中華蕎麦とみ田。千葉県松戸に店を構えるラーメン店である。
2006年に富田氏によりオープン。東池袋大勝軒の創業者である山岸氏の弟子、田代氏の下で修業を積み、独立した形となる。つまり山岸氏の孫弟子にあたる。
つけ麺でその名を轟かせたとみ田。だが、ラーメンも取り扱う。
つけ麺もラーメンも濃厚な豚骨醤油に強烈な魚介系の味わい。
その味わいを求めて行列は絶えず、都心から離れた千葉県松戸市の店舗ながらその名を全国に轟かせている。
その名を一躍全国区へと押し上げたのは、2012年・2013年のつけ麺博の連続優勝だと記憶している。全国で数店しか選ばれない食べログアワードにも2017年から今年まで連続で受賞し続けている。
セブンイレブンとのコラボレーションによるカップ麺、チルド麺の功績も大きい。こういうコンビニとの強力なタイアップがあると、もはや本店の立地はさほど問題では無くなるかもしれない。どんな立地であろうと、来る人は来るだろう。
かの山岸氏が池袋を生涯大切にしたように、富田氏もまた松戸という街を大切にしている。
松戸市のふるさと応援大使にも任命され、ふるさと納税の返礼品にとみ田のつけ麺があったりもする。
今回のお取り寄せ品
「とみ田」のつけ麺
とみ田といえば、やはりつけ麺だろう。
事実、とみ田の公式サイトのお品書きでも「つけめん」が「らぁめん」よりも先に来る。
そしてその公式サイトではとみ田の商品を通販で購入する事が出来る。もしくは各OEMでの取り扱いもあり、色々な"とみ田"を手軽に味わう事が出来る。
お取り寄せしてみる
今回も銘店伝説の極魅シリーズより。これで4つ目となる。
■博多だるま
■ぜんや
■ホープ軒
封を開けると、今回も具材付き。
とみ田の極太麺、スープ2袋、そして極太メンマとチャーシューが付く。
スープが2袋に分かれている所はこだわりとして認識している。逆に1袋しかないからこだわっていない、とも思わないけども、今回で考えればどうせ同じタイミングで封を切って入れるものである。何故敢えて分けたのか、というところにこだわりが垣間見える様にも思える。
作ってみる
スープと具材は予め温めておく。
お湯をたっぷりと沸かし、麺を茹でる。極太麺のため、茹でるのには時間を要する。
麺を茹でている間に、小鍋でつけ汁を作る。温めておいたスープ2種を小鍋に開け、60ccのお湯で伸ばしてひと煮立ち。
麺の茹で時間は11分程度。茹で終えたらお湯を切り、流水でよく冷やす。
つけ麺のあつ盛り――つまり麺が温かい状態が好きな人も居ると思うが、その場合でも一度流水で冷やした方が良い。一度流水に当てる事で麺の滑りを取り、麺を引き締める効果がある。
温かい麺が好みならば、その後もう一度お湯で温める工程を取る。
お店によっては麺を流水に当てずにそのまま茹で上げたものを供する事もあるが、それはお店ごとの差異であり、決して間違っているわけではない。
つけ汁には青ネギを散らし、他の具材は別皿へと盛る事にした。
食べてみる
まずは麺をそのまま食べてみる。店頭で食べるほどの衝撃は無いが、自宅で食べる事を考えると贅沢感すら感じる味わい。
麺の開発に関してもかなりこだわったんだろうなと、容易に想像が及ぶ。
つけ汁のポタージュのような濃厚感。魚介が前面に出てはいるが、その奥には豚骨醤油がしっかりと支えている。
煮干しだけじゃなく、節の香りも効いている。これは調理中からも感じていた。実際に味わうと、ふわりと柚子の香りが現れる。これぞ隠し味。好みは分かれるだろうが、この魚介スープに柚子がよく合う。
実際に、つけ麺として頂く。
極太麺を箸で取り、つけ汁にくぐらせる。
つけ汁を纏った麺を啜ると、幸福感すら覚える。
名古屋人ならば、味噌煮込みうどんのような感覚で啜れるので違和感が無い。
しっかりとした歯ごたえとコシ、そして濃いめのつけ汁が合う。
メンマはシャキシャキとしていて良い。量は少ないながらもしっかりとした存在感を持つ。
チャーシューも分厚く食べ応えがある。しっかりとつけ汁に浸して、頂く。
残ったスープは追い飯とともに楽しむのも良い。
ただし、総カロリーは1128kcal、食塩相当量も一日の基準値を上回る7.4gであるため、健康に気を使う人には完食はオススメしない。
追い飯分のカロリーが加算される上、一日の食塩摂取目安は日本高血圧学会では6g以内、WHOでは5g未満である。
太麺に絡む濃厚なスープ。
大勝軒より続くルーツを脈々と受け継ぎ、ひたむきに最上のつけ麺を作り続けるとみ田。
これより先、どういう進化を辿り、どういう伝授がなされていくのか、まだまだ楽しみである。