ayuクリエイターチャレンジのブログもこれで7記事目。
すっかりライフワークになってきたこのアレンジ企画も1/3が終わった。
今までのよもやま話はブログ下の「関連記事」を参照されたし。
このアレンジ企画は、もう既に世に出ている「原曲」というものがある。
ある種のひとつの正解、というかその当時の最適解であるはずのもの。要は"97点"みたいなアレンジなわけである。
さて。新たにアレンジする上で、先立って正解がある以上は原曲を全く無視するわけにはいかない。
全く知らない曲であれ、だいたい全部把握している曲であれ、どこかしらのタイミングでは原曲を聴くようにしている。
原曲を全く聴かずに仕上げた場合、危惧される問題がある。
一番大きいのが、リズムやセクションの解釈違いが起こる可能性。
勝手にサビだと思っていたセクションが実はサビじゃなかった、とか。
歌い出しが1拍目の頭だと思っていたら実は2拍目の頭だった、とか。
実際の所、ボーカルデータを聴けばだいたいは分かる。
音量やピッチのアップダウンでサビやAメロ、もしくは一番盛り上がるであろう部分も把握できる。
拍も1拍目を強調する日本人タイプの歌い方なので、リズムの解釈もほとんど問題無い。
それでも一度は原曲を確認せねばならない。それは、いわゆる検算のような作業のため。
アレンジのカブりが無いかも確認したい。原曲とほぼ同じようなアレンジになってしまってはあまり面白みが無い。
他の投稿者の方の作品まで確認する時間は無いのだけど、多くはEDM系のアレンジだし、僕のアレンジとは然して被らないだろう、とは思っている。
原曲を確認するのは、ワンコーラス分の制作をし終えてからにしている。
要は"1番"を作り終えてから。イントロからサビまで作ればだいたいそれの繰り返しなので何となく全体像は出来ている事になる。
ここで確認して、原曲と異なるアレンジになっていることを確認する。使用しているコードが被っていたら違うコードへと変更したりもするし、ビートの感じや全体的な雰囲気が被っていたら変更する。
幸いな事に、今まで被ったアレンジをして大幅な修正を余儀なくされた事は無い。
また、仮に原曲を知っていた場合でも、引きずられてアレンジがしづらかったことも少ない。今のところ「Bold&Delicious」くらい。
という点を踏まえると、アレンジを始める前に原曲を聴いちゃっても良いのかな…とは思わなくもない。
何せ、もしもワンコーラス作った後にカブりが発覚したら大幅な時間のロスとなる。
1.5時間以上のロス。これは全体の作業時間の1/3に相当する。
どのタイミングで原曲を聴くのか。意外と大事だし、でももしかするとどのタイミングでも大差無いのかも、とも思ってる。
31日目(6/16):Duty(BPM92)
31. Duty / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
サルサ風のアレンジに。ラテンみのあるピアノとギターのリード。そしてドラムとベースもそっち方面のアレンジ。
サビは迫りくるようなイメージで。コードも不安感のある進行だし、ビートにも揺らぎを作っている。
1小節の中の4拍を前2拍と後2拍に分けると、前2拍はちょっと前のめりなビート感。後2拍はちょっとブレーキを掛けたようなビート感。…という感じでシンプルな4拍子から離れると曲に不安定感と浮遊感が生まれる。
これは変拍子(5拍子や7拍子など、シンプルな3拍子や4拍子とは異なるリズムのもの)と同じ現象。これを4拍子の中で変化を付けて遊んでいるイメージ。
不安を掻き立てるようなバイオリンの弦のノイズもいくつか。
32日目(6/17):Fly high(BPM134)
32. Fly high / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
途中のラップっぽいところというか語りというか正式名称が分かんないけども、そこが原曲でもミソとなる。
明るいサビやAメロと打って変わってダークな面を覗かせるセクションだ。
このセクションを現代に持ってくるとなると、まぁ無難なのはブレイクダウンだよね、という。
僕自身、実はあまりEDM系の音楽を作る人ではないのだけど、良い習作として。
全体的なアレンジとしては80年代あたりのシンセブラスをリフレインさせてベース音だけを動かすという手法で。これが案外フィットしたので、そのまま全体的な輪郭を作ってブレイクダウンと合わせて完成、って感じ。
33日目(6/18):glitter(BPM121)
33. glitter / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
ロックなアレンジに。2010年代前半のヴィジュアル系みたいなイメージ。そうそう、あの辺。
僕がヴィジュアル系バンドを始めた時に上の方でキラキラしてた世代の人たちのあたりの楽曲をイメージしつつ。こんなビート感で明るい曲でウォウウォウ言ってる感じ。やや偏見。
キラキラ系とかネオヴィジュアル系とか呼ばれていたあたりからちょっと進んだ世代。メガマソとかTHE KIDDIEとかDaisyStripperとか。
とはいえ、まぁ実際あんまり「この曲が~」とかは無いんだけど、でもなんかそのあたりの世代の頃のバンドの曲をイメージした制作。
サビのコードがちょっと特殊だけど、その割に聴きやすい感じ。
34日目(6/19):HANABI(BPM75)
34. HANABI / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
原曲にも切なさはあったんだけど、それをさらに煮詰めて闇に落とした感じに。絶対メンヘラだよ。
最初にいわゆるBoom音というめっちゃエコーのかかったバスドラムのような映画の予告で文字が出てくるときの深い「ドゥーン…」みたいな音を使ってるんだけど、それが追憶の中の打ち上げ花火のようで。
1番はドロッとした引きずった未練たらたらみたいなアレンジ。
2番以降は徐々に様相が変わって…。
目まぐるしいせいか、とても短く感じる。
実際4分2秒だから、まぁ一般的な曲からすれば短めの部類ではあるのかな…。
35日目(6/20):July 1st(BPM128)
35. July 1st / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
6/20更新だけど、July 1st。遅れるよりは良いか。ある意味グッドタイミング。
ウキウキ感のあるロックに。コードはコードネームにしちゃうとかなり気持ち悪いけども、それを感じさせない聴きやすさ。
こういうのを理論先行で作るとガッチガチになっちゃって面白くない。「次はこの音が良いなー」って感じで作りたい。
サビの後にはそれぞれシンセのリード音を。ゲームっぽいような特徴的な音に。アウトロでもそのフレーズを踏襲した変奏が出てくる。
ドラムとベースの絡みは楽しい。作るのも楽しいし、聴くのも楽しい。
ここに来て、更にアレンジの振り幅が大きくなってきたように思える。
原曲のアカペラがそういうアレンジを呼んでいたから仕方ない。
毎回特に行くアテは決めずに取り組んでるので、たまたまそういう方向へと進んで行っただけに過ぎない。もしかすると無意識下で引き出しの幅は出そうとしてるのかもしれないけども。どうなのでしょう。