ケンタッキーの新作「香るゆず七味チキン」を食べた。
秋には割とピリ辛なフレーバーが出る事が多いのだけど、今年は和のテイストを感じる。
ケンタッキー・フライドチキンについて
遅咲きのカーネル・サンダース
創業者はご存知カーネル・サンダース。彼は若い頃から成功していたわけではない。
色々な仕事を転々としつつ、最初に"経営"というものをしたのは40歳の時。
ケンタッキー州のガソリンスタンドの経営を任された彼は、なんとそこに食事するためのスペースを作った。これがヒット。
この数年後から料理のひとつとしてフライドチキンも作り出し、いわゆる門外不出のハーブとスパイスのブレンドや圧力鍋を使用した短時間調理が完成したのは50歳の頃だった。
その後、自身のフライドチキンのレシピをアメリカ各地のレストランのオーナーに売り込んでいった。この際に「ケンタッキー・フライドチキン」――つまり、今までのアメリカ南部風のフライドチキンとは違うケンタッキー州のフライドチキンという名称で広まっていった。
数店のフランチャイズを抱えた時にはもう60を超えていた。
フライドチキンのチェーンの成功は、これまでハンバーガーが主流だったファストフード界に衝撃を与える事となった。
70歳の頃には200店舗、73歳の頃には600店舗…と、かなりの速度で出店を続けた。
その後、カーネル・サンダースは会社を売却した。
これは会社が大きくなりすぎた事により、経営を任せるためである。店舗によってバラけていたKFCチェーンを統一化し、会社として成長を果たした。
現在では全世界に19,952店舗を展開する。
独自の調理法
もともとフライドチキンは大量の油を熱し、そこに沈めて揚げる手法が主流だった。
これはディープフライと呼ばれ、カーネル・サンダース曰く鶏肉が硬くなり乾燥し、仕上がりにもムラがあるとの事で好まなかった。
しかし、フライパンでチキンを揚げるのには30分以上も要し、これにも不満を持っていた。
そこで登場したのが圧力鍋。家庭用圧力鍋の販売が始まったのが丁度この頃で、彼はそれを揚げ物用に改造して使った。*1
これによって所要時間はディープフライと同等にまで短縮、味もフライパンを使用した調理と同様の味を保つことが出来た。
同じころにはハーブとスパイスのブレンドを完成させ、このレシピが今日まで続いている。
行ってみる
調理工程が簡単なのはフランチャイズに必須である。例えば店頭で豚骨を寸胴で煮込むような仕込みが大変なラーメンよりも、油そばの方が展開させるのが早い。
ケンタッキーもマニュアル化がなされ、展開はしやすい方。というわけで、割と全国のどこにでもある。
買ってみる
さて、今回のお目当ては「香るゆず七味チキン」。秘伝のスパイスを使ったオリジナルチキンの調理法をベースとした胸肉のフライドチキン。
仕上げに七味が振りかかっている、というもの。
1ピース270円なので、コンビニよりは高め。
食べてみる
袋を開けるとふんわりと奥ゆかしい香り。
そこまでしっかりと香り立ちがするわけではない。
衣の上にはゴマやパセリ、柚子皮、唐辛子が確認できる。
これらは衣に練り込まれているわけではなく、仕上げに掛けられているよう。
食べてみると、胸肉とは思えないジューシーさがある。かといって、油を注入したようなわざとらしい油感はなく、胸肉らしいさっぱり感とうまく共存している。
胸肉はもともとヘルシーなので、調理法によっては固くパサつき旨みもすべて抜け出してしまう。そんな胸肉でここまでジューシーさを感じるのは驚きでもある。
衣にもレモンのような風味が付いている。"ゆず七味"だし柚子かなとも思ったけど、レモンっぽさを感じた。これはレギュラーメニューの骨なしケンタッキーでは感じなかった柑橘感なので、このメニューだけの配合の衣なのかもしれない。
辛さはピリ辛。口の中で残るようなホット感は無く、ピリ辛程度。子供でも食べられそうな辛さではある。
まとめ
スパイスや薬味が大好きな僕としては、上にかかっている七味をレジ横で売ってほしい。一緒に買っちゃう。
*1:日本国内で販売されている"圧力鍋"では危険なので行わないように。