ねこらぼ( 'ω')

名古屋でこそこそと活動っぽいことをしている橋本ねこのブログ( 'ω')

Goodbye Mozartから読む「プロフェッショナルが相互協力する時代」への流れ

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バンドが溢れている時代へようこそ。

バンドが多い事は良い事だと思う。音楽が色んな人によって奏でられ、それを楽しむ人もまたたくさんいる。すばらしい。

音楽は生きる上で必要不可欠な物では無い。つまり音楽が流行しているということは、程度の差はあれど治安や生活が最低限度ラインは越えているということになる。

 

そんな音楽を僕はもっと身近な存在にしていただきたいし、そう感じる人が増える事を願ってやまない。なおかつ、作り手や演奏者も減ってほしくない。

音楽業界にももっと明るいニュースが増えてほしいし、力や素質のあるアーティストやクリエイターには消えてほしくない。ただしそのまさに今立っている土壌をどう整備するかは、個人の時代の読み方のスキルにも大きく左右される。

 

業界全体の流れを読みながら自分の身の振り方を考えないといけないのは大変なんだけど、それをただただ業界や時代やお客さんのせいにするのは違うなって僕は思う。

 

明るいニュースと言えば、最近の名古屋の音楽業界のニュースで個人的にとても印象的だったのがGoodbye MozartがCuore Management Productionとタッグを組んだというニュース。

www.goodbyemozart.com

 

Goodbye Mozart、通称グバモは気分上がる系のバンドサウンドに絶妙にデジタルサウンドが融合したロックバンド。

恐縮ながらライブは生で見た事無いのだけど、音源とミュージックビデオは拝聴した。

ちなみにギターのタカヒロック氏は今池のライブハウス「GROW」と上前津のライブハウス「ZION」で店長をしていた経験があり、僕もバンドマン時代にめっちゃお世話になっている。


Goodbye Mozart - ヒトリノセカイ(Official Music Video)

以前はシンセサウンドを多用していた印象だったけども、こちらの新曲は落ち着いたストリングスを主体としたアレンジとなっている。とはいえ、ギターやドラムのオイシイ部分は殺さずにしっかりと活かしている。

 

そしてCuore Management Productionはヘアサロン「Cuore」を経営する会社が立ち上げた新プロダクション。

つまり、異業種でのタッグとなる。

これが僕的には色々と印象的で、なおかつ新たな光でもあると感じたニュース。

その理由をここ10年程の音楽業界を取り巻く環境の変化とともに書こうと思う。

 

音楽業界に限らないけども、ここ10年だけでも目まぐるしく環境は変わってきている。

一番の要因はパソコンとインターネットの普及。これによって5年前のノウハウですら時代に合わない物になってしまったし、今もリアルタイムでそうなってきている。この2018年の時代に2013年のやり方をしても上手くいかない。

 

作り手にとっては厳しい時代が続いているけども、まずは現状を今までの時代の流れと共に振り返りたい。

 

00年代:インターネットの普及

小学生の僕がインターネットの世界へと足を踏み入れた時は、ちょうど個人でホームページを作るのが流行していた頃だった。

中学生になった時には学校の休み時間にガラケーでポチポチとタグを編集してサイトを作ったりしてた。あとブログを書いてみたり。

どちらも僕はクラス内でもかなりのイノベーターだったと思う。他の人が使ってなさそうなタグを使ってみたり、組み合わせてみたり。文字を書くのが好きだったから、その頃からかなりのブロガーだった。

 

そこから数年が経ち、00年代も終わりに差しかかる頃。バンド活動を始めた時にこれらの経験は大いに役に立った。

サイト編集がストレスじゃないし、ブログ等もマメに書く。バンドにとって「常に動いている感」を出すことはとても重要で、滞りなく最新情報を流すことが望まれる。

 

10年代前半:誰もが当たり前にメディアを持つ時代

2010年代に入ると、この流れはさらに加速した。バンドにはホームページが不可欠になった。URLがオリジナルドメインだと「おおーすごい」ってなったりしてね。そのフシは今もちょっとまだ残ってるように思うけども。

個人がメディアを持つ事が当たり前にもなった。つまり、ブログやツイッター、フェイスブック、インスタグラム…この辺のアカウントを持つ事がごく普通の事になった。

 

ネット環境も円熟し、検索すれば何でも入手できる時代が幕を開けた。それはモノに限らず、知識やノウハウだってそう。

今までブラックボックスだったレコーディングや動画制作のやり方も、見よう見まねでアマチュアにも手が届くものとなった。

 

この少し前までは、レコーディング一つ取っても個人では到底行えなかったし、ライブのブッキングもプロモーションも各種デザインもハードルの高いものだった。

こだわるならばプロや事務所にお願いして作ってもらったり。アマチュアのバンドマンの出来とプロの出来には雲泥の差があった。

そして、そういうビジネスが流行ったし、「あそこはぼったくり」だの「あそこのイベンターはビミョー」だのと色々話題になったものだ。

まだまだCDの自主制作ですら気軽に行えるような物ではなく、プロモーションビデオも中々手が出せない物だった。 

 

そんな「集団」の時代から「個人」の時代になったと言える。バンドそれぞれがデザイン や自主制作をすべて全うする――それが可能になったのが2010年代前半のこと。

 

10年代後半:プロクオリティへの敷居が下がり、誰でも手が届く時代へ

まさに今の時代には、その気になればプロクオリティの創作が出来る環境が整った。

パソコンの著しい成長、そして価格の低下。よって、ハイクオリティなソフトや機材・デバイスに手が届きやすくなり、スキルさえマスターすれば誰でもクオリティを高める事が可能になった。

インディーズバンドでもアマチュアバンドでも、プロのような作品やデザインをしている所もある。楽曲のクオリティにしても、CDにしても、プロモーション映像にしても、ライブの演出にしても。

ただし、プロクオリティへの敷居が下がった分、活動するにあたってまず全体的にブラッシュアップをする事が必要条件になりつつある。プロクオリティの敷居が下がったという事は、言い換えればそもそもの活動開始のハードルが上がったという事にもなる。

 

これからの流れ

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そして。僕としては過渡期が来たと思われる。

昔のレーベルが抱えてバンドを育てていた時代から、今は個人で全てをやる時代になり、それがだんだん飽和しつつあると考える。

その傾向が現れはじめているのを察した。きっと2020年頃には大きく流れが変わる。

 

具体的には、各々スキルを独学出来る環境が整い"何でも一人で出来る"時代になってからしばらく経った今、周りはプロフェッショナル級のスキルを持った人が多くなっている。

かつて検索すればスキルが学べたように、今はスキルを持った人が検索によって出てくるのだ。

つまり、僕としては「全てを個人でやる時代」から「専門分野を相互協力する時代」に変わると予測する。

 

全てを個人でやるのではなく、例えばプロモーション・デザイン・レコーディング・流通…それぞれの専門分野のプロを見つけてきてチームを組むようなやり方。

それぞれの専門に委託、そして相互依存の関係を持てば、チーム内に上昇のスパイラルが生まれる…という算段。そうすれば、ミュージシャンは音楽に集中が出来る。プロモーションやデザインはプロが身近にいるわけだから、そちらへ依頼する。そうすることによって、他のスキルを身に付ける時間を全て音楽に充てることが出来る。

 

本当に上手くいけば、音楽業界のみならず関連する業界全ての適正価格の見直しにもつながると思うし、連鎖的にまた別業界に波及していくと思う。

そんな時代が近づいているように、僕は思う。

 

 

そういう面では、いわゆる「クリエイター集団」は時代の流れに即していると考える。

例えば、ミュージシャンとデザイナーの組み合わせは今後もっと増えてくると思う。他にもミュージシャンとカフェ・飲食業態だったり、ミュージシャンとアパレル関係だったり、他にも色々と。

今でもそういうコラボレートは見かけるけども、今後はもっと主流になると予想する。

だからこそ今回のGoodbye MozartとCuore Management Productionのタッグは僕には先進的に映った。

 

そういう異業種のタッグは増えていくだろうし、きっとその方が効率も良いと考える。

互いに本来の分野では無いところを補い合って、なおかつ専門分野を使って高め合えるような、いわばWin-Winの関係を築ける。

 

今後どういう業種の組み合わせの集団が出てくるか、とても楽しみ。

奇をてらえば良いわけでも無いけども、ありふれたタッグはすぐに埋もれてしまう。

Goodbye Mozartの今後ももちろん楽しみだし、他にもイノベーターが出てくると思うので楽しみにしています。