地元も地元、名古屋市天白区でショッキングな事件が起きた。
日時としては昨日(1/10)の夕方。
名城大学の敷地内の研究実験棟で、理工学部の学生が同学部の准教授を刃物で刺したという内容。
被害者の准教授は命に別状は無いとの事で一安心。さすがに人を一人殺めてしまったとしたら、この学生もこの束の間の短絡的な行動で人生を棒に振ってしまいかねない所。
そして、核心の問題は他のところにある。
リスクを冒してまでも刺さなければならなかったのか
加害者・被害者ともに同大学同学部との事で、それぞれ生徒と准教授の立場。
続報によると、レポートの提出や単位に関する口論があったとのこと。
それにしても、「単位がもらえない」⇒「殺そう」には結びつかないはずだ。
加害者は22歳らしいので、充分に判断能力やリスクの想定は出来たはず。よって、それを上回って刺さなければならない衝動に駆られてしまったと考えられる。
殺意の有無に関しては現在のところは明言されていないものの、はさみで首などを狙って刺している事を考えると、ある程度以上の「傷つけてやろう」という意志は感じられる。
何が駆り立ててしまったのか
例えば、加害者の事を「彼はちょっと個性的で、人とは違った考え方を持つ人だったんだよね」と片付けるのは容易い。
ちょっと考えの及ばない若者が、ついカっとなって准教授を刺してしまった――と事件を片付けるのも簡単だろう。
加害者も相応の償いをすることになり、防犯対策も強化されるだろう。
でも、それでは根本的な部分ではあまり解決したとは言えない。
もしかしたら他にも准教授に対して思うところがあった生徒もいて、もしも今回の加害者が行動を起こさなかったとしたら他の人が同じ事件を起こしていた可能性だってあるかもしれない。
(もちろん実際に行動に移した加害者が一番悪い。それは前提としたい。)
そういう面ではもっと根本的なところから見直さなければならない話なのかもしれない。表面の問題のみをさらうのは簡単だけど、根幹の部分にもっと大きな問題が隠れている可能性だってありうる。
事件が起こった"環境"を見る
表面上だけさらっては同じ事件を繰り返す可能性がある。事件によっては模倣犯を生み出しかねないし、前述の通り、次は他の誰かが新たな加害者となるかもしれない。
関連して、記憶に新しいこちらのトピックも取り上げる。
最近裁判が始まり、再度関心が高まっている。
こちらも猟奇的な殺人だと片付けるのは簡単だろう。
だが、そのバックグラウンドを紐解けば、要因が見つかってくる。
そうなれば予防や対策も見えやすいし、二度と同じ事件を起こさないようにするようにも努めることが出来る。
それには時間やお金、労力が必要になるかもしれない。ただし、同じような事件が再度起こるようでは、まだまだ"仕組み"に問題があると言えるのかもしれない。
同じ事件が起こらないように
事件が起こった⇒犯人を逮捕、で終わらせてはいけない。
それは、例えるならば一つの畑の中の一つの苗を抜いただけに過ぎない。畑をそのままにすれば、また違う苗が芽吹く事だろう。
その土壌を調査し、原因や動機を究明し、その上で対策を練っていかなければならない。目に見えている部分よりも、もっともっと深い部分にフォーカスする必要がある。
1つの事件の本当の意味での対策と解決は、長い年月がかかるのかもしれない。