台風って全部名前が付いていまして。
最近だと特にネットニュースだと名前付きで紹介している場合が多いので、なんとなく名前がある事を知っている人は多いのかも。
そもそも"台風"とは
台風(Typhoon)とは簡単に言えば熱帯低気圧の一種。
熱帯――つまり日本から見ると南の海域で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼ぶけども、この中で下記の条件を満たすと台風になる。
- 赤道より北、東経100度~180度線(日付変更線)
- 低気圧内の最大風速が17.2m/秒を越える
台風の定義
発生場所
実は発生した場所によって名称が変わる。
台風となる「赤道より北」かつ「東経100度~180度」はこんな感じ。
(日本の観測は北限が北緯60度まで)
北半球でこの範囲以外のものは「ハリケーン」と称され、南半球の多くの地域では「サイクロン」と呼ばれる。
台風がこの海域から脱出するとサイクロンやハリケーンに変わるし、逆にハリケーンやサイクロンがこの海域へ侵入すると台風へと変わる。
風速
風速は毎秒17.2m以上で台風となる。
中途半端な数値なのは、昔「ノット」が使われていた名残りで、日本独立後の昭和28年に"33.5ノット以上=台風"と定義づけられたため。(34ノットや33ノットにしなかったのはメートル換算時の四捨五入の関係)
台風の発達と衰弱
学術的な難しい話は置いておくとして、台風は熱をエネルギーに発達している。
温暖な海面から発生した水蒸気が雲の元になるときに熱が放出される。台風はこの熱をエネルギーにしている。
海面や地上との摩擦で常にエネルギーは失い続けているものの、海水温の高い熱帯地方では台風が得るエネルギーの方が上回るため、台風は発達し続ける。
台風が北上し、海水温が26度を下回る地域へと侵入すると勢力は下降へと向かう。その後、上陸等により更に勢力を落とし、最終的には他の前線との兼ね合いや衰弱等の理由により温帯低気圧へと変わる。
台風の名称
台風には全てに名称が付く。
熱帯低気圧が台風となった時点で名前が付けられるようになっている。
つまり全ての台風の号には名前が付いているという事。
台風の名前について
名前は全部で140個用意されていて、それを発生順番に沿って割り振られていくことになっている。
実は制定されたのは2000年の事。それまでは英語名だったものが、アジア各国+米国の計14か国による命名に替わった。
名称変更、引退も
基本的には140個の名前でローテーションされ、141個目にはまた1番目の名前を使うことになる。
ただ、甚大な被害をもたらした台風の名前については以降使用しない事となる。その場合、次のローテーションには新たな名前が組み込まれることとなる。
各国独自の名称も
例えば日本では特に被害の大きかった台風は独自の呼称が付く場合もある。
有名なのは1959年の「伊勢湾台風」。
そもそも日本だとニュース等でも号数での呼び名の方が一般的ではある。
フィリピンでもアジア名ではなく独自の名称が一般的に多く使われるらしい。
2019年の台風の名称
2019年は34番目のパブークから始まっている。
7月中旬、ニュースで話題になっている台風5号はダナス。38番目の名称となる。
台風の名称に注目してみるのも面白いのかも。