みんな大好きハーゲンダッツ。
「高級なアイスといえば?」と問われれば、ほとんどの人がハーゲンダッツと答えるはず。相当なブランド化に成功したアイスと言える。
実店舗は撤退してしまったが、コンビニやスーパー等ではまだまだ人気だ。
そんなハーゲンダッツから、新作クリスピーサンドが出た。
クリスピーサンドとその歴史
カップが人気ではあるが、クリスピーサンドもじわじわと知名度を上げている。
クリスピーサンドは2001年に発売を開始。実は日本で開発されてその後世界へと広がった、いわば"逆輸入"な商品だったりする。
日本での評判を受けてハーゲンダッツの本社が全世界での販売に乗り出した、という。
最初に開発された味はキャラメル味。ロングセラーになった今もなおリニューアルを繰り返し、今年4度目のアップグレードを行った。
原点に戻ったその味は「ザ・キャラメル」。
クリスピーサンドが出て20年近く。クリスピーサンドとキャラメル味は切っても切り離せない関係にある。
今回はキャラメル味には触れないんだけどね。
クリスピーサンドのサクサク感の秘密
クリスピーサンドは、コーティングされたアイスクリームをサクサクなウエハースでサンドしたもの。
この"サクサク"がポイントで、他社製品でよくあるようなしっとり感は無い。パリッとしている。
これが不思議でねぇ…アイスと接しているから湿気ってしまってもおかしくないのに…。いくらアイスとウエハースの間をコーティング層が隔てているとはいえ、密閉されていれば水分は移る。
本来ならばコンビニのおにぎりのようにフィルムで隔てたりして対策をするもの。
でもクリスピーサンドは同じ袋の中に入っているのにも関わらず、アイスモナカのようにしっとりしていない。
なお、この製法に関してはハーゲンダッツの企業秘密らしい。
新作、「ヘーゼルナッツプラリネショコラ」
やっと本題へ。
期間限定商品として「ヘーゼルナッツプラリネショコラ」が出た。
夏季のアイスとしてショコラ系がリリースされるのは珍しい。ショコラ系は往々にして濃厚な味わいなので、だいたい冬のリリースとなることが多い。あと、イベントとしてバレンタインもクリスマスもあるしね。
他社はシャーベット系アイスやミントフレーバーを多くリリースする中、完全に"逆張り"のようなフレーバー。
これがどう出るのか…。
ヘーゼルナッツ
ヘーゼルナッツって名前は聞くし味も分かるけど、あんまり実物を意識したことって無い気がする。アーモンドやピスタチオ、カシューナッツなんかと違ってそのまま口にした事も無いかもしれない。
というわけで、こちらがヘーゼルナッツ。
めっちゃドングリ。
しかし実際にはドングリとは分類が違う。ドングリはブナ科コナラ属で、ヘーゼルナッツはカバノキ科ハシバミ属。
どれくらい違うかと言うと、シカとウシくらいの遠さがある。
ヘーゼルナッツのヘーゼル(Hazel)は、ハシバミを意味する。ハシバミの木の実だから、ヘーゼルナッツ。
他のナッツ類と同様、殻を取り去って炒って食べられる。
が、もっぱら製菓に使われる。ジャンドゥーヤ*1、ヌテラ*2、プラリネ*3には欠かせない。
プラリネ
このヘーゼルナッツを活かした調理としては、ジャンドゥーヤかプラリネが有名。
どちらも必ずしもヘーゼルナッツである必要は無いけども、だいたいヘーゼルナッツやアーモンドが使われる。
なお、ジャンドゥーヤとプラリネは似ているが、やや違う。
ジャンドゥーヤもプラリネもナッツのペーストを使っている点は同様だが、プラリネはカラメリゼ*4をする。
また、ジャンドゥーヤは「ナッツとチョコレート(カカオ)と混ぜ合わせたもの」だけども、プラリネは「ナッツをカラメリゼしたもの」であり、プラリネそのものにはチョコレートは含まれていない。
プラリネはプラリネを活かしてチョコレートと混ぜることもあるけども、ジャンドゥーヤはチョコレートと混ざっていなければジャンドゥーヤでは無い。
材料や食感も似ているため、混同しやすい。ぶっちゃけ消費者としてはどちらでも良いくらいの差である。
いずれにしてもナッツとチョコレートは抜群に相性が良いので、プラリネもだいたいチョコレートと合わせられる。
ジャンドゥーヤの方がナッツのシルキーなコクや味わいがストレートに楽しめ、プラリネはカラメルの苦みと甘味等が複雑に絡んだ味わいとなる。
買ってみる
アイスを取り扱っているコンビニ、スーパー、ドラッグストア、ディスカウントストアなんかで手に入る。
価格は300円前後。
パッケージは昨年からデザインが変わっていて、差し色が大きく入っておしゃれになっている。従来のシンプルなパッケージも良かったが、よりフレーバーに寄り添ったカラーリングが施されるようになった。
その流れを受けて、クリスピーサンドのパッケージも変更されている。
今までのパッケージの色も高級感があって好きだったけども、こちらのデザインはフレンドリーで好き。高級感も損なってはいないように思う。
食べてみる
パッケージをペリペリ開いて、食べる。
カップアイスと違って「開けてすぐに食べようとしてもスプーンが入らない」という心配が要らないので、そのまますぐに食べられる。
ウエハースはココア風味。とても軽い食感でパリパリ。ほんのりと苦みを感じる。
噛んだ時、ウエハース→コーティングの順でパキパキと砕けていく感覚がたまらない。
アイスはヘーゼルナッツプラリネのアイス、外側はチョコレートのコーティング。
ヘーゼルナッツプラリネのアイスはとても滑らか。自然な香ばしさで、ナッツのふくよかな香りとコクが楽しめる。
チョコレートのコーティングはやや甘め。チョコレートとプラリネの相性は言うまでもなく。プラリネとチョコレートをアイスとコーティングとして分けてあるのもまたポイントが高い。
食べ進めるとウエハースが剥がれてしまって。
なるほど、別でコーティングを付けて、それを接着剤がわりにしてウエハースが付いている…と。
アイスにべったりとくっついているわけじゃないのと、くっつけるためのコーティングが全体には無い、というのがウエハースのパリパリ感を保つためのちょっとしたミソかもしれない。
コーティングの溝にも秘密がありそうだし、もしかするとこのコーティングが水分を吸着していたのかも…とかも考えられる。
何せ企業秘密なのでね。想像が膨らむ。
まとめ
夏に出すフレーバーとしては味がクドくないか心配だったけど、気付いたら全部無くなってた。溶けたのかな。