スクラブの入った洗顔料や肌用洗浄料は各メーカー様々多種多様有象無象魑魅魍魎、って感じで銀河系の星の数ほどの種類がある。
世にこれだけの種類のスクラブがあるということは、皆求めるものが違うのだ。
効果・効能、価格、肌へのダメージ、爽快感、と何を取るのかで大きく変わる。
同じスクラブなのにね。統一できず、どれも良い所があり、悪い所がある。政党みたいだね。
スクラブの種類
まず、スクラブとは
そもそもスクラブとは何なのか。scrubとは磨く、ゴシゴシ洗う、という意味合いがある。一般的な広い「洗う」の意味を持つwashよりも狭義であり、そしてパワーがある。
何か固いものや道具を使ってゴシゴシするイメージだ。
というわけで、洗浄料にビーズや何かしらの細かな固形物が入っているものがスクラブと呼ばれる。
製品に「スクラブ入り洗浄料」と書いてあれば、なんか細かい粒が入っている。
(ここから転じて、スラングとして「(まるでスクラブみたいに)小さい奴」の意味も。更に転じて「ちっぽけな奴」「つまらん奴」という意味もあるとか。)
物理的・化学的
物理的
一般的にスクラブといえばこちらをイメージする人がほとんどだと思う。
例えば細かなプラスチックで作ったマイクロビーズを配合し、細かい摩擦で肌をスクラブするもの。
ただし、最近は脱プラスチックの流れやマイクロプラスチックを食べた海洋生物を人間が食べてしまうという問題が周知されてきたことにより、随分とネガティブになってきたように思う。
砂糖や塩等の自然由来の物質を使ったスクラブはLUSHやSABON等を始めとして色々な所でお目にかかることが出来る。
どちらも環境への負担が少なそうだ。砂糖と塩だし。
ただ、砂糖のスクラブは砂糖の性質上乾燥に弱く、乾燥するとゴリゴリに硬化するため、保管に注意を要する。でも舐めるとおいしい。
塩のスクラブは比較的安価でも調達(もしくは合成)が可能であり、岩塩・海水塩などに始まりあらゆる塩を見かけることが出来る。モロッコの岩塩とか死海の塩とか。
他にも何某の種子を砕いたものを配合したりして。自然由来のスクラブとなる。ただし素材が鋭利過ぎると肌は簡単に傷が付くので、ある程度サイズの均一化や研磨をせねばならず、恐らくコストは上がるものだと思われる。
化学的
こちらはスクラブと言うよりピーリングと呼ばれることが多いかも。
いわゆるAHA*1が使われることが多い。AHAの中でもリンゴ酸、クエン酸、乳酸等様々な酸があり、酸の働きで古い角質を剥がれやすくするようなスクラブ効果がある。
スクラブ、ピーリングと呼ばれるものには物理的なスクラブか化学的なピーリングのどちらか、もしくは時に両方が使われている。
メリット・デメリット
LUSHが推す物理的スクラブの肩を持ちたいところだが、物理的なスクラブにも化学的なピーリングにもメリットとデメリットがある。
例えば、表皮の角栓除去が重要であるニキビ対策に於いて、AHAの化学的ピーリングは有効なアプローチとなる。
尤も、配合濃度に気を配る必要がある。濃ければ良いかというと、そうでもない。必要以上に角層表面や不要な角層を剥がしとる必要は無い。
配合が過剰だと、本来持っているはずのバリア機能や水分保持機能をも剥がしてしまうことがあるため、前後の適切なケアが肝要である。
物理的なスクラブの方が一般的には肌に優しいとされるが、力の入れ具合によっては肌に負荷がかかる。
化学的ピーリングは粒が視認できないことが多い分、普段の洗浄と変わらない使用感となる。
まぁ物理的なスクラブが入っているとどうしてもゴシゴシしてしまいがちなのは分かる。
ボディタオルでゴシゴシしてしまう人は物理的スクラブでもつい力を入れてしまいがちだ。
塩、酸などを用いたスクラブやピーリングは肌に染みることがあるため、肌が弱い人には不向きかもしれない。
求める効果や価格、使用感、自分自身の使用スタイル等から総合的に判断して選ぶと良い。
ボディスクラブ「タートル・パワー」
申し訳ないくらい原作を知らなくて恐縮なんだけど、LUSHと「Teenage Mutant Ninja Turtles」とのコラボらしい。
固形のボディスクラブ
石鹸みたいな見た目だけど、固形タイプのボディスクラブとなる。
例えばパワーマスクみたいなドロッとした半液体のテクスチャが一般的に多く見られるけど、そんなスクラブをもう少し固めて容器無しでも安定出来るようにしたのがこちらとなる。
濡らした素肌に滑らすようにして当ててスクラブ出来る、というもの。
だが、LUSHのこういった固形スクラブは非常に溶けやすく、そして脆い。
予め砕いておいて使用分だけお風呂場に持ち込むようにするのがベストな気がする。
それでもなぜわざわざ固形にしたかといえば、恐らくプラスチックの使用量を減らすためだろう。
成分
スクラブの主成分となる海塩が最も含有量が多い成分となっている。
他は何やら馴染みの薄いスタバの呪文のような植物の名前が並ぶ。
- ショレアステノプテラ種子脂・・・イリッピバターと呼ばれる、フタバガキ科の植物の実から採れるバター。シアバターと成分が似る。
- バンブサアルンジナセア茎エキス・・・バンブー(竹)の品種の一種。アルンジナセア竹とでも呼ぼうか。この竹の茎から抽出したエキスで、肌に良いとされるシリカを豊富に含む。
- アストロカリウムムルムル種子脂・・・ムルムルバターと呼ばれる。ムルムルヤシの木から採れる、いわゆるヤシの実から抽出したバターとなる。ハンドクリーム、ヘアクリームにも保湿成分として使われたりする。
- ガルシニアインディカ種子脂・・・コクムバターとも呼ばれ、インド原産のコクムという木から採れる種子から採れるバター。肌に触れると溶け出すほどの融点の低さと保湿性が特徴。
他にも保湿に有効そうなヤシ油、シア脂(シアバター)、ホホバ種子油を配合。
ニュウコウジュ油(フランキンセンス)は香木として古くから愛用されてきた木から採った樹脂。ウッディでオリエンタルな落ち着いた香りも然ることながら、肌には収れん作用も期待できる。
香り成分としてベルガモット果実油も入っている。特徴的な爽やかさを持つ柑橘類。
あとはスクラブの補助成分や着色料、ラメ成分など。
使うときの留意事項
先ほど触れたように、非常に溶けやすく、そして脆い。
だが、砂糖主体のボディスクラブよりはマシである。前に使ったことのあるLUSHの砂糖のスクラブは酷かった。浴室の湯気でどんどんボロボロと崩壊していくのだ。そのくせ砂糖だから湿度が低いとゴリゴリに硬くなってしまう。それよりはマシ。
とはいえ、必要分だけを持ち込むようにするのがベスト。ジップロックか何かに分けておくと良いのかも。
肌を濡らし、このボディスクラブもちょっと濡らす。乾燥していると摩擦が大きくなってしまい肌を痛めるので、ちょっと濡らしておくと良い。
ボディスクラブの砕いた面は鋭いので、外周などの丸くなった面を肌に当て、力を入れないようにして滑らす。力を入れてゴシゴシしたくなるかもしれないが、撫でる程度でも十分。
週に1回~2回程度のちょっとスペシャルなケア、という感じじゃないともったいない価格かも。尤も、スクラブを毎日使うのは肌に良くないし。
1個で2,200円なので、値段的には10回くらい使いたくなる価格かもしれない。
とはいえ、ケチケチ薄く伸ばして使うのも効果が薄い。特にフェイスマスクやヘアパックなんかがそうだが、あまりに少量ずつしか使わないのも効果が発揮できず逆にもったいない。
規定量があるものはその定めを参考に、そうでないものはケチりすぎず、という具合で使うと良い。
個人的な感覚だと、ポイント使いなら5~20g程度、なので7回分かそれ以上くらいにはなると思う。
でも贅沢に使うのだ。自分へのご褒美として。何もしてなくてもいいじゃない。自分を甘やかすのだ。
*1:α-ヒドロキシ酸。フルーツに含まれていることが多いのでフルーツ酸とも呼ばれる。