僕はライブで鍵盤を弾いている。もしくは叩いたりさわさわしたりしている。
ライブで使っている鍵盤には実はこだわりは無い。
実は鍵盤の中に用意されている音色のライブラリーはほぼ使わず、文字通り「鍵盤」としてのみ使っている。
つまり「弾いた情報」のみを取り出している状態。弾いた場所、強さ、長さ…そういう情報を抜き出している。
抜き出した情報はMIDIというケーブルを通して音源モジュール「INTEGRA-7」へと送る。
それがちょこちょこブログにも登場するラックである。
この音源モジュールの中に音色のライブラリーが用意されている。
鍵盤の内蔵音源を使わないので一見二度手間に感じるけども、裏を返せばどんな鍵盤であってもこの音源モジュールにMIDIケーブルで接続する事で同じ音を出す事が出来る。
つまり鍵盤自体はMIDIケーブルさえ差すことが出来れば何でもOK。メーカー・機種ごとに違う鍵盤のタッチのこだわりもそこまで無いし、適応出来るので問題無し。
あとは曲ごとに音色のセットを用意しておいて、これを切り替えて演奏するだけ。
色んな現場やバンド、楽曲があるならばこちらでセットを組んでしまった方が楽なのです。複数台の鍵盤の音色もまとめて管理できるしね。
このモジュールを使い始めたのは2012年頃からなんだけど、その時にモジュールを収めるラックも一緒に買ったのね。そのラックに今まで出演したライブハウスでもらった「パス」をべたべたと貼っている。
パスは楽屋へ入るためのIDみたいなものなんだけど、特に小さいハコならば顔も分かるしほとんどシステムとしては形骸化している。
大きな会場だと出演者やスタッフの他にも各種プレスや関係者、招待者、取引先の方なんかもいたりしてパスが無いとお客さんなのかゲストなのか分からないから必須だけども。
パスは当日の大事な関係者証明となるものの、その日が終われば効力を失う。なので日付が記載されている。
そしてバンド名(もしくはイベント名)、会場名が記載されているので、「ライブをした証」ともなる。
なので、僕はそれを全てラックケースに貼っている。
海外旅行をたくさんしている人がトランクにステッカーをたくさん貼ってるのと同じ感覚だと思う。
2Uのラックケースには表も裏も、側面も、そして底面にもパスが貼ってあり、基本的には剥がす事無く、上からどんどん新しいパスを貼り付けている。
その上で、やはりどんどん古くなるとボロボロになったり接着力が無くなったりして脱落してしまうものもあるんだけど、特に補強はしない。剥がれたり破れたりするのも味であり歴史。
こちらは表側。奈良NEVERLANDの鮮やかなオレンジのパスや、長堀橋WAXXの紫のパス。左側面はすべてell系列のハコのパス。
基本的には昔ながらの布製…サテンっぽいパスが多いのだけど、紙製のコスパの良いパスもあったり。ハコによって個性があって面白い。
裏側にもパスはたくさん。北は仙台から南は博多まで。HooKのパスやBe-1のパスも。
パスを見ると思い出が蘇る。
「あの日は出番が終わって衣装のまますぐに荷物を外に出して車に積んだけど、外が寒すぎた」とか。
「楽屋やバックステージが迷路みたいになってて楽しかった」とか。
「ステージが高すぎてちょっと怖かった」とか。
出番以外の面での思い出も色々と、たくさん。
これまでのライブ本数は280本ほど。もう少しで300本。
そしてこれからもまだまだライブはしていくと思う。
そろそろ2Uサイズじゃいっぱいだから3Uサイズのラックに増設しようかな…的な計画もあったり。
これからどんな思い出が増えていくのかな。楽しみ。