「大阪」「串カツ」と言われれば、名古屋人が思い浮かべるのは9割方「串カツ田中」だろう。
これは讃岐うどんのチェーン店を聞かれれば「丸亀製麺」との回答が多いくらい自明なんだけど、まぁ本場の方々に認められているのか云々はとりあえずさて置くとして、全国区へと押し上げた点では功績は大きいと言える。
ちなみに本場大阪…というか大阪での扱いもB級グルメ的なものであり、たこ焼きのようなソウルフードとはちょっと様相が異なる。
ちなみに大阪は新世界に行けば串カツチェーン店がたくさんあるので、本場を味わうことが出来る。「元祖」や「本家」などが立ち並び、ちょうど名古屋で言う手羽先や味噌煮込みうどんのような塩梅。
大阪の串カツといえば…
大阪の串カツは他の何が違うのか…という事になるんだけども、まずそもそも関東圏で串カツと言えば「玉ねぎと豚肉を交互に串に刺して揚げたもの」となる。他の物は「串揚げ」と呼ばれる。
名古屋で串カツと言えば、もちろん味噌串カツとなる。こちらは豚肉を使ったものが多い。
大阪の串カツは切り分けた具材をそれぞれ串に刺して揚げたもの全般を指す*1。
あとは「二度付け禁止」もおなじみ。大阪串カツのお店へ行ったことない人にすらこのルールは浸透していたりもする。
ソースは卓上の容器ではなく、深めの容器にたっぷりと入れられた状態で出てくる。もちろん使い切れる量ではない。故に衛生面から二度付けはダメ、というわけ。
ちなみにソースはさらさらとして粘り気は無い。これも大阪串カツっぽさ。
パン粉はきめ細かく、ザクザク感は無い。これはソースとの馴染みを考慮しているのかもしれない。もしくは剥がれてソースに入りにくいようにするためか、はたまたその両方か。
あと、お通しとしてキャベツが出てくるのも特徴。
キャベツはソースに付けていただく。また、ソースをすくって串にペタペタっと塗る事も出来る有能アイテム。二度付け出来ないからキャベツをハケ代わりに使うのだ。
さながら寿司屋さんのガリのような。軍艦巻きに醤油を付けたいときは刺さっているキュウリを取り出して醤油に付けて戻すか、もしくはガリに醤油を浸してペタペタと塗るのです。
軍艦巻きは決してそのまま掴んで底面を醤油に付けてはなりませぬ。酢飯に醤油を付けると酢の風味が損なわれたり、型崩れの原因になるのです。
ちょっと話は逸れましたが、この辺が大阪串カツの特徴と言えるところ。
立地
最寄り駅としては伏見なんだけど、名駅と伏見のほぼ中央に位置する。いわゆる納屋橋のあたりのエリア。
このお店がある納屋橋の北部はチェーン店が少なく、創作料理やフレンチ等のお店が多い。もろにビジネス街でありビジネスホテルも多いので、当然客層としても会社勤めの方が多い。
駅からやや歩く必要があるので、近隣に用事があったり近くに勤めている等が無いと利用はしづらいかも。
お店の場所は見つけやすい方。
外観
1階にあるって良いね。分かりやすい。
まだオープンして間もないようで、全体的にフレッシュな印象。
入りづらさはそんなに無く、外からも店内の様子は伺える。
店内
店内を入るとカウンターが並ぶ。その奥にはテーブル席、という具合。
カウンター席がギリギリ空いてたので座れた。やや手狭な席なので、荷物が多いと苦労しそう。
結構混みあっていて、僕の後に入店した方は断られていたくらい。それでも時間帯は20時頃なので、もっと前の時間はもっと混んでいたのかもしれない。
…と考えると、確実に入るには予約が必要かも。
食べてみる
席に掛けると、おしぼりやお通しのキャベツ、そしてソースが出てくる。
お通しのキャベツは200円で、おかわり自由。大人数で来てる方ならお替りするもよし。1/8玉ほどあったので、僕的にはおかわり無しで充分。
串ものの注文には、卓上のメモ用紙を使う。
メモ用紙に食べたい串ネタを書いて渡すシステム。天ぷら屋さんやお寿司屋さんみたい。
ちなみにそれ以外の注文は口頭で。書かずに直接串ものを注文する方もいらっしゃったので、その辺は臨機応変な感じなのかな、と。
串ものはオーソドックスな牛・豚・海老あたりはもちろんのこと、創作串も数種あった。とりあえず今回は王道系で攻めてみる事に。ちなみにおまかせで出してくれるメニューも選択できる。
海老はもともとのネタが良いんだと思う。かなりプリプリ。赤海老…かなぁ。
ししとうは数本が縦に束ねられている。横向きじゃないの、新鮮。
うずらは提供時に「そのままどうぞ」と言われる。
串によっては味付けや特製のタレが塗られているものがあり、そういうネタはそのまま頂く。
中はちょい硬めの半熟。垂れない程度。
アスパラを丸々揚げた串。そこまで太さのある物では無いけども、シャキシャキしてアスパラの味も楽しめる。
牛・豚は安定の味わい。何本でも行けそう。揚げ油のあっさり感を感じる。くどかったり油が悪いとモタれるからね。
豚と玉ねぎを刺した「豚玉」も。関東圏の方には馴染みがあるであろうネタ。
鶏ハツはやや硬めに揚げられていて、ジューシーさは損なわれているものの、旨味はある。もう少しもちもち感がある方が好み。
一番おいしかったのは真鯛かもしれない。塩加減がいい塩梅。
どて煮を食べようか悩んだけども、色々と串を食べたので。
大阪串カツといえばどて焼きなんだけど、やっぱり土地に合わせてどて煮にしたのかな…。出張な方も多いだろうし。
他にも季節限定と思しき串ネタのメニューも壁に貼ってあったり。秋鮭…気になったんだけどこちらも頼まず。
全体的にしっかりと素材の味も感じる事の出来る串カツだった。
ビジネス街にある立地ながらも非常にリーズナブルでコスパも良い。
ショップデータ
大阪串かつ 大はし
営業時間
17:00~23:30
定休日
不定休
住所
愛知県名古屋市中区錦1-16-9
メニュー(抜粋)
・串カツ…¥100~¥300
・逸品…¥300~¥600
※本記事の内容は2019年9月現在のものです。
*1:元々は牛肉の事だけだったらしいけど、諸説あり