ちょっと前にポテトサラダの話が主にツイッター上でバズっていた。
総菜コーナーでポテトサラダを手に取った主婦が見知らぬおじさんに「ポテトサラダくらい、買わずに作ったらどうだ」と言われたシーンについて、様々な意見が飛び交った。
確かにポテトサラダは手間のかかる料理だ。それよりも僕としては「見知らぬおじさんがヤジを飛ばしてくる」というそのシチュエーションに戦慄している。
簡単そうに感じさせてくるくせに難しい料理はポテトサラダの他にもコロッケなんかもそう。
ポテサラもコロッケもスーパーでも居酒屋でもどこでも売ってるし冷凍食品としても総菜コーナーにもある。が、しかし実際に作るとなると手間がかかる事この上ない。買うに限る。本当に。
同じく中華にも作るのは手間がかかる物が多い。中華も買うか外食に限る。
中華って本当に手間なんですよ。餃子やシュウマイ、小籠包はもちろんのこと、各種炒め物も別々に油で炒めておいたり先に湯通ししたり等の下処理が多い。火力も必要になるしスピードも重要なのでキッチンをついつい汚しがち。後片付けも大変。
中華鍋のメンテナンスもおおよそ現代日本の家庭向けではない。
ごま油で高火力で炒めれば中華じゃん!簡単でしょ!みたいな発想の人は今すぐ考えを改めて全国の餃子の王将に頭を下げながら日本中を行脚してほしい。その後ウェイパーに沈めてやる。
そう考えると街中華は恐ろしい安さとおいしさなのだ。
別に「作り手の苦労を把握しなければ食べちゃいけない」みたいな暴論を振りかざすつもりはないが、作り手の苦労を知る事によって新たな気付きもある。
なんせ料理のおいしさを感じるのは舌だけじゃない。見た目や匂い、そして時には"情報"ですらもおいしさとなる。
例えば「希少な国産の●●を使用していて…」「36時間煮込み続けた」「毎日10食限定」等の情報が入る前と後ではおいしさは違うはずだ。
さて、街中華だけじゃない。
最近ではコンビニでも中華のラインナップが目覚ましい。「あれが食べたいなぁ」を全部叶えてくれる。
しかも味もかなりクオリティが高い。かつては「街中華の代わりになんとなくメンタルを満たしてくれるもの」だった。なんとなくメンタルを満たしてくれていればまだマシで、ヘタするとその中途半端さゆえに更に本物が食べたくなったりしたものだった。
かと言って、中華飯店にも当たり外れがある。値段のピンキリ度もすごい。
行ったことの無いお店には行きづらいし、一品だけ食べて帰る事に抵抗のある人もいる。入ってみるとボロボロで色々心配になるお店もあるし、実は高級中華なお店もある。
人によって種類は違えど、なんとなく入りにくさのハードルが存在する。
そんな中でコンビニの手軽さたるや。
これで味がおいしければ最強なんだけどな…と思っていたら「味もおいしいんですよ…」と囁く声が。
振り返ると、そこには中華丼が居た。
コンビニの中華丼
場所はセブンイレブン。出会いは突然に。
いやいや、コンビニの中華丼なんてレトルトみたいなもんじゃない。知れてる知れてる。
と思いつつも手に取ってしまった。手に取ったものをまた棚に戻すのはちょっと嫌だ。
逆の立場で「他人がベタベタ触ったものを取りたくない」という意識もあるし、なんかちょっと中華丼がかわいそうだ。えっ、かわいそう…?
なお、海外では手に取ったら必ず買わなきゃいけない国だってある。
一旦手に取ったものを戻すのはタブーな地域だってあるのだ。
さておき、中華丼を久々に食べることになった。
そういえば昔はこのとろとろした"餡"が苦手だった。理由は分からない。
いつの間にか別に平気になった。その理由も分からない。
そして何の因果か、今、自ら進んで中華丼を食べようとしている自分が居る。
人生何が起こるか分からないね。
野菜がたくさん摂れるらしい
この海鮮丼、正式には「1/2日分の野菜! 9種具材の海鮮中華丼」と言う。
一杯だけで1日に必要な野菜の1/2が摂取できるんだって。本当に…?あれ、こんな少ないっけ…?
と思って調べてみたら、1日に必要な野菜量は350gらしい。小鉢の副菜(ほうれん草のお浸しとかかぼちゃの煮物とか)でだいたい70gくらいになるという。
そう、野菜のノルマクリアは意外と大変なのだ。
しかしこの海鮮丼は1杯で1日の1/2、つまり175g程度の野菜が摂れるらしい。
じゃあ毎日2つずつ食べれば完璧じゃない。オススメはしないけど、一応書いておく。
「最近野菜が足りてないな…」という人にはばっちりオススメ。
中華って、おいしく野菜を摂れるのが良いポイントでもある。
具材が9種も
9種類*1も具材が入っているのも特筆すべき点。
まぁ中には1切れしかないものもあるけど…しかし彩りや華やかさに貢献している事には変わりない。
具材は、「白菜」「玉ねぎ」「たけのこ」「にんじん」「ヤングコーン」「いか」「きくらげ」「えび」「小松菜」。賑やか賑やか。
食べてみる
レンチンで中華丼が食べれるなんて、良い時代になったもんだ…。
感動で前が見えなくなりつつもハフハフと食べてみる。餡は冷めづらいから冬なんかは特に良いかもね。
びっくりしたのが野菜のシャキシャキ感。しっかりと油通ししているような味わい。
これだけコンビニで陳列されて時間が経っていた上にレンジで温めた後とは思えないシャキシャキ度。テクノロジーってすごい。
"油通し"について
中華が手間だと感じる理由のひとつであり、かつ特徴でもあるのが「油通し」。
揚げるに近い、というかほぼ軽く揚げている状態に近い。
これによって野菜の色がパリッと綺麗になり、食感も保つことが出来る。油でコーティングすることで、野菜の中の水分を外へ逃がさないのだ。
余裕で全部浸るくらいのたっぷりめの油をフライパン(中華鍋が望ましい)で熱し、具材を入れてサッとすくい上げる。これが油通しだ。
工程は簡単で単純だが、なかなか難しい。結構なコツと技術が必要となる。
油の温度が高すぎるとそれはもはや「素揚げ」…つまり揚げ物になってしまうし、かといって油の温度が低すぎると油を吸ってべたつく。表面がコーティングされたらすぐに油から上げる。表面の油のおかげでこれ以上油を吸わないので、普通に炒めるよりも油を吸わない。よってべたつかない。
ちなみに油通しは肉とほとんどすべての野菜で使える。葉物はちと難しい。
野菜は低音~中高温(150度~190度くらい)。タケノコとかレンコンとかの硬めの野菜は中温でやると良い。表面がコーティングされるまでの時間は、油に入れて数秒。
肉はかなり低めの温度(とはいっても100度は超える)で、かつ薄く衣をつけておく*2と良い。
この油通しにより、実は火入れがほぼ完了する。
その後改めて具材を炒める工程は、実は感覚としては"仕上げ"に近い。
火入れ→炒めのスピード感も凄い。これが中華のスピードの秘密でもある。
そして、サッと仕上げることがそのままおいしさにもつながる。
驚きが多い
コンビニでこの食感を味わえるの、本当にすごい。
商品開発部の人間全員と握手したい。あ、すみません…2mずつ離れて並んでもらって…。
餡もしっかりと魚介の風味。貝類の香りが凄い。ホタテとかオイスターとか。
ほんのり紹興酒だか香糟(シャンヅァオ)だかの味わいも感じる。奥行きがあるというか。餡の味がぼやけていないし、かつ濃ゆすぎない。
量が少なめに感じなくもないけど、カロリーは約500kcal。しっかりこれだけでも満足できそう。
ここがこうならもっと良い
やはり中華丼となると欲しいのがうずらの卵。欲しくない?僕は欲しい。しかも、ちょっと欲張って2つ欲しい。
しかし、レンジで仕上げる特性上、難しいのかもしれない。別売りのを買って足すしかないね。ちなみにコンビニでゆで卵もうずらの卵の水煮も買えるので、一緒に買ってトッピングすると良い。
エビやイカももっと多いと良いのだけど、現在で税込496円。
これ以上入れると500円を超えてしまって、売れなくなりそうな予感をひしひしと感じたり。よって、これがちょうどいいバランス、という感じ。
まとめ
中華は買うか外食に限るよ。