- Improved CPU performance by up to 94%
- Improved preset loading times, up to 8x faster than NEXUS2
- All arps and trance gates of all layers are fully accessible and editable
- Arpeggiator has a new sequencer mode to play chords and other complex patterns
- Arpeggiator has up to 256 steps
- Nexus3は、Nexus1,Nexus2と完全な互換性がある
- 現在のエクスパンション(追加で買った音源)は全て引き続き利用可能
- 全て新しい、フラットデザインで拡張性のあるベクター形式のユーザーインターフェース
- 全ての面でより速く、より大きく、そしてより良く
- CPUパフォーマンスが最大94%上昇
- Nexus2と比較して、プリセットの読み込み速度が最大8倍に
- [※11/18追記]今まで一部のみ編集可能だったアルペジオやレイヤー内のトランスゲートは全て編集可能に
- [※11/18追記]アルペジオを編集できるアルペジエーターには、コードや複雑なパターンを演奏するための新たなシーケンサーモードが加わる
- [※11/18追記]アルペジエーターは最大256ステップへ
まず、もちろん分かっていた事だけども、Nexus3は"2"や"1"との完全な互換性がある点。いざ実装したときに互換性が無いと焦ってしまうので、こうして明記してあるのは安心できる。
同様に、購入済みのエクスパンションも全て引き継げることもアナウンスされている。今まで買ったエクスパンションが無駄になる事が無いのはありがたい。
フラットデザイン、拡張性がある…と書かれるとなんとなく馴染みが無い表現かもしれないけども、例えばApple社の製品は総じてフラットデザインだと呼ばれている。無駄を省き、ミニマルで洗練されたデザインの事を差す。
拡張性がある…スケーラブル、という事は動作環境によってフィットしたサイズ感などで取り扱いが出来るという事。
そして「ベクター形式」はデザインをする人なら聞き馴染みがあると思うんだけど、簡単に言うと写真じゃなくて図形をベースとしたデザインになるという事。シンプルなデザインならばこちらの方が画質的な面で有利だったりする。
詳しくは「ラスタ形式 ベクタ形式 違い」あたりで検索してほしい。
[※11/24追記]サイト上にNexus3の実際の画面のスクリーンショットが公開されているので、見てもらえればだいたい分かるかと思われる。無駄のそぎ落とされたシンプルなデザインとなっている。
他にも全ての面での強化が謳われている。きっと後日サンプル音源や追加情報が出る事と思われる。
[※11/18追記]
主にアルペジエーターに関する追加情報が解禁された。
アルペジエーターは今も充分便利ではあるが、全てが編集できるわけでは無く制限もあった。Nexus3ではかなり自由度が高いエディットが出来そう。
New Content(新機能) ※11/21追記
- More than 350 new, custom-designed presets
- More than 80 new impulse responses
- 350以上の新たなカスタム仕様のプリセット
- 80以上の新たなIR(インパルス・レスポンス)
こちらは新たに追加された情報。
プリセット等の新作の具体的な数がアナウンス。350以上も新たな即戦力プリセットが追加されるので、これだけでも充分値段相応と言える。
reFXのNexusの大きな特徴として、プリセットの時点で即戦力となる点がある。あとは曲に合わせてパラメーターをイメージにより近付けていくだけ。時間を短縮できる点では最近の制作環境や現場にフィットしていて、僕としてはとても好きです。reFX。
reFX Cloud App(reFX クラウドアプリ) ※11/21追記
- New app to easily download and manage your reFX plug-ins and content
- reFX Cloud app available NOW to all NEXUS2 customers (more here)
- reFXのプラグインとコンテンツを簡単にダウンロード・管理する事の出来る新たなクラウドアプリケーション
- reFXクラウドアプリはNexus2のユーザー全員が現在既に利用可能となっている
最初の発表でeLicenserが要らなくなったニュースがあったが、この独自のクラウドアプリでの管理になるようだ。
つまりiZotopeやWavesのように独自のアプリをデスクトップなり何なりに置いておいて、その中で各追加データ・コンテンツを管理する…という具合。
Technical(技術面)
- VST2, VST3, AU and AAX support
- 64-bit only
- VST2、VST3、AU、AAXのプラグイン規格に対応
- 64bit版のみ
「VST2」「VST3」「AU」「AAX」はプラグインの規格。使っているDAWソフトのブランドによって対応していたり対応していなかったり。あとはWindowsかMacかでも若干状況が変わってくる。
とはいえ、Nexus3はこの4種で出しているので基本的には問題無く扱えると思われる。
ちなみにNexus2もVSTとAU、AAXに対応している。僕の持っているProToolsはAAXが対応しているので利用可能、という具合。
Nexus2では32bit版と64bit版の両方があったが、Nexus3からはついに64bit版のみになる。32bit版と64bit版が混在していた時代は相当ややこしかったので、徐々に64bit版のみになっていく時代の流れは僕的には嬉しい。
まとめ
大幅に改良されるNexus3。発売は2019年11月29日という事で、僕もさっそくゲットしたいと思っている。楽しみ。
また、更なる情報もupされていくようなので、そちらもまた追記していく予定。
ちなみにreFXでは毎年クリスマスに大規模なセールやキャンペーンを行っているので、今年もNexus3に絡めて何かしらのニュースがあるはず。そちらにも期待。