天下一品で味噌ラーメンが新発売された。
本筋からは外れた味なので期間限定メニューかと思いきや、どうやらレギュラーっぽいような様相も感じられる。
天下一品について
「こってり」「あっさり」等でお馴染みの京都発のラーメン屋。
他のチェーンに比べて熱狂的なファンは多く、芸能人にもファンは多い。
毎年10月1日は"天一の日"として、大盛況となる。*1
歴史
創業者は木村勉氏。
勤めていた会社が倒産した氏は、ラーメン屋を始めることにした。
所持金は3万7千円。廃材を使って友人に組み立ててもらった屋台を引く稼業が始まったのは1971年、36歳の時だった。
京都は銀閣寺。屋台仲間から教わった醤油味のスープから研究をし、天下一品のスープが誕生したのは4年目のこと。
その後、屋台を固定し、1975年8月には店舗としてオープンした。
現在は全国37の都道府県に231店舗を構える。
味
天下一品のスープは唯一無二。
鶏ガラを中心としつつ野菜から作られたスープはドロリとした仕上がりとなっている。
ジャンルとしては醤油ラーメンではあるものの、いわゆる中華そばのようなものとは異なる。背脂の入る京都ラーメンとも異なる。
「こってり」と「あっさり」
メニュー名である「こってり」と「あっさり」はスープの状態を分かりやすく示したもの。ドロリとした「こってり」は箸が立つほど。「あっさり」はより食べやすい仕上がり。
また、こってりとあっさりのスープを同量混ぜた「こっさり」が存在する。裏メニュー的なものではあるが、ほぼ全てのお店で通じる。店舗によってはメニューに記載がある。
新味、味噌ラーメン
今までは「こってり」と「あっさり」の2大メニュー、たまに期間限定のメニュー、という構成。
そこに突如として現れた「味噌ラーメン」。この思い切りと意外性。
今までも味噌を用いたメニューは存在したものの、これだけ振り切って味噌感を出しているメニュー名は突き抜けた思い切りを感じる。
この味噌ラーメンは、北海道の「赤味噌」と愛知県の「豆味噌」をブレンドした味噌を使用。この味噌を天一のスープと合わせて、"天一らしさ"をしっかりと継承している。とのこと。
行ってみる
順次展開はしているものの、まだまだ全店舗で味噌ラーメンを扱っているわけではない。しっかりと取扱店舗を調べてから行くと良い。
とはいえ、天下一品はこってりを食べに行く場所というイメージが根強く付いているファンも多い。僕の行ったときの感覚としては、味噌ラーメンを頼む割合は半分以下だったように感じた。
僕もこってりに惹かれそうになる。いやいや、今日は味噌ラーメンを食べるために来たんだ――と言い聞かせ、味噌ラーメンを注文。
食べてみる
注文して程なくして到着。
思い描く味噌ラーメン像に近い味噌ラーメンのビジュアルをしていて、ある意味見た目としては天一らしさが無い。「ちょっといつものラーメンに味噌を足してみました」みたいなビジュアルではなく、しっかりと"味噌ラーメン"らしさがある。
トッピングは挽肉ともやし、青ネギ。とてもシンプル。
まずはスープを一口。
味噌のコクはもちろんのこと、甘味、酸味、旨味が飛び込んでくる。
味噌はストレートなのに、探ると深みのある味わい。味噌の中に天一らしさが感じられるスープ。
いわゆる北海道系の味噌ラーメンのように油が表面を覆っていない。あれが僕としてはあまり好きではなくて…あの油膜、くどくなるのに味が薄まるような感覚があって、かと思いきや味噌がガツンとパンチしてくる、みたいな感じがするので…まぁそこは好みだね。個人的には北海道系味噌ラーメンよりも断然天一の味噌ラーメン派。
麺は太麺ではない。いわゆる中太麺。
味噌ラーメンと言えば太ちぢれ麺、という固定概念をぶち壊してくる。
麺は細ければ細いほどスープが絡みやすくなる。味噌ラーメンのスープは味が濃い事が多いので、麺も太麺の方が最後までおいしくいただける…という事。
天一の味噌ラーメンは中太のストレート麺。スープをよく絡ませてくる。
それであり適度な歯ごたえとすすりやすさ。
トッピングされた挽肉はシンプルな味付け。甘辛くしていたりするかと思いきや、スープや麺を邪魔しないもの。
麺がスープをよく絡めてくれるので、バランスよく食べ進める事が出来る。
また、最後まで飽きたりする事無く楽しめるのも良い。
まとめ
予想以上に整った良い仕上がりになっていた。
これは「味噌ラーメンを食べに天一へ行こう」という考え方も有り得るな…とちょっと思ったりもした。
*1:今年は新型コロナウイルスの影響により、「天下一品祭り」として10/1~10/18にイベントが開催される。