ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

自家製漬け物のすゝめと、2024年漬け物問題と、HACCP基準

野菜がダブついたら、漬け物を作ると良い。

しなびてしまうよりも漬け物にすれば長持ち。そしておいしい。

 


先日、冬の白菜を使ってキムチを拵えた。

自分でヤンニョムを作り、白菜を丸々漬け込んだものだ。

丸々といっても1株だと葉がめくれないので、1/4カットのことを丸々(ポギ)と呼んでいる。1/2でも大きすぎる。漬け込むときの白菜のMAXの大きさが1/4カットなのだ。厳密には丸々とは呼べない気がするが、それは今回の主題では無いため、どうでもいいし割愛する。

 

 

詳しい作り方等はこちら。

kitchen.neko-labo.work

 

なお、こちらのキムチは衛生的に作ればかなり長持ちする。

このブログを書きながら今つまんでいるこちらのキムチは、まさにこの時のキムチ。かれこれ4週間が経過しているが、腐敗臭などは一切無い。漬け物、強い。

気が向いたら作ってみると良い。自分で作った漬け物はより一層おいしく感じるものだ。

 

さて、そういえば漬け物界隈では今年から「道の駅等での個人販売の漬け物が大打撃を受けて激減する」というニュースがまことしやかに囁かれているのだが、ご存じだろうか。

 

これは食品衛生法が改正されたことによる。食品を製造、加工、調理、販売をするすべての食品関連事業者はHACCP基準という食品衛生上の基準を満たす必要が出た。

HACCPについてはこちら。厚生労働省のサイトのHACCPのページなので、やや内容は専門的かもしれない。

www.mhlw.go.jp

食品衛生法の改正についてはこちら。前回の改正から15年が経過しており、より現代にフィットさせるための変更となる。何も弱小零細生産者に対して意地悪がしたいわけじゃなく、より安全性を高めることが趣旨だ。そりゃそうだけど。

www.mhlw.go.jp

 

 

どうしても零細企業や個人的な出店では衛生基準などが曖昧になってしまうことがある。ある程度ムラが出たりルーズになるのは理解できる部分だが、食事として他者の体内へと直接入るもののため、衛生管理を行っていないと甚大な事件のトリガーとなりかねないのは事実であり、常に付きまとうリスクでもある。

 

少し前にも個人事業の洋菓子店が食中毒を出したのは記憶に新しい。

ニュースやSNS等に出ていた状況からHACCP基準に照らし合わせれば、至らない点は多かったのではないかと見受けられる。

HACCP基準では調理場の衛生管理から食材の保管や調理中~調理後の状況管理まで記載があり、すべてを満たすには個人宅程度の設備では難しいかもしれない。

www.sponichi.co.jp

 

ここで先ほどの自家製漬け物の話に帰ってくる。

例え調理師免許を持っていようが食品衛生責任者の資格を持っていようが、自分の調理場が完全にHACCP基準を満たしているかどうかは消費者には分かりえない。

もしかしたらすっごい不衛生な場所で作っているかも。というわけで消費者はこのHACCP基準に即しているかどうかを見ることで、ある一定の安心感を得ることが出来ると思われる。

このHACCP基準は一応2021年6月に完全施行済みだ。保健所が飲食店などに対して抜き打ちで調査に来ることもある。

 

このHACCP基準だが、今まで個人の台所で作っていた昔ながらの製法の漬け物はこの基準を満たすのが難しいものもある。

それゆえ、個人で漬け込んで販売しているような伝統的な漬け物が消滅するかも、と話題になっているのだ。

 

(※画像はイメージ)

 

しかし、もちろん道の駅等も自家製漬け物が消えゆく未来を指をくわえて待っているわけではない。

例えばHACCP基準を満たした共同共有の設備を用意したり、材料だけを買い取って後は工場で加工を行ったりと、対策を講じている自治体が多い。

本当に個人で制作して販売しているような方は厳しくなるが、基本的に道の駅などの販売所を通じている場合は何かしらの対応措置はしており、直ちに道の駅の漬け物が消えていくわけでは無いのでご安心を。

 

とはいえ、厳しくなる基準に合わせるための負担が生産者と作り手にのしかかるのは確か。

無くなってほしくない古き良き文化と、安全・安心で衛生的な食品を選びたい思いとの二つの点。良いポイントで交わることが出来続けると良いなと思っている。

危険なものを買ってまで食べたくないしね。