さて。マニアックな話でもしようかと。
とはいえ普段から気を付けてるつもりなんだけど、専門用語のみで語るつもりはなくて。ある程度かみ砕いた――というかブログらしい言葉遣いは心がけている。つもり。
なので、全くアカデミックな知識が無かったとしても読めるようにはしているつもりで。
なぜなら僕は誰かに習ったことが無いから。つまりそういう書き方の物を目にしたことが無いので、そういう専門的論文のような書き方は出来ない、ということ。
すこし話は逸れてしまうんだけど、僕は音楽の専門学校は出てなくて。
音楽を誰かに習ったのは、幼少期にピアノを5年程度と、高校でドラムのスクールに1年くらい通っただけ。
それ以外で例えばコードの理論やハーモニーの組み方だったり、楽器の知識やオーケストレーションなんかを習ったことは無い。
仮にそういうものを学んだとして、僕は最終的には別に専門的な研究がしたいわけではなくて大衆向け音楽が作りたいわけであって。となるとそういう人たちには理論やオーケストレーションは関係ない。耳で聞いたものがすべて。
だから僕も耳で勉強してる。っていう話。
コードネームを並べていくつまらなさ。確かにコードの並びの美しさに唸るときだってあるけども、それを先行してしまうとどうにも面白みに欠けてしまうというか、わざとらしい。
さて、先日公開しましたドロドリのカバー動画「世界に一つだけの花」についてでございます。
まずは動画を。
【演ってみた】世界に一つだけの花 / SMAP【Draw Daydream During Dawn】
原曲を弾いたことをある人なら分かるかもしれないけども、この曲のコードには隙が無い。ゴテゴテに装飾されてるわけではないものの、無駄をそぎ落としたシンプルなものというわけでもない。ちょうどいい塩梅に仕上がっている。まぁその辺はさすが歴戦のプロの犯行、といったところ。
カバーするにあたってコードを組み替えてしまうのも一興なんだけど、この曲では原曲の響き、和声をほぼそのまま使わせていただく事にした。
予てからカバーは自己満足であってはいけないな、と思ってて。
ぶち壊すのはいくらでも出来るんだけど、それは原曲に対する…なんというか「何か」
を欠いてしまう気がしてしまう。それはリスペクトというものかもしれないし、愛というものかもしれない。実際はそれらの言葉とはちょっとニュアンスは違うんだけど、でもなんというか単純に壊せば良いというものでもない。
という点を踏まえまして、やっぱり曲全体に漂うハッピー感というかポップス!みたいな雰囲気は失いたくない。
それを表現するためにメキシカンというか南米風というかそっち系のイメージにしてアレンジ。厳密にはメキシコは北米…とかそういう話は置いといて。そうじゃないのよ。
ホーンセクションには、トランペット、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスを。だいたい一緒のタイミングで使用。厚みを出すイメージ。サックスはアルトとテナーのみを使う事が多いんだけど、今回はバリトンの低音感を活かしたくて。
逆にトロンボーンは使わず。低音のホーンとしてトロンボーンを入れがちだけども、今回はもっとアタック感を重視するためにバリトンサックスに出ていただきました。
ストリングスはねこ楽団のデフォルトセット。
ヴァイオリン2声に、ヴィオラとチェロ。これだけで充分なラインが引けるというか、ハーモニーのふくらみによるストーリーは書ける。
Aメロやサビのストリングスの動きにはちょっとしたノスタルジックな雰囲気をちりばめてみました。バロック様式とでも言いますか、パッヘルベルのカノンでも彷彿とさせるような、なんとも言えないノスタルジック感。うーん、なんとか伝わって。
そのストリングスの下敷きがあるからブラスがやけに明るく聞こえます。
ちょっとしたミスマッチ感というか非日常のようなふわりとした感覚。ねこ楽団はこういう別の世界線の物をぶつけて浮遊感を出すのを好みます。
ドラムはラテンの風が入ってる南米風のリズムパターンを。この辺の引き出しは豊富。
ベースはそれに合わせたフレーズ。やはりドラムとベースだけでほぼ曲を描くようなイメージで作って、そこに色を足すイメージでの制作スタイル。これは昔から変化が無い。
ピアノに関してもラテン風味のサムシングに。まぁちょろちょろっと弾いてるだけです。
さてさて。
続きましては映像について。
映像はヴォーカルをフィーチャーした仕上がりにしておりまして。
映像作品って作品数が少ないと一つに全部詰め込みたくなりがちで。あれも入れたい、これも入れたい、ってね。なのでこうやって「この作品はヴォーカルだけが映る」的な感じで役割を分けたい。
「演奏シーンを入れたい」「ピンのイメージシーンも入れたい」「衣装も変えたい」「ロケーションも変えたい」とか色々やっていくと逆に作品イメージがぼやけてしまいがち。なので、一つの作品に入れるイメージは絞った方がメッセージが強くなる。
今回は前述の通りヴォーカルにフィーチャー。
屋外ロケでございまして、補正的な面ではコントラストや彩度をビビッドめに。楽曲のアレンジに太陽光が降り注いでる感が出てるので、そういったイメージを付けつつ。
ちなみにロケ地は滝ノ水公園だったりします。
地味に時間がかかった編集としては、タイトルをカメラの動きに追尾させた事かなぁ。
画面内の、例えば電灯とかにトリガーポイントを付けてフレームごとに追尾させることで出来る。で、割とオートでも書き出しが出来るんだけど、中々に処理が重くなるので僕は手書きで書き出しております。2フレームずつ動かして、トリガーポイントをずらして…の繰り返し。
これをタイトル、アーティスト名、ドロドリのやつ、の3つの文章にリンクさせることで動画と一緒に文字も動いてくれる、という。
そんなところです。
たくさんの事をやっているようだけども、ひとつひとつはそこまで煩雑では無いのでそこまで労力は費やしておりません。
レコーディング、アレンジ、制作、動画撮影、シーンカット、補正、レンダリング…、という感じ。それぞれを順に終えていく。
今後も「演ってみた動画」は更新していくので、こうしてまた制作の裏側も公開できるかと。
お楽しみにしてくださる方はお楽しみに。