最近「ライブハウス離れ」が進んでるんだってさ。
やだやだ、そうやって何でも「●●離れ」って。やれテレビ離れだの、やれ活字離れだの。
しかしライブハウス離れは僕にだって密接に関わる問題ですし、ちょっとそのまま放ってはおけない。なので、ここで僕がずらずら―っとライブハウスがいかに良いところなのかをプレゼンしようと思い、こうして筆を執らせていただいた。
とはいえ、中には「え…ライブハウス離れ…そうなの…?」ってキョトンとされる方もいると思う。
そんな人はきっとライブハウスの救世主たち。出演者たちが特にアクションをせずともライブハウスへ通い、ライブハウスへ行ったことの無い新たな人たちを引っ張り込んでくれたりもする。素晴らしい。もう足向けて寝れないな。いつもありがとうな。
「ライブハウス離れ」とは――?
そもそもライブハウスに行ったことが無いって人はとりあえずここでは問題にしないとして、今回はどちらかというと「1回行ったことあるけども、別に音源で良くない?映像だってYouTubeに落ちてるし…」的な人にフォーカスしようと思う。
つまり一度ライブハウスへ来た事があるけども、他にメリットを感じてしまったかライブハウスに対してデメリットを感じてしまったかで足が遠のいてしまっている層。
いやぁ、勿体ない。ぜひ一度考え直してもらえないだろうか。
これは僕が出演者側の人間だから単に「来てほしい」って言ってるわけではなく、「音源やYouTubeと比較したらライブのほうがオススメだよ」と言いたい。そこに特に利権は関係無いし、アマチュアの出演者なら収益だけで比較すればライブよりもYouTubeの方が見込める説だってある。
枕はこのくらいにして、さっそく理由をこねていこうと思う。頼むからどれか刺さってくれ。
ライブハウスをオススメする7つの理由
理由①:爆音で聴ける
ライブハウスでは、まず日常で味わえないレベルの大音量で演奏を聴くことが出来る。
家でその音量を再現するには、まずそのボリュームに耐えうるスピーカーを用意するところから始めないといけない。いや、その前に防音性能かな…。
どちらにしても爆音で聴ける環境の整った場所ってそう多いわけでは無いし、爆音で演奏が聴けて音の波を全身浴びられるのは立派なメリットだと考える。
理由②:五感を使って楽しめる
分かりやすいのは目と耳。聴覚はもちろんのこと、目で見ても楽しめる。楽器があったりパフォーマンスが見れたり。
ライブハウスらしい香り(まぁあんまりいい匂いじゃない事の方が多いけど)だって、ふとした時に思い出したり、その香りに慣れ過ぎていつしかライブハウスへ行くたびに「ただいま」って気分になったりすることもあると思う。
あとは手拍子したりとか、あるじゃん、いろいろ。目と耳だけじゃないでしょ?
理由③:最高の機材で聴ける
街を歩いてるとたまにオーディオ機器専門店ってあるじゃん?
なんか小さな箱が何十万、何百万…って。そりゃあ音良いに決まってるじゃんね。
実はなんとライブハウスの機材、何百万もするのです。きっと意識したことないでしょ?
スピーカーだって一個で何十万もするし、よく見たらライブハウス内に何個もあるじゃん。それに楽器やアンプに…そう、ライブハウスには高級な機材が取り揃えられているのです。
そう考えると、家で音楽を聴く環境よりも機材が良いわけだから当然音質だって良い。しかも音量だってデカい。
もしかしたら経験あるかも知れないけど、小さいスピーカーってある程度以上にボリュームを上げると音が割れちゃうんだよ。でもライブハウスのデカいスピーカーは大音量にも耐えうる。ラウドにもメタルにも耐える。この「音の割れなさ、割れにくさ」ってオーディオ上では大事な指標で、どれだけ音量を稼げるかがそのまま値段にも出る。
だから意外にもライブハウスって最高のリスニング環境なんです。
理由④:CD/YouTubeよりも音質が良い。
これが僕としては大穴で一番推したい理由。
CDの音質って16bit/44.1kHzなんですよ。詳しい意味はググってもらうとして。
音質の指標として「bit」と「Hz」があって、CDは「16bit」で「44.1kHz(=44,100Hz)」って事。ちなみに最近何かとプッシュされているハイレゾ音源は「24bit」「96kHz」。
でも。ライブハウスってそもそもそういう定義が無いわけで。
厳密にはミキサーや通った機材によってちょっと圧縮されたりもするけど、それでもCDやその他媒体向けに圧縮されるよりも全然音質としては優れている。
レコーディングを考えてみると、楽器をアンプに繋ぐ所から始まって本当に多くの機材を通して通して通しまくって最終的にCDとしてパッケージしたりするわけで。それに対してライブなんて、ギター→アンプ→どーん!でしょ。シームレス、ダイレクトに音が届くわけだし、もちろん音質も良い。
CDやYouTubeなんかの音源よりもライブハウスの方が音質が良い、って意識したことありましたか?
これが今回の記事の僕の中での主題と言ってもいいくらい。
理由⑤:生演奏やパフォーマンスが見れる
これは視覚にも通ずる部分だけど、生の演奏やパフォーマンス・動きが見れるのってやっぱりアドバンテージだな、と。
仮に大人の事情で演奏していなかったとしても、でもその時のパフォーマンスってその時限りでしょ。音源はいつでも完璧だけれども、ライブにはミスやヨレだってある。それもその時限り。
同じ演目の公演があったとしても、その時の息遣いや動きはその時限り。全く同じ公演は無い。というか、再現しようとしても再現できない。
理由⑥:ライブならではの一体感
ライブは一人で見る物じゃない。お客さんが自分一人しかいない場合は一人で見る事になるけども。会場に居る面々は同じ音楽好き、ひいては同じお目当てを見るために集まった同志たちだ。
そんな人たちと同じ音楽を楽しむ。素敵。一緒に手を揚げたり声を出したりジャンプしたり。それってライブでしか味わえない一体感だよね。
そして会場で仲間や友達が出来たり。コミュニティーの場としても有効なライブハウス。大丈夫、周りはだいたい人見知りだから。だいたい同じような奴らだって。すぐに慣れるはず。
理由⑦:+αがある
ライブハウスで楽しめるのはライブだけじゃない。
インディーズやアマチュアならば、終演後には会話をする機会だってあるかもしれない。
その場でCDやグッズを買える、いわゆる「物販」が会場内に設置されていることもある。それこそインディーズやアマチュアバンドや地下アイドルなんかだと物販にスタッフのみならず本人たちが並んだり、そもそも本人たちだけで取り仕切るときだって少なくない。
他にもライブハウスに貼ってあるポスターを眺めてみたり、月間スケジュールを見てみたり。ライブハウス近くのラーメン屋さんを探してみたりさ。
これは絶対家では出来ないプラスアルファの楽しみ方。遠征の醍醐味にもなり得る。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ライブハウスへ行きたくなりましたか?行きたくなっててくれ。なってないならもう一度読み直してくれ。頼む。
ライブハウスが暗くて狭くて怖いところ、なんてのは過去の話。
今時すぐにツイッターとかで口コミが回る時代。そんな怖い人なんてすぐ排斥されちゃうし、それでライブハウスも評判を落としたくないので、そういう部分は案外徹底してたりするよ。
分煙のハコも増えました。ライブハウスなのに空気がクリーン。僕なんかはライブハウスの空気が綺麗だと逆に違和感を覚えちゃうけども、でも分煙は賛成です。
ライブを楽しむ人が増えてくれると嬉しいな。
僕としてはライブって「演者とお客さんの反応のし合い」というか、いわば「対話」のような物が楽しめる場所だと思うのね。
演者が煽ってきたらそれにレスポンスして、それを見てさらに演者がレスポンスして…みたいなさ。みんなで作り上げてる感、良くないですか?
それが無かったらガラス越しの動物園と一緒。反応が無いのならば映像とも同じ。
ライブという物が多くの人の趣味になると良いなぁ。もっと気軽に、気楽に楽しめる趣味として、もっともっと浸透してほしい。