ある時はバンドマン。またある時はコンポーザー。
そんな僕は昨日はライブハウスで照明をやってきました。
バンドマンがライブハウスで演奏する上で、音響さんと同じように直接的に必要なスタッフでございます。
そこまで派手に照明を動かさないアコースティックなライブではそんなに重要視されないけども、でも大事。
他のスタッフ…例えば受付やバーカウンターなんかは「バンドマンにとって必須なスタッフ」というよりは「ハコの運営上必要なスタッフ」なのでハコに属している事が多いんだけど、音響や照明は外部からフリーの人を呼んだりバンドが用意したりすることもあります。
音響や照明はもちろんハコに専属している人(いわゆる"ハコ付き")がハコの状態を一番知り尽くしているのでベストではあるんだけど、最近はフリーで数か所掛け持ちしている音響さんが多い。
そういう人たちももちろんプロですし、その会場の状況に合わせた音作りを毎回こなしている。素晴らしい。
照明さんはフリーで動くというよりもバンドについて回る方が多いかなぁという印象。
確かに会場の設備に詳しいよりもバンドの曲に詳しい方が重要かもしれない。もちろんどっちも大事ではあるけど、曲の細かな展開等にも明るい方が良い。
というわけで。バンドのライティングに当たって、そのバンドの楽曲やカラーを把握して、バンドがどんな照明を望んでいるか――つまりどんな見せ方・見られ方をしたいか、ひいてはバンドの世界観演出に上手い事参加できるかがカギとなる。
ワンマン等ではない、いわゆる「通常ブッキング」と呼ばれる4~7バンド程度が出演するイベントでは、当日昼間に初めましてーって感じでそのあとリハーサルを30分程度、あとは本番…という流れになる。
何も対策をしなければ、あえて悪い言い方をするならば「ぶっつけ本番」になる。
僕の場合はリハーサルで楽曲イメージを掴んだりする。事前に音資料をもらっているのならばそちらもチェックするし、要望が細かかったりすれば他のチェックを入れたりバンドとコンタクトを取ることもある。
いずれにしても細かく要望が書いてある方が熱量は感じる。初対面で「おまかせで」はもちろんベストは尽くすけど、正直それで期待に沿えていなくても文句を言わないで欲しいし、"期待"があるのなら先に伝えてくれよ…ってなる。
これらは僕が「照明」という立場に立ってみて初めて見えてきたことだし、バンドマン時代に裏方の立場を経験したくなって照明や音響を始めた。バンドマン側だけから見ててもよく分かんないや、ってなってね。
音響さんだって照明さんだって人間なので、ガチガチに音楽に向き合っている人たちには超真剣に向き合うし、中途半端な事をしている人たちには本気を出すのが馬鹿らしくなるはず。もちろん「お仕事」なので、業務としては全うする。
音響や照明はもちろんバンドが無いと成り立たないし、バンドがライブハウスという場所で演奏する以上音響や照明は必要となる。
お互い支え合ってる関係ですし、いい関係が築けたらいいなぁ、と。
でも照明はやってて楽しいよ。
バンドを照らすのはもちろんだけど、照明一つでお客さんのノリが明らかに変わる。
あとは僕はドラマーの腕の動きを見て予測してキメに照明を合わせにいったりする。
とはいえ、僕のポリシーとしては「目立たない照明」を心がけています。要は演奏やバンドマンよりも目立っちゃいけない、という。「ん?」って思う瞬間があったら失敗だと思ってて、フロアに居るお客さんには常に照明は無意識でいていただきたいな、って感じ。
照明も日々勉強ですな。音響も日々勉強。何でも勉強。勉強はどんな歳になってもついてまわるね。勉強大好き。