ayuクリエイターチャレンジの解説やあれこれの裏話や制作秘話を書いたりするブログ、第12弾。
ちなみにこれらの記事をまとめたものを作っております。
アレンジをする上での特徴として、僕の曲は割と短めな傾向がある。
5分を超える曲は明確な意図が無い限りは稀で、本チャレンジに於いてもどう頑張っても削れない場合を除いては5分以内で収めている。
僕の中では4分台前半で収まるのが聴きやすい曲だと思ってる。僕の中ではね。
ただし、これはJ-POPの平均値でもある。
J-POPの平均値に合わせることがそのまま「正しい」とは言わない。
けども、平均値=聞き馴染みがある曲の多くがこの長さという事なので、「違和感が無い」という事になる。
他にも色々と平均値というものはあって、例えば「サビまでは1分30秒以内に」とか「曲の開始から歌が始まるまで30秒以内」とかもある。
これは"聞き馴染み"によるものとなる。このスイートスポットに収まるなりすれば、違和感無く聞けるということ。
ただし、必ずしもヒット曲とイコールとなるわけではない事にも留意。
例えば10年前のレコード大賞を受賞した「トイレの神様」。こちらは「3拍子の曲はヒットしない」という法則をぶち壊した。
これらのデータは作曲する上でのある程度の指標となる。
その上でそれを守るのか、ちょっと崩すのか、という具合。
例えば楽曲をさらに短い3分台にして違和感を残すときもあるし、サビまでの時間を遅らせたりすることもある。
これを明確な意図・理由を以て行っているかどうかで意味合いは変わってくる。製作者は意識したいところ。
もっと細かいところまで突き詰めるならば、例えば「イントロは何故16小節なのか、8小節じゃダメなのか」とか「Fの次のコードがGじゃなくてEmじゃダメだったのか」とか。そういう部分までちゃんと理由ありきで考えられるようにしたい。
法則性をまったく無視するのも一興。守ってばかりじゃ面白くない。
かと言ってかけ離れ過ぎた個性は響かない。ある程度の"一般"を知ったうえでの改編が必要になる。
ビートたけし氏か所ジョージ氏か忘れてしまったけど、「バカをやるには常識を理解する必要がある」というのは頷ける話で。
王道から逸れるには王道をよく理解していないといけない。それが難しいポイントでもあるけどもね。
56日目(7/11):End roll(BPM78)
56. End roll / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
いきなり映写機の音を使うというチートをしつつ、"エンド感"を出した。
全体的に終わり感が強く、後ろ向きで後を引くような重たさのある曲調に。
2番のAメロのストリングスのなぞっているライン、綺麗じゃないですか?
ヴィオラとチェロのライン。後半になるとさらにバイオリンが重なる。
全体的にストリングスが輪郭を作っている。
あとは多少のベルやピアノ。バンドサウンドらしさはあるものの、緻密に練ったシンプルな構成だったりする。
57日目(7/12):Endless sorrow(BPM105)
57. Endless sorrow / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
80sの雰囲気を出したポップなアレンジ。
ちょっと作り物みたいなドラムのパワーのあるビート。淡々とした刻みと上に乗るシンセ。
サビでも爆発的に展開する事はなく、どことなく切なさを醸しながら進む。
結局光が差したのか差していないのかは聴き手によるのかも。というアレンジ。
58日目(7/13):Feel the love(BPM132)
58. Feel the love / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
原曲のアカペラデータの時点でかなりボイスエフェクトも入ってまして。
例えばこのままオーケストラ系や生楽器系のアレンジに持っていくのは難しい。だってヴォーカルがエフェクティブだもん。
いや、それはそれで面白いのかも…?今度ボイスエフェクトマシマシなアカペラデータだったら融合してみよう。
というわけで素直にEDM系に。
ただし、ラテンのエッセンスを入れてみた。全然素直じゃない。
特にAメロやBメロのピアノはラテンそのもの。ベースも実はラテンっぽい。
他にもクラーベという特徴的なリズムの刻み方を曲中にずっと入れてみたり。
使っている音色こそEDMだけど、実はラテンと分類しても良いかもしれないくらいのラテン感を忍ばせてある。
59日目(7/14):forgiveness(BPM72)
59. forgiveness / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
シンプルなバラード。サビでずっと主旋律と同じくらいの音量でハモリがいる。これが意外と曲の方向性を揺ぎないものにしていて、アレンジする上では厄介だったり。
そのまま活かしてゆったりとした展開にしつつ、ストリングスを始めとしたオーケストラ系楽器をふんだんに。ハープにティンパニーなどなど。
中盤からは小太鼓などのパーカッションも積極的に参加。徐々に盛り上がっていく。
サビは特に幻想的なコード運び、そしてストリングスの通るラインも綺麗に繋げられたので良い感じ。
安心して目をつぶって浸れる系の絶品バラードってやつ。
60日目(7/15):Greatful days(BPM127)
60. Greatful days / 浜崎あゆみ【ayuクリエイターチャレンジ】橋本ねこmix.
ハッピーな感じのミュージックに。だってグレートフルデイズだもん。
ブラスなんかも入れちゃって。ノリノリ。
オルガンもストリングスも良い感じに盛り上げる。
サビのコードはノリノリながらも夏の終わり感を盛り上げる。夕暮れというか日が傾いて時間が流れていくような。永遠ってないんだな、という趣きのあるアレンジに。
そういう景色と感情をまとめて音に込めるのは十八番。
こういう曲のアレンジが一番得意かもしれない。
60曲目のGreatful daysを作りながら、きっとこの100曲のチャレンジが終わったらこういう夏の終わりが合う季節になるんだろうなと思いを馳せながら。
今年の夏は何をしようか。