Bluetooth🄬――
今ではありとあらゆる機器に用いられ、猫も杓子もBluetooth、Bluetooth。
もはやBluetoothを全く使わない生活を行う事が困難な人だっているだろう。
そのうち季語のひとつになったり、ナンパの掴みで使われるようになるかもしれないくらい身近になった――「ねぇ、君、かわいいね、Bluetoothって知ってる?」
日常的に使っている≠メカニズムを知っている
普通にガンガン使っているのにも関わらずメカニズムを知らない文明の利器って、実は結構多いのかもしれない。
例えば電気もそうなのかも。どこで作られてどう送られてくるのか、ご存知だろうか。
電気や水道などのライフラインの仕組みは小学校の生活の授業や社会の授業で触れたような気もするが、例えば電気や水資源がなぜ潤沢じゃないのかは興味を持たないと知れない部分であろう。
同様に、Bluetoothが「任意の2つの機器をペアリングして相互通信をする技術」というところまでは何となく理解しているとは思うが、それ以上の部分に関しては知らない人がほとんどなのでは、と思う。
Bluetoothとは何なのか
Bluetooth(ブルートゥース)とは、近距離におけるデジタル機器用の無線通信の規格のひとつである。多分これが一番完結な説明である。
WiFiに似ているのだが、いくつか明確な違いがある。
通信距離
通信は近距離に限られ、せいぜい10m程度しか届かない。
WiFiを拾う距離の事を考えれば、明らかに近距離である。
周波数
無線通信には、使えるいくつかの帯域が整備・割り当てられている。
Wi-Fiでは2.4GHz(ギガヘルツ)とか5GHzがあるので馴染みがあるかもしれない。
ラジオをよく聞く方は**.*MHz(メガヘルツ)に合わせて受信しているはず。
なお、BluetoothではWi-Fiと同じく2.4GHz帯を用いている。
様々な帯域をその特性に応じて各用途に割り振っている。
ちなみに割り振られた帯域以外を勝手に使ったり、電波の威力を高めて他の機器に影響を及ぼしたりすると、電波法に引っ掛かるので注意されたい。
パーソナル性
Wi-Fiは複数の機器を繋ぐことが出来るが、Bluetoothは基本的には1対1だ。
ペアとして登録した機器同士での通信を行うため、よりパーソナルな通信規格と言える。
そのため、一見秘匿性が高そうに見えてしまうのが欠点。Bluetoothのセキュリティ面には気を付けておきたい。
電力消費
あんまり注目されないポイントではあるが、BluetoothはWiFiに比べ消費電力が抑えられる。
名前の由来
ブルートゥースというのはハーラル1世の呼称であり、そこから由来する。
ダメージを受けていた歯(tooth)が青黒く見えていたからとか、高貴な色であった青色の服を着ていたからとか、諸説ある。
そんなハーラル1世、デンマークとノルウェーを平和的な交渉で結び付けるという偉業を成し遂げている。その史実より、機器を結び付けるBluetoothの語源となった。
Bluetoothを開発したのはノルウェーのお隣であるスウェーデンの会社とのことで、隣国の歴史の偉人に肖った形だ。
当時は色々な電波規格が世界各国に乱立していたため、それらを統一したいという願いもあったとか。
実際、現在では世界的に認知され共通規格となっているBluetoothは、ある意味ではその悲願を達成したと言える。
Bluetoothの歴史
元々は赤外線に変わる通信手法として生まれたんだとか。
でもまぁ使い勝手が悪く安定しないため、当時はあんまり期待されなかった技術となってしまった。赤外線と違って、直線で飛んでくれないらしい。
しかしその無指向性が長所となった。周囲の機器一体を検知してリンク出来るBluetoothは、互いに送受信部を向き合わせないと検知しない赤外線規格を越えたのだ。
今ではモバイルデバイスやパソコン周りの機器、オーディオなどに使われ、グンと身近な技術となった。家電にも多く用いられている。
Bluetoothは元来それくらいの家庭内やオフィス内で使用する距離感が得意なため、どんどん普及するに至った。
あとがき
便利だね、Bluetooth。僕もめっちゃ使ってる。
しかしどうしてもセキュリティ面では盤石と言えないので、少し不安が残る。
こまめにオフにしたり、機器名や通信名に個人情報を入れたりしないよう、気を配りたい。
かつては赤外線通信は画期的な技術として受け入れられた。
Bluetoothも現在、使い勝手の良い技術として取り入れられているが、きっとそう遠くない将来に上位互換のシステムが開発されていくのだろう。
「ああ、当時はBluetoothという規格があってね…」と話す日も来るのかもしれない。技術は進歩し続ける。
Bluetoothについて改めて調べ直してみると、あやふやだった部分もあった事に気付く。
僕は使っている物が謎に満ちているとモヤモヤしてしまうタイプなので、調べ尽くしたい。そしてそんなリサーチが誰かの役に立てば良いなと思ったり思わなかったりしている。