モノには様々なランクがある。
その中で僕はいきなり「一番」の物を買わない。いわゆる最上位モデルや最新モデルは購入しない。
それは車もそうだし、パソコン、楽器、なんでもそう。
新商品に飛びつかない
そもそもの話にはなるけども、僕は新しい物にはなかなか惹かれない。
新商品は警戒するタチだ。
食べ物は…?
とはいえ、これは食品には適用されない。
グルメ関係に関しては、あれだけ新商品に飛びついてるもんね。
これにもちゃんと理由がある。
食品はほぼ安全が確認されている上に、冒険が少ない。
某スマートフォンのアップデートのようにトラブルや不具合が無い。
異常や現物回収に至る率も少なく、そういう点で食品は飛びつきやすい。
食べ物以外は…
食べ物を除く新商品は一切と言い切っても良いほど飛びつかない。
新作、新商品、新サービス、大型アップデート…どれも飛びつきたいと思わないし、何なら警戒すらするレベル。
「OSをアップデートしたら不具合が…」なんてのもよく聞くじゃない?
アプリのアップデートも不具合やバグ修正以外の更新ならばしない。
「Wi-Fi接続時に自動的にアップデートする」という恐ろしい選択肢ももちろんオフ。選ばせてくれ。
その他の新商品――特にデジモノに関しては自主回収があったりマイナーチェンジなんかもあるし、僕の中では新商品=「Ver.0」もしくは「プロトタイプ」もしくは「βテスト版」に近いイメージを持っている。
新商品に飛びつかない理由
というわけで、意外と(?)僕が安定志向だという事を感じ取っていただいた後は、改めて新商品に飛びつかない理由を列挙していきたいと思う。
不安定
新商品は、前述の通り不安定である。
Apple社の製品なんて最たるものだと思っているけども、他にも家電なんかもそうだし、新たなサービス、アプリなんかもそう。
ハードもソフトも両方起こり得る。
そうそう、コロナがこれだけ猛威を奮う前はオープンしたての飲食店に行くのも好きだったけど、やはりシステムやサービスが行き届かない点とかは少なからずあって、そういう面ではちょっとモヤモヤっとした経験もあった。
お店が新しいサービスを始めた結果、想定外の方向へと動いてしまって結局サービスが中止してしまったりとかね。
そうなると振り回されてしまう。飛びついたサービスがブンブンと振り回されてしまい、それに掴まっているカスタマーへの遠心力はものすごいものとなる。
高価
新商品は、高い。
中には明らかに価格設定ミスとも取れるケースすらある。
特に季節性・話題性を含むものはそうで、半年もすればガクッと値下がりする事も。
家電、パソコン、スマホなんかはまさにそう。性能はそのままなのに。不思議でならない。
希少
新商品は、希少である。
最近だとよく問題に上がる、買い占めや転売客もいるため、発売と同時に需要が集中する。
僕は朝から徹夜して並ぶ人の気が知れないし、そもそも並ぶのも嫌。
あまつさえ苦心して手に入れた新商品に不具合がある確率もあると。もう何のための時間なのか分からない。
最上級に飛びつかない
同様に、最上級のモノにも飛びつかない。
これはまたちょっと違う理由がある。
「新商品かつ最上級」なものも多いが、そうでもない場合もある。
「新商品ではないものの最上級」なものにも飛びつかない理由は別で存在する。
最上級に飛びつかない理由
標準を知りたい
まずは標準を知りたい。
これがこうなってこの値段、というカラクリを理解したい。そうじゃないと高い商品が何故高いのかが理解できない。
高い理由となっている機能や技術を見逃してしまうかもしれない。それならばそれこそ最上級じゃなくていいわけで。
「高い楽器が何故高いのか」を理解していないならば、そこまでお金を出さなくてもいいのかもしれないじゃない?
まぁ占有欲求みたいな物もあるからお金を出すこと自体に意味を見出せる場合もあるけども。
初めてのラーメン屋に入っていきなり「全部乗せ」は頼まないでしょ?という。
いや、頼む人もいるか…。
ちなみに券売機の左上に一押しか一番スタンダードな物が記載されていることが多い。 これは人の目線のメカニズムによるもの。電車の券売機とかもそうだから、習性と言うよりは学習によるものかも。
ともあれ、まずは「これくらいでこの値段」が知りたい。
退路を断ちたくない
例えばいきなり最高級の時計を買うのも良い。良いじゃない。カッコいい。
でももしもそのブランドに途中で飽きてしまったら?最高級はそう簡単に手放せない。
僕はブランドの社会貢献度やポリシー、思考、創業者の想いも感じ取りたいタイプだし、その発言や思想の変わり方如何ではブランドごと嫌いになるときもある。
某最近ヒットしてる歌の歌詞にも出てくる服飾ブランドは好きでも嫌いでも無かったけど、人種差別的とも取れるPRを行ったので嫌いになった。
ブランドはブランドなので、そういうイメージが大事だと僕は思っている。イメージを売るのがブランドだからね。
何かあった時に綺麗に手のひらを返したい。ブランドに対してブランドを超えた結び付きを感じたくない。ブランドという船に乗るのは良いけども、船員にはなりたくない。
そういう意味ではまずエントリーモデルを選びたくなる。
経験を積みたい
最上位モデルは往々にして複雑であり多機能であり初心者向けでは無い。
いきなり最上位モデルを入手したとしても、その先には基礎を積み重ねなければならず、結局回り道になる場合がある。
いや、回り道になるならまだマシで、最悪の場合は挫折を味わう事となる。
例えば、いきなりAdobeのソフトを入手する事はオススメしない。
確かに便利で何でも出来る。僕も多用している。でも、使いこなすには相応の歳月が必要となる。特に動画制作や描写系ソフトはある程度他のソフトでメカニズムを慣らした方がスムーズに習得が可能だと思う。
僕の例
そういった段階を踏んだのち、「最上位」に行き着く。それでも「最新」には興味が無い。
例えばパソコンや動画制作等のソフトは最上位である。楽曲制作もそう。
テレビ、ストーブ、エアコン、車、コーヒー、ウイスキー、ジン、ラム酒なんかはまだ段階を踏んでいるところ。
「一番になりたい欲」は人並み以上にあるけども、モノに関して一番を得たいとは然して思わない。それは飽くまでも鎧であって、自分自身では無いからさ。
そして、「このスペックじゃちょっと不足だな」って思ったら、段階的に上位モデルへと進んでいく。この繰り返しが僕にはちょうどいい。
トータルのコストは僕の手法の方がかかるだろう。でも不自由もストレスも無いし、僕はこの手法が性に合っている。
人それぞれってやつだね。