キャッシュレスの波が押し寄せております。
日本政府としては2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%に高めたいらしい。
2020年にはオリンピックもありますし、グローバル化するならばキャッシュレス化を進めたい…的な流れ。
皆様はキャッシュレス決済、使ってますか?
そもそもキャッシュレス決済とは
ここでのキャッシュレスとは「現金を介さない支払手段」を指す。
つまり、「クレジットカードやデビットカードなどのカード類」「○○Payのようなバーコード決済」の事。交通系電子マネーやキャリア端末支払(au WALLETやiDなど)もキャッシュレス。
現金を使わないのでスムーズかつスマートに決済が完了するし、財布もかさばらない。
海を隔てたお隣、韓国では9割がキャッシュレスになっていると言われ、2020年には硬貨の鋳造を停止する方針だとか。ちょっと今の日本では想像も出来ないようなキャッシュレス社会。
中国やスウェーデンもキャッシュレスは進んでいる。
さて、日本では2016年現在で20%程度。2017年は21.3%だ。そこから1年と少しが経ち、正確なデータは出ていないものの、目標比率は25%程度となっている。つまり7割以上の人が現金派と言える。
やっと浸透してきたカード払い
今でこそ日本でもクレジットカードの支払いはかなり多くのお店で出来るようになったが、一昔前はタクシーに乗る時やお店に入る時に「クレジットカードが使えるかどうか」の確認が必要だった。
そこから交通系電子マネー、いわゆるプリペイド式ICカードが普及したことにより、カードに抵抗の無くなってきた人も増えて来たんじゃないかと思う。
とはいえ、今しきりに各社サービスを展開している「○○ Pay」の類いは更に一歩先のカードすらないサービス。この浸透にはさらに数年を要すると考えている。
交通系電子マネーは「プリペイド」がほとんどなので、結局あらかじめ現金を使ってチャージ(入金)をしなければならない。
チャージの必要すらない「○○ Pay」は浸透するのだろうか。
キャッシュレスは日本の文化にそぐわない
「日本は現金主義だから~」という論調は各所で見受けられるが、具体的にどのようなところが世界と違うのか。
お金を扱っている感、安心感がある
これがキャッシュレスが普及しない一番の理由らしい。現物主義というか、モノをやりとりした方が安心できるというか。世界に比べて日本のCD普及率がいまだに高水準なのでこの辺が起因していると考える。
セキュリティが怖い
僕もこれが理由で乗り出せていない。だって怖いもん。
銀行口座と紐付けられた決済サービスはリスクがある。クレジットカードだってさんざんスキミング*1の被害が取り沙汰されていた。
目に見えないところでお金が減るのは恐怖心も覚えなくはない。
7月1日に新たにバーコード決済のサービスが増えたが、その中で数日足らずで不正アクセスにより情報漏えい・不正利用が発覚した「7pay(セブンペイ)」は記憶に新しいところ。
現金のセキュリティは自分が盗難などに気を付けるだけで良いが、キャッシュレスはサービス元会社を完全に信用しなければいけない。このハードルを越えなければ浸透は難しいのだ。
日本のおつりは正確
ちょっと考えられないかもしれないけども、海外で現金で支払うとおつりをちょろまかされることがある。
キャッシュレスだとそれを防ぐことが出来る、というメリットがあるのだ。
それ故に現金よりキャッシュレス決済を好む人も多くいる地域もある。
その点、日本では店員のおつりは正確なので、このメリットは享受できない。
現金しか使えないシーンがある
老舗やそういうところも然ることながら、「日本には現金しか使えないシーン」が存在する。
例えばご祝儀にはお札を用意しなければならないし、新札が好ましいとされる。
現金の方がスピーディー
これは本末転倒なのだが、店員がバーコード支払いやカード決済に慣れていないケースもある。その場合、現金で払った方がスピーディーに支払いが完了するという皮肉な現象が起こる。
もっとも、キャッシュレス決済が今以上に浸透すれば自ずと解決する問題ではある。
手数料への気遣い
中には「クレジットカード決済には手数料が発生する」という事を理解している人もいる。
クレジットカードで決済した場合、売上の数パーセントの手数料を小売店からカード会社へと支払うことになっている。つまり現金取引よりも手元に残る額は少ない。
とはいえ、僕も小売をする立場で各種決済手段を取り揃えているが、カードで支払われても手数料の事は気にしたことがない。
だってそもそもカードが利用できなかったらその取引自体が発生していなかったかもしれないから。カード会社に数パーセント取られた利益であろうが、利益ゼロよりは全然マシなはずだ。僕は手数料の事よりもチャンスロスをしたくないと考える。
決済サービスが多すぎる
これも僕がキャッシュレスに乗りきれない理由の一つとなっている。
今は各社決済サービスに乗り出していて、乱立している。
ざっと挙げてみる。
- LINE Pay(LINE)
- d払い(docomo)
- au PAY(au)
- PayPay(PayPay株式会社・Softbank・Yahoo!)
- 楽天ペイ(楽天)
- amazon pay(amazon)
- メルペイ(メルカリ)
- ゆうちょPay(日本郵政)
- QUOカードPay(QUOカード)
- FamiPay(ファミリーマート)
- ローソンスマホペイ(ローソン)
- 7 Pay(セブンイレブン)
もちろんこれ以外にも各種銀行系の決済サービスやローカルなサービス等があり、それらを足していくと中々の数になる。
各社キャッシュバック等の特典を豊富に付け、登録者数の増加を図っている。
今のところは秀でている決済は無いように思える。どれも一長一短といったところ。
今は言うなれば「過渡期」。ここからはかつての「ポイントカードたち」のようにまとまっていくと考える。
例えば現在のポイントカードシステムもかなり統合されてきていて、Tポイントや楽天ポイント、Pontaポイントがほとんどとなっている。
そのように決済サービスもだんだんとまとまっていき、洗練されていくと予想する。
この波に、どう乗るか
さて、僕は割と新サービスは静観するフシがある。
マーケティング用語で言うところの「レイトマジョリティ」に当たる。
やや脱線するが、消費者は5つに分けられるとする考え方がある。
新商品リリースですぐに飛びつく「イノベーター」、トレンドに敏感な「アーリーアダプター」、慎重ではあるものの平均よりすばやく取り入れる「アーリーマジョリティ」、新しい物にはやや懐疑的で大多数が取り入れた後に取り入れる「レイトマジョリティ」、そして流行していても自分に不必要ならば取り入れない「ラガード」。
下の図のような分布となる。
まずイノベーターが飛びつく。イノベーターは新しければ買う、と言った感じで機能は二の次。
最新型iPhoneに並ぶような人たち。
続いて、アーリーアダプターがいち早くトレンドを嗅ぎ付け、検証しつつ積極的に取り入れる。芸能人やユーチューバーがこの辺。
その後、アーリーマジョリティが手を出す。ここまで浸透すればブームと言っても良い。タピオカで言えば女子高生・大学生以外の層とか。
レイトマジョリティは浸透するまで懐疑的。「でも新バージョンってエラー多いし…」みたいな。まさしく僕。ここまで浸透すれば成功と言っていい。
ラガードは最終的に手に入れない人もいるくらい。
この図で行くと、まだまだキャッシュレスは第2層の「アーリーアダプター」止まりで、ここからメリット等が感じられるようになれば第3層の「アーリーマジョリティ」へと進めると思う。
さて、僕がレイトマジョリティなのはあくまでも消費者としての話。
小売としては積極的に取り入れていきたい。
手前味噌ながら、僕のユニット「Draw Daydream During Dawn」のライブでは会場の中で物販を行っている。そこではすでに各種決済にも対応している。
現金はもちろん、クレジットカード(Visa、Mastercard)が使用でき、QRコード決済(アリペイ、WeChatPay、d払い)に対応している。そして7月からはLINE Payにも対応した。
そして、そろそろPayPayも取り入れようかなという具合。
ライブハウスでは身軽な人が多いので、あまり現金を持っていないことが多い。
お目当てのバンドの物販分くらいしか持っていないけども興味を持ってくれた人がいたとして、現金が無いから買えないのは勿体ないじゃん。
という事でキャッシュレスをバンドの物販に導入しています。割と好評をいただいているので導入して良かったと感じている。
今後も色々な種類の決済に対応していくようにする予定。
皆様はいつ頃導入しますか?もしくはもう使っていますか?
*1:機械を使ってクレジットカードの情報を抜き取ること。不正利用や偽造カードに流用される。