前に書いたんだけど、最近は何でも検索すれば学ぶことも出来るし、身に付ける事も出来るようになった。
よってライブをする敷居もかなり下がっていると思われる。
ライブをする方法だって検索すれば出て来るしね。
それ自体は僕は歓迎するべき事だと思っている。
狭いコミュニティでやるだけならその文化は縮小する一方だし、どんどん新しい風が入って強い人が生き残っていくのもまた自然な流れだと思っている。
ただ、ライブというものをする上でいろんな考え方の人がいるので、ちょっと言及しようと思う。
ライブをする人の考えは多種多様
この場合のライブは、楽器演奏でもダンスでも何でも良い。バンドもアイドルもパフォーマーもダンサーも芸人も、とにかくステージに立つならばすべて含む。
ライブをする人には色んな構え、モチベーションの人が居る。「何が何でも売れてやる!」って人も居るし、「楽しく出来ればそれでいい」って人も居る。
考え方や方向性がどんなものであれ、ステージに立つ事は出来る。だって同じバンドのメンバー間でもズレてる事があるくらいだし。この辺はさして今回の件では重要視しない。
近年出演に対する敷居が下がった事によって、この考え方の幅は顕著になってきている。
誰でも出演が出来るから、「ちょっとやってみたいな」って人や「お試し程度に」って人も出れる。
どんなモチベーションでも良いと思うし、どんどんやってほしいと思う。だってライブをすることは楽しいし、趣味にしてしまうのも悪くないと思う。
ただ、一つだけ言いたいのだけど、ライブを「お遊び」にはしないでほしい。
ライブはお遊びではない
ここでは敢えて該当する言葉として「お遊び」というものを使ったけど、別に楽しくやるのは構わない。プロを目指していなくても良い。
でも、ふざけてやるのは違うんだ。ステージ上でふざけるのは違う。その点は他の一般的な趣味とは異なる。
他の趣味…そうだな、例えばダーツやボウリングで仲間内でふざけてやるのは構わない。他人や施設に迷惑を掛けなければね。
でもライブって、他の趣味とはそもそも性質が違う。ライブは、自分たちがステージに立ってる様を「お金を払って」見に来ている人が居るんだ。
お客さんがいる趣味
つまり、お金を払って見に来ている人たちに対して、相応の対価に当たるモノを提示するべきだと思ってる。それはいくら趣味であろうと成り行きであろうと、真摯に取り組むべきだと思ってる。
それがステージに立つ環境をくれた人たちへの感謝の形でもあるし、ステージを見に来た人たちへの礼儀の形でもある。
ライブのステージはただの高い段じゃない。
物理的な高さ以上の意味がある。
みんな相応のプライドを持って臨んでいる物だと思うし、そうあるべきだと思う。
それは無料イベントであろうと、一人でも時間や交通費を使ってわざわざ見に来てくれている人が居る以上は意識すべき点だと思う。
もし本当の意味での趣味――つまり自分が満足するための趣味だったら、それは家や仲間内のみで一切他人を介さずにやっていてほしい。
例え自分が満たされる事が目的でステージに立ってたとしても、それってお客さんが満たしてくれているわけで。それに対してしっかりと態度で示さなければいけない。それが礼儀だと僕は考える。
僕はライブを演る側にも見る側にもなったことがあるし、施設のスタッフとしてもバンドのスタッフとしてもライブハウスへ足を運んだことがある。どの立場にしてもステージを見ていて「この人たち、自分の事しか考えられていないんだな」って人をたまに見かける事もあって、何か違和感を感じていた。
例え趣味であろうと一つのショーとして完成しているべきであると思う。おゆうぎの発表会じゃないんだからさ。
要は、みんなが幸せな気分になれば良い
とか言って、別に堅い話がしたいわけじゃなくて。
人口はどんどん増えてほしい。見る人も出演者も。どんどん大衆的になってオープンになって、間口の広い世界になってほしい。
人が増えれば、考え方が違う人だって増える。もちろん僕の考え方が絶対正解だとは思っていないし、考え方というモノ自体が簡単にまとめられるようなものじゃないって事も分かってる。
でもその上で、やはり自分たちや仲間だけじゃなく、わざわざ見に来てくれている人がいるわけだからね。その場にいる人全員がハッピーになれるような空間が作れると良いね。
そう、難しい話じゃないんだよ。
そこにいる全員が、もしくは全員は難しくても一人で多くハッピーな気分になれるようなライブにすれば良い。そんなライブに出来るような事を考えれば良い。
ライブが出来て楽しい人と、ライブが見れて楽しい人。みんなハッピーな気分になれるなんて、最高じゃないですか?