ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

官能的なチョコレート――クリオロの「サントス・セレクト」をお取り寄せ

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チョコレートのアソートボックスはショコラティエのこだわりが凝縮されている。

同じ味――例えばピスタチオを使ったチョコレートであっても、オレンジを効かせたチョコレートであっても、各ショコラトリーによって味わいはもちろんアプローチから大きく異なる。

 

また、アソートであれば様々な種類が楽しめるため、購入者は多い。ギフトにも使いやすいし、初めてのお店では最初に手を出しやすい。

そうなるとショコラトリーもアソートに力を入れる。つまりアソートはショコラトリーの力量が分かる招待状のようなアイテムでもあると言える。

そこからチョコの泥沼へ招待されるも良し、他の沼へと移動するも良し。

 

 

今回のお取り寄せ品

クリオロ サントス・セレクト

いわゆるアソート。10個入りだ。

 

ショコラトリーの事を知る、という目的ならばこれくらいの個数が一番分かりやすい。

少な過ぎると無難な味しか入らないボックスも多いし、多過ぎるとピントがぼやけてしまう。

 

もちろんそれぞれの数量のセレクトに良い所はある。

ちょっと試したいなら3個~5個程度の詰め合わせを。あれもこれも存分に試したいなら20種くらいのチョコが詰め込まれたセットを。

それぞれに意味はあるし、楽しみ方もある。

 

シェフ、アントワーヌ・サントス

サントス・セレクトの名はクリオロのシェフであるアントワーヌ・サントス氏に依る。

氏はフランス人だが、飴細工のバランス感覚を養おうと生け花を学ぶために来日したらしい。確かに繊細さを養うなら日本の技術はフィットするかもしれない。

そんな氏のフランスと日本の感覚を融合させたスイーツは人気を博している。

 

中でもチョコレートへのこだわりは強い。

社名、そしてブランド名であるクリオロはカカオの希少品種の名前である。

ここからもこだわりの強さを伺い知ることが出来る。

 

お取り寄せしてみる

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シックな化粧箱に入っている。ギフトにも喜ばれるだろう。

上品ながらも華美ではない。

 

開けてみると、宝石のようにチョコレートたちが顔を覗かせる。

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開封時のこの感覚。これがアソートの楽しみのひとつである。

やはり食べ物の魅力として、視覚情報も大きい要素だ。

結局食べてしまえば同じなのは間違いないが、例えば牛丼屋で「綺麗に盛られた牛丼」と「ぐちゃぐちゃに混ぜられたもの」とどちらが食欲が湧くか、という話である。

 

 

食べてみる

こちらのセレクトは10個入り。これくらいの量だと、絶対に食べてほしいであろうフレーバーからちょっと攻めたフレーバーまでバランス良く入っている。

 

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こちらは左半分のゾーン。

左下からN字に、カフェ・ヴァニーユ、カシス、ガイア、プラリネ・ノワゼット、オレンジ・ショコラ。

 

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こちらは右半分のゾーン。

左上から時計回りに、プラリネ・アマンド・ノワゼット、チャイ、プレーン、フランボワーズ、ニルヴァナ。

 

まずはプレーンから。誤魔化しの無い味が楽しめる。

絶妙な優しい甘さで、完成時のバランスがとても研ぎ澄まされている。

 

プラリネ系のチョコレートがいくつか入っている。

プラリネはローストしたナッツ類をキャラメリゼしたもの。ペースト状に滑らかにしたものを使用するショコラティエがほとんどだが、クリオロのプラリネはザクザクと食感が残っている。もはやフロランタンのよう。

プラリネ・ノワゼットはヘーゼルナッツの香りが活きている。プラリネ・アマンド・ノワゼットはアーモンドとヘーゼルナッツのマリアージュ。こちらも香ばしくチョコレートによく合う。

 

目を引くハート型のチョコレートはガイア。こちらはキャラメルとバニラのフレーバー。甘くほどける。

 

フルーツ系のフレーバーも分かりやすい。

フランボワーズ、オレンジ・ショコラ等、それぞれ単体のフルーツとチョコレートとのマッチング。

「ライムがかすかに香った後、パッションフルーツとプラリネが…」みたいな小難しい味わいは無く、とにかく素材が分かりやすい。

 

構えずに食べる事が出来るというのは、手軽にチョコレートを楽しむ上で重要な要素かもしれない。

チョコレートは決して「分かる人だけ分かれば良い」という食べ物ではない。何かをひけらかすためのツールでもない。

芸術として突き詰める方向性ならばそれでも良いが、商品として高めていくならばそれは必ずしも正解ではない。

 

しかし、チョコレートの仕立てとしてはかなりハイクラス。

正直なところ、サイト上で「〇〇賞、受賞」みたいな事ばかり書いてあるメーカーは逆に信用出来ない部分もあるので、こちらも例外では無かったのだけど、ちゃんとおいしくて小手先だけで誤魔化していない感じも受けた。

 

 

 

個人的に良かったのはベリー系のフレーバー。

カシス*1もそうだし、ニルヴァナ(ブラックベリー)もそうだけど、味わいがとても官能的。

ふわりと鼻に抜けるのは、ベリーと洋酒を合わせているからかもしれない。

 

ニルヴァナは仏教用語で涅槃を意味する。悟りの境地であり、イコール死を意味する。

「吹き消す」という意味を持ち、ろうそくの火がフッと消えるようなニュアンスを持つ言葉。

その言葉をなぜブラックベリーのフレーバーに付けたのか。その意図を想像しながら楽しむ長い余韻が心地良かった。

 

 


 

 

*1:厳密にはベリー類ではないけど、ざっくりと近縁なのでまとめてベリー系としている。