カツ。好きですか?カツ。
名古屋名物に味噌カツもありますし、馴染みがあるといえばあるのかも。
カツはもともとフランス料理――いわゆるカツレツ*1の略で、洋食屋さんが手掛けた事で日本のものっぽくなった料理。ハンバーグやカレー、オムライスなんかも洋食屋さんのおかげで海外の料理なのに日本らしさを感じる。
カツの中でもトンカツなんて言ったらもう日本料理っぽいようなオシャレな和食屋さんのイメージの方が強いもんね。それだけ日本のものになってきているカツ。ゆえにこだわったお店も多いし、案外と奥が深い料理です。
カツは案外ダイレクトに心が見える料理で、特に丁寧さが見える。
衣の付き方にムラがあったり、肉から剥がれてしまったりするのはあまり良いカツとは言えない。
揚げ時間ももちろん大事で、豚肉だからレアというわけにもいかないが熱を入れすぎると固くなりおいしさも半減する。
揚げ時間や揚げるときの温度はお店によって異なる。もちろん豚肉の厚さや衣の厚さも違うから、その辺はお店ごとに違うこだわりがある。
材料もシンプルだからこそ、素材も大事。
豚肉は言わずもがな、揚げ油や衣にも各店のこだわりが見える。
あとは豚肉の仕込み…いわゆる骨やスジを除いてトンカツとして揚げるためのサイズへのカットまでの工程の丁寧さも大事な部分。
最終的には、食べた時の食感、豚肉そのものの旨味や風味あたりで良し悪しが分かる。
要は難しい事は抜きにして「あ、おいしい」と思えればおいしいわけで。
「かつみや」とは
あま市で有名なとんかつ専門店。1973年に七宝町にて創業したお店で、現在は大将が引退。
長男は同じあま市内にて「二代目かつみや」を、次男は鶴舞にて「みそかつかつみや 鶴舞分店」をオープン。
「二代目かつみや」は「かつみや」を受け継いだ定食スタイル。「みそかつかつみや」は居酒屋の形式をとる。
今回は鶴舞の「みそかつかつみや」へ。
カジュアルに名店の味を味わう
こちらの「みそかつかつみや」では本店のようなトンカツはメニューには無い。
串カツのスタイルで本店のカツを味わうことが出来るのだ。
その名も「本気の串カツ」。
手前が「名物味噌ダレ」。奥は「"七宝"宝ソース」。
「名物味噌ダレ」で使っている味噌ダレはかつみやでも使っているものだそう。いわゆる味噌カツとしてイメージするようなドロドロ感は無く、味噌の割にはサラリとしたマイルドな味噌。
甘みを感じつつもしっかりと味噌のコク。あまり主張しない味なのでカツの味わいを楽しむことが出来る。
衣はそこまで粗すぎず、ライトな食感。
「"七宝"宝ソース」はいわゆるご当地ウスターソースの「宝ソース」を使った串カツ。
スタンダードで居酒屋らしい味。七宝の方では各家庭にあるソースだそうで、味の輪郭が確りしているように感じた。
串カツの味は上記2種以外にも全部で4種から選択できる。
4種類あったら種類分食べたくなっちゃうよね。
というわけで、手前が「おろしポン酢」で奥が「出汁醤油+わさび」。
「おろしポン酢」は単純に味わいとして好き。串カツってどんな味付けでも旨くなるな。すごいな。
「出汁醤油+わさび」はあまり出汁の香りが感じられなかったが、きっと普通の醤油だとキックの強い味わいになっていたと思う。わさびは至って普通のわさび。
色々な味が楽しめるのも良いが、素材が良いので岩塩だけでもおいしそう。ぜひ追加してほしい。(別に言えばやってくれそうなものだけど、メニューに無いイレギュラーを頼むのはあんまり好きじゃない。)
あと、やはり元祖であり原点ともいえる味噌ダレが一番おいしい。
居酒屋メニューも充実
定食のイメージの強い「かつみや」へ居酒屋を融合した「みそかつかつみや」はお酒とおつまみ系メニューも充実している。
「牛すじモツ煮込み」(¥380~720)や串カツに浸かっている豚と同じブランドを使用した「三河もち豚バラ肉炭火焼き」(¥980)もある。
■牛すじモツ煮込み(S:¥380-)
その他、串カツ以外の串揚げ・揚げ物もラインナップ。数量限定ながらこだわりの鶏料理も用意している。
専門店だと居酒屋として利用できないお店もザラにある中、こちらはカツが目当てでなくとも居酒屋としての利用も充分に出来る。
まとめ
気さくながらもマジメな雰囲気の漂う店主の、丁寧な仕事の感じられる串カツだった。
来訪時にはランチ営業はまだしていなかったが、現在はしているよう。
ランチも気になるし、あま市の「二代目かつみや」も気になるところ。最近個人的にトンカツ欲が高まっているので、来訪予定リストにしっかりと入っております。
ショップデータ
みそかつかつみや 鶴舞分店
営業時間
ランチ(平日のみ)…11:30~14:00
ディナー…17:00~23:30
定休日
日曜日
住所
愛知県名古屋市中区千代田3-8-1
メニュー
とんかつ屋の本気の串カツ…¥120~150(味によって変動)/1本
牛すじモツ煮込み…S¥380、M¥550、L¥720
鶏胸肉のタタキ…¥450-
駐車場
無
※本記事の内容は2019年10月現在のものです。
*1:cutlet:読み方としては「コゥトレット」が近い