ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

LUSHでスイカの形の石鹸を買った話

色々と好きなブランドはあるんだけど、最終的にLUSHに帰ってきがち。

 

高校生の頃、(ま)せたクソガキだった僕は初めてLUSHと出会った。ろくろく自分で稼いだ金でもないくせに小遣いの多くを注ぎ込み、親から注意されるも聞く耳を持たない嫌な子供だった。

当時は「自分の金だし、もう高校生なんだから自分の好きに使わせてくれ」と思っていた。今考えるとバイトもしていない脛齧りの小童が何を偉そうに、という感じなのだが。

 

しかし、しばらくLUSHから離れていた時期があった。
ひとしきり各製品を楽しみつくし、他にも興味深いブランドの情報を得ては色々な方向へと飛び込んでいった。

渡り歩いた中ではTHE BODY SHOP、ロクシタンも気に入っている。キールズは品質は良いんだけど、ハマりはしなかった。イニスフリーはコストパフォーマンスに優れるが、何かが物足りなかった。

このように色々と旅をして、結局戻ってきてしまったLUSH。

 

LUSHの良いところは「何だかんだ質が良い」である。この「何だかんだ質が良い」は僕の中で非常に大きい価値観となっている。

具体的に言うならば、食事に関しても少しばかり高くても何だかんだ質が良い物を好む。
衣服に関してもファストファッション的なロープライス品よりも物持ちが良さそうなある程度名が通っているブランドを選ぶ。こういったものは少し高いが何だかんだ質が良く、結果買いなおすよりも最終的なコストで見ればお得だったりすらする。

ソープ「サマーフィーリングスライス ソープ」

今回買ったのは「サマーフィーリングスライス ソープ」

直訳すると「夏気分のスライス石鹸」だろうか。なんだそれ、って感じだけど見た目が完全に夏気分なので納得。

ああ、これは確かに夏気分。

ちなみに英語版だと「Watermelon Slice」となる。直訳すれば「スイカのスライス」と日本版より直接的。

スイカを夏に食べるのは日本だけではないらしい。むしろ日本のスイカの生産量は世界的に見ればわずか0.4%程度。少ない。ちなみにアメリカは日本の4.5倍生産しているし、世界一位の中国は世界全体の79%を栽培している。
生食したり、スムージーに入れたり、皮に近い部分を料理に活用したりと色々な活用法がある。

 

チャリティの側面

この石鹸は、得た利益の100%がパレスチナの子供たちへの寄付となる。

パレスチナで何が起こっているかと各国の関係性はここでは言及しないので、色々な資料を漁ってほしい。僕は特定の派閥の肩入れはしないが、悪い試みではないなと思ったまで。

 

今回はたまたま気になった夏らしい石鹸がこういったチャリティの一面を持っていただけに過ぎない。

そういう意味でも日本名が「サマーフィーリングスライス」なのは良いネーミングだと思う。

 

なんでスイカ?

英語名は「Watermelon Slice」だから良いとして、「サマーをフィーリングさせるだけなら別にスイカじゃなくても良かったのでは?」と思うかもしれない。

その通り。胡瓜でも良いはずだ。キューカンバーだって世界中で栽培されている。他のフルーツや野菜を素材にしても良かったはずだ。

 

しかし、実はスイカとパレスチナには深い関係がある

いわゆる中東地区では水分を豊富に含むスイカは重宝され、盛んに栽培もされてきた。そのため、そもそもスイカと中東地区には結びつきがある。

 

パレスチナはかつての第三次中東戦争(1967年)で相手国に旗の使用を封じられた時期があった。

「シンボルの使用禁止」は抵抗させることを禁じる精神的な抑止力を持つ上、罰則もあったため、パレスチナは自分たちを表すマークを必要とした。

 

ここでパレスチナの国旗*1を見てほしい。

赤、黒、白、緑の4色を使った旗。

そう、このカラーリング、スイカと一緒なのだ。

ここから、パレスチナを表すシンボルとしてスイカが用いられるようになったという背景がある。

 

そのため、このチャリティの石鹸はスイカを模しているのである。

 

成分

石鹸として成り立たせるための成分として「石ケン素地」「PG」「」「酸化チタン」が入っている。

LUSHの石鹸は1/3が「洗浄成分」、1/3が「保湿成分」、残りの1/3が「フレッシュな原材料」と言われている。*2

いくらフレッシュでも汚れが落ちなければ石鹸としての意味合いとしては本末転倒だし、かといってケミカル過ぎても肌にも地球にも優しくない。絶妙なバランスなのだろう。

 

香り成分としては「ベルガモット果実油」「ダマスクバラ花油」「香料」を含む。

直接的にスイカの香料が入っているのかは分からないが、非常にスイカらしい青っぽい瓜の香りがする。苦手な人は苦手かも。

スイカ種子オイルも入っているが、種子からはスイカの香りは採れない。

熟したメロンのような香りに、ローズの甘いフローラルノートをブレンド」と言っている*3ので、何かしら瓜科っぽい香り(「メロンのような」なのでメロンも入っていないと思われる)+ダマスクバラ+ベルガモット+その他を合わせて何かうまいことやっているのだと思う。

 

保湿成分として「スイカ種子油」「アマ種子エキス」が入っている。

多くの植物の種子の中からはオイルが抽出でき、保湿効果がある。有名なところだとゴマ、オリーブ、ヒマワリとかがイメージしやすいはず。

 

着色料として「黄203」「青1」「赤104(1)」が配合されている。

経口摂取しないから過剰に気にする必要は無いが、経皮吸収はゼロではないため、気にする人は気にするのかも。

緑色の石鹸と赤色の石鹸と白い石鹸を作り、後からドッキングさせているのだろう。

 

なお、アマ種子をスイカの種に見立てて配合している。

もちろん種子自体は泡立たないため、使っているうちに排水溝へとグッドバイしていくという逃れられない運命にある。ほぼ見た目のみの存在だが、軽いスクラブ要素とも取れるかもしれない。

 

使ってみる

包装紙を取るともうスイカ。部屋中スイカ。「部屋でスイカ割りした?」ってくらいスイカ。

数日すれば鼻はすっかり麻痺するので大丈夫(大丈夫ではない)

というのは半分冗談だけど、香りのうち揮発しやすいものはどんどん空気中に放たれてどこかへ行ってしまい、香り立ちはマイルドになる。

使うと内部に隠れていた部分が表に出てくるからまた香りが立つんだけどね。

 

泡立ちも良く、使いやすい。

少し柔らかいので力を入れすぎると折れそうだが、そもそも石鹸を使うのにそんなに力を込める人も居ないだろうし、普段使いには問題無いレベル。

オーガニックを謳う石鹸の中には固すぎて使いづらかったり泡立ちが悪すぎて結局石鹸としての使用体験を損なったりするものがしばしば。LUSHはあんまりそういうのが無い。石鹸作りは全然分かんないけど、厳しい制約の中で突き詰めていくのって難しいんだろうな。きっと。

 

スイカの皮の部分は色素が強く、スポンジやタオルが緑になる。手で泡立てると、肌の色が一瞬シュレッ○クみたいになって焦る。

ここも別に気にならないレベルではある。

 

この石鹸の製造風景が気になるなぁと思ったりする。

きっと三角柱の形に仕上げたものを切り分けていくんだろうけど、円形だとよりスイカらしくて夢があるよなぁと思うなどする。

 

www.lush.com

 

*1:日本はパレスチナを国家として認めていないため、厳密には"国旗"と呼んでいいのか微妙なところである。国際的に見れば国家承認国は145、国家非承認国は48国となる。

*2:参考:固形石鹸が有効な5つの理由 | LUSH

*3:参考:サマーフィーリングスライス ソープ | LUSH